女優・脚本家の武藤志織がプロデュースする演劇ユニット mucho produceが第2回公演『悲しい時には羊のうたを』を上演する。演出・出演の村田充、出演の郷本直也は、2024年春の旗揚げ公演にも出演した面々。まずは思い出を聞かせてもらった。
村田「小劇場での芝居は、原点に立ち返るような感覚がありました。より繊細に丁寧に芝居を作る中で、小劇場の奥深さ、難しさを感じたりもしました。また直也とは付き合いが長いのですが、小劇場では同じ舞台に立ったことがなかったので、一緒にやれる楽しみもありました」
郷本「出会った頃は、お互い10代でしたよね(笑)。充くんは当時から僕の憧れだったので、初共演できたときはまさに念願叶ったという気持ちでした。そして前回、ストレートプレイでも充くんとご一緒することができて嬉しかったです!」
今回は演出として作品を束ねる立場も担う村田。郷本は前回の稽古場で、村田の演出家的な視点を感じ取っていたという。
郷本「充くんの稽古場での気づきは的確で、腑に落ちるんです。また作品作りで求めるものに、感性の近さも感じていました」
村田「役者のときの芝居の作り方も客観性を大事にしているので、演出はその延長線上にあるかな。今回は脚本の世界観を大切に、僕らしい演出にどう落とし込んでいくかが課題。役者はベテランも多いので、彼らにいかに楽をさせず、新しい面を引き出すかを意識していきたいですし、若い人たちも意見を言いやすい稽古場にしたいです」
長い付き合いの2人に、互いの俳優としての魅力を聞いた。
村田「彼自身の人間的な温かさや奥行きの広さが芝居にも乗っかっていると感じます。安心感をもたらしてくれる存在で、年下ですが僕も頼りにしています」
郷本「充くんのお芝居の構築の仕方が、自分と全く異なるところに魅力を感じます。独特の佇まいなど、充くんから盗ませてもらったところは多いです」
気になる脚本は現在、武藤が執筆の真っ最中とのこと。ひと足先に準備稿に目を通した2人に、印象を聞いてみると……。
村田「率直な感想は『単館向きの邦画』かな。舞台でどう料理すればいいのか考えています。お芝居は脚本が生命線。武藤さんが苦しみもがいて生み出したものを、お客さまにしっかり届けたい。客演ではありますが、“劇団員”の一員として武藤さんを支えようという気持ちです」
郷本「一歩踏み込んでいけるような関係になれたらいいですよね。僕が読んだのは初期のものなので、だいぶ進化しているはず。芝居は台本ありきだと、僕も思います。いち役者としては武藤さんの書いたセリフを無理なく口にできる、そういう環境をしっかり整えていきたいです」
(取材・文:木下千寿 撮影:間野真由美)
プロフィール
村田 充(むらた・みつ)
1977年8月18日生まれ、大阪府出身。2000年にドラマ『二千年の恋』で俳優としてデビュー。以後、映画・ドラマ・舞台で広く活躍。主な出演に、映画『るろうに剣心』シリーズ、舞台『弱虫ペダル』シリーズなど。
郷本直也(ごうもと・なおや)
1980年4月25日生まれ、大阪府出身。2003年、ミュージカル『テニスの王子様』1st シーズン 海堂薫役でデビュー。舞台を中心に活躍。主な出演に、舞台『弱虫ペダル』シリーズ、『幽☆遊☆白書』シリーズなど。
公演情報
mucho produce vol.2 『悲しい時には羊のうたを』
日:2025年2月14日(金)~23日(日・祝)
場:新宿村LIVE
料:S席[前方席確定・特典付]10,000円
一般席6,500円
トークイベントチケット
[2/19 19:00、2/22 18:00]5,000円
(全席指定・税込)
HP:https://x.com/mucho_produce
問:mucho produce
mail:muchoproduce0610@gmail.com