人形劇団ひとみ座が贈る、アフリカの赤ずきんちゃん『かわいいサルマ』 アフリカの色彩に富んだ世界で太陽に向かっていく元気な子どもの姿を届けたい!

人形劇団ひとみ座が贈る、アフリカの赤ずきんちゃん『かわいいサルマ』 アフリカの色彩に富んだ世界で太陽に向かっていく元気な子どもの姿を届けたい!

 2021年に創立73周年を迎える人形劇団「ひとみ座」。8月「アフリカの赤ずきんちゃん」と言われ親しまれる南アフリカの絵本作家ニキ・ダリーの絵本『かわいいサルマ』を上演する。
 作品はアフリカの市井の女の子を主人公に描かれる寓話。この物語の素晴らしさを、主人公サルマ役を演じる篠崎亜紀と、演出を担当する劇団鳥獣戯画の知念正文が語ってくれた。

篠崎「舞台がアフリカというのがまず何よりの個性。聞いてみるとアフリカの街では、危ないことや悪いことをしたら、どこの子どもであっても近所の人たち誰でもがちゃんと叱っていいという暗黙の了解があるんだそうです。物語の中でもサルマはお買い物に行くのですが、どこのお店の人も『あらサルマちゃんおつかい?』と声をかけてきて、皆が彼女のことを知っている。それは昭和の日本と同じだなぁと思ったので、懐かしさと共に共通点やぬくもりを感じて頂けると思っています」

知念「サルマって天真爛漫で太陽の下で伸び伸びと育っている。今コロナ禍なこともあって、日本の子どもたちはなかなか太陽の下で遊んだりできないし、どうしてもうつむき加減ですよね。そんな子どもたちにこそ、溌剌と太陽に向かって生きているサルマを見て欲しいし、色とりどりの鮮やかな色彩に溢れたアフリカの世界を届けたいです」

 人形劇だから伝えられるもの、その魅力を二人はどう感じているのだろうか。

篠崎「人形劇って全てが作りものだって皆が知っているんです。でも幕が開くとお客様はその作り物の世界を、想像力を働かせて物語として受け取って下さります。観客一人ひとりの心の中で完成していただく余白がある、一緒に作っていけることが人形劇の醍醐味。私はやっぱり人形劇が大好きです」

知念「人形ってできないことも多いし、ある意味不器用だからこそとても演劇的だと思います。例えば人は飛べないけれども、人形ならポーンと飛んでいくことができますよね。そうした豊かな表現に加えて、篠崎さんはじめ人形を動かしている方達の物語も加味されていくので、とても面白いと思っています。今回は劇団AFRICAさんのアフリカンダンスと生演奏も加わって、よりカラフルな物語がお届けできますから、是非今こういう時代だからこそ、アフリカの太陽とどこの国でも『子どもって素晴らしいんだ!』を感じにいらして下さい」

(取材・文:橘 涼香 撮影:平賀正明)


プロフィール

篠崎亜紀(しのざき・あき)
神奈川県出身。1991 年人形劇団ひとみ座に入団。『長くつ下のピッピ』ピッピ、『リア王』コーディリア、『夏の夜の夢』ヘレナ、『少女と魚』少女ととこ、『マクベス』マクベス夫人など、主要なキャラクターを務め活躍を続けている。『長くつ下のピッピ』では、主役のピッピ役で東京都優秀児童演劇選定『日本児童演劇協会賞個人賞』受賞。近年の主な出演作品に、しのざきあきひとりしばい テーブル人形劇『3びきのこぶた』、『ごきげんなすてご』、『9月0日大冒険』等がある。

知念正文(ちねん・まさふみ)
横浜市出身。早稲田大学在学中「劇団 暫」を結成し、つかこうへい氏らとともに活動。1975年、石丸有里子等らと共に、劇団鳥獣戯画創立。以来、自劇団において創作・演出・振付・出演をして現在に至る。埼玉県所沢市周辺の子どもたちが参加する、オリジナル子どもミュージカル劇団「にこっとちゃ茶」の総合プロデュースや、劇団がアトリエをおく、埼玉県入間市の市民ミュージカルの作・演出を務めるなど、地域での活躍も多い。2019 年中国で開催されたthe 8th International TheatreAcademy Awardにて『三人でシェイクスピア』を上演。作品賞を受賞した。


公演情報

人形劇団ひとみ座主催公演 かわいいサルマ

日:2021年8月18日(水)~22日(日) 
場:横浜市教育会館 ホール(エコーレ)
料:一般2,600円 子ども[3歳~小学生]2,000円
  ※他、各種割引あり。詳細は公式HPにて(全席指定・税込)
HP:https://hitomiza.com/salma/
問:人形劇団ひとみ座 
  tel. 044-777-2225(月~土10:00~18:00)

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