東京バレエ団の歴史を語る代表的演目を網羅! 2日限りのスペシャルなガラ公演 初めての方にも興味を持っていただける、素晴らしい作品揃い

 東京バレエ団60周年祝祭ガラ『ダイヤモンド・セレブレーション』。ゆかりの振付家の作品から昨年初演の新作まで、今の東京バレエ団だからこそ上演できる演目が揃った。その中でモーリス・ベジャール振付の名作『バクチⅢ』を踊るのが、伝田陽美だ。

 「破壊と再生の神・シヴァと、妻・シャクティの踊りです。インドの伝統音楽に合わせ、絵画などに見られるような独特のポーズや、クラシックバレエではあまり見ない動きが出てきます。前半はしっとりした動きが中心で、後半になると激しい踊りになり、私の中では“ダンスバトル”というイメージ(笑)。私自身、初めてこの作品に触れた時は『何これ!? 面白い!』と衝撃を受けました。バレエを見慣れていないという方にも楽しんで頂けると思います」

 伝田が本作を踊るのは3回目。久しぶりにこの演目を踊れることが嬉しいと微笑んだ。

 「初めて挑戦した時に1968年の初演を踊ったメイナ・ギールグッド先生から直接指導を受けられた事が貴重な財産になりました。先生は腰の動きを重視されていて、よく『腰!』と言われたのを思い出します。バレエではあまりないものでしたが、自分にはスッと馴染み『こういう動き、意外に得意なのかも』と思いました(笑)。今回はテクニックも表現もさらに向上させたいですし、踊りからインドの神様というバックグラウンドまで伝わればいいと思います」
 
 伝田のパートナーを務めるのは、柄本弾だ。

 「彼とは同期で気心が知れていて、踊りについて気兼ねなく言いたい事を言い合えます。サポート力が素晴らしく絶大な信頼があります。弾くんは内面からエネルギーを放つような役柄が得意ですし、日本の舞台で一緒に踊るのは初めてなのでいいものをお届けできたら」

 『ダイヤモンド・セレブレーション』に寄せる想いとは?

 「有名な『ボレロ』をはじめ、ユニークな『バクチⅢ』、バレエの壮麗な美しさが楽しめる『エチュード』、フレッシュで爽やかな『スプリング・アンド・フォール』、最新作『かぐや姫』など、有名な現代振付家の作品をまとめて観られて、まさに“いいとこどり”! 『東京バレエ団はこういう作品をやっている』と知って頂くのにぴったり。本公演を入り口としてバレエに興味を持ち、バレエ団の公演に足を運んで頂く方が増えればと願っていますし、私もこの舞台を楽しみにしています!」

(取材・文:木下千寿 撮影:友澤綾乃)

プロフィール

伝田陽美(でんだ・あきみ)
長野県安曇野市出身。5歳よりバレエを始める。
2008年、東京バレエ団に入団。2009年にマラーホフ版『眠れる森の美女』で初舞台を踏む。古典からコンテンポラリーまで、様々な作品に出演し、キャリアを積む。2018年、ファーストソリストに昇進。

公演情報

創立60周年記念シリーズ9 東京バレエ団60周年祝祭ガラ『ダイヤモンド・セレブレーション』

日:2024年8月31日(土)・9月1日(日) 
場:NHKホール
料:S14,500円 A12,000円 B9,000円 
  C7,000円 D5,000円 E3,000円
  (全席指定・税込)
HP:https://www.nbs.or.jp
問:NBSチケットセンター 
  tel.03-3791-8888(平日10:00~16:00/土日祝休)

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