一之瀬優、本西彩希帆が自然と人間の繋がりを描く意欲作に挑戦 イチョウの大木を通じて地球の未来を考える ひとときの舞台『チャーリー』

一之瀬優、本西彩希帆が自然と人間の繋がりを描く意欲作に挑戦 イチョウの大木を通じて地球の未来を考える ひとときの舞台『チャーリー』

 SDGsや環境問題をテーマとした映像・ラジオ・舞台を手掛けるRec Artists Community(Rec-AC)による、ひとときの舞台『チャーリー』が博品館劇場にて上演される。Rec-ACの親会社は林業に関わりながら森林再生を推進しており、“人と木”と“一時”をかけて生まれた本作は、環境問題に波及して自分には何ができるか考える機会になることを願って企画された。大人は勿論、子供が観るにも相応しい内容だ。そんな本作においてイチョウの木の精霊・チャーリー(声の出演:尾上松也)に育てられたことで動物や植物と話ができる少女・ミラ役を本西彩希帆が、ミラと出会い彼女の世界を広げる御曹司・カイ役を一之瀬優が務める。沢山の想いが込められた舞台、主演・ヒロインを務める2人に意気込みを聞いた。


―――本企画に込められた想いやコンセプトを聞いた時のお気持ちは?

一之瀬「かなり特殊な舞台だなと思いました。他の作品の共演者の方に『今度出る舞台、林業の会社さんが主催なんだよ!凄くない?』と話してしまうくらいには! Rec-ACさんは山形のラジオ局で番組(「ひととき」)を手掛けていらっしゃるとのことですが、この規模感の舞台を作るのは初めてということで、そんな大事な作品に参加させていただけることを嬉しく思っています」

本西「林業の会社さんが主催で、環境問題について考える舞台……と聞くと少し身構えてしまいますが、物語の内容はファンタジー要素も多くて、子供でも観やすい内容になっていて。普段の生活から離れたファンタジーな世界感が好きなので、出演できて嬉しいです。子供たちは勿論なのですが、大人こそ、きっと日々忙しく生活する中で、環境問題について考えられていない部分もあるかと思います……私自身も企画書を読んでハッとさせられました。自分にとっても学びの場になりそうです」

―――改めてご自身が演じるキャラクターのご紹介と、印象を教えてください。

本西「私が演じるミラは幼い頃に捨てられていたところを、イチョウの大木・チャーリーに救われて、育ててもらいます。その影響で動物や植物と話ができるということで……とても夢がある役をいただけて、嬉しい気持ちでいっぱいです。そんな彼女が、カイと友達になることで人間の世界にも居場所ができていくのですが……小さな世界にいた彼女が、外の世界に出てさまざまな人に関わることで、成長して変わっていくのが凄く魅力的で、そんなミラと気持ちを共有できることがとても楽しみです。彼女から受け取った純粋さをそのままお客様に発信することができたらと思います」

一之瀬「カイは大企業の御曹司ですが、昔話によくいる意地悪なお坊ちゃまではなくて、とてもいい子です。子供ゆえに無知で無鉄砲なところがありますが、だからこそ勇気ある行動をとることができます。ミラがカイと出会うことで変わっていきますが、カイもまたミラと出会うことで、沢山の新しい体験をするんですよ。それこそ言葉を喋るカエルと出会ったり……! 固定概念に縛られない発想や、胸に響く言葉が口をついて出てくる、魅力的なキャラクターです」

―――普段お2人が出ている舞台とは少し作品の毛色が異なる作品になりそうですが、だからこそご自身のファンに観てほしい見所は?

一之瀬「僕はコメディ作品に出演する機会が多くて、しかもボケ担当なことが多いんです。日替わりネタを任されがちで(笑)。なので、カイのようなストレートなイケメン役はやってこなかったのでファンの方にとってもは新鮮ではないかと思います」

本西「どんな舞台でも根本にあるやることは変わらないのですが、今作は環境保全を訴える、子供にも観てもらえる作品にする、など方向性がはっきりしているので、カンパニーとしてそこに向かって走っていきたいですね。ミラはお客様の代弁者というか、ミラを通じてお客様が感じる内容や視点がとても大事になると思っているので、この作品が伝えたいことを分かっていただけるように、丁寧に真摯に台本と向き合っていきたいと思います」

―――お2人はミラのように動物や植物と話すことができるとしたら、どんなことをしてみたいですか?

本西「やっぱり木とお喋りしてみたいです。樹齢が長いからいろいろなことを知っていそうで……例えば、京都の西本願寺にある木に『新選組の人たちってどうだったの?』とか聞いてみたいですね(笑)。あと、木や植物ってまだ解明されていない謎も多いじゃないですか。ソメイヨシノは1本のクローンからできたって聞きますけど、本当にそうなのか気になっていて……聞いたら教えてくれるでしょうか?(笑)」

一之瀬「木と話せるなら、僕、花粉症が酷いので、スギの木に『ちょっと花粉止められない?』って相談したいです(笑)。でも彼らが生き残っていくためには花粉も仕方ないのかな……。あと、動物と話せたら天気や地震について予知できるのかを聞いてみたいです!カラスが低空飛行したら地震がくるって聞きますけど本当なんですかね。聞いてみたら意外と『低く飛びたい気分だっただけ』って言われるかもしれません(笑)」

―――どちらも楽しそうですね!そういう視点で考えると、動物や植物にこれまで以上に愛着が湧きそうです。では、最後に改めて観に来てくださるお客様にひとことお願いします。

一之瀬「この取材段階では稽古前なので、どんな舞台になるのかドキドキしている段階ですが、お客様には純粋に物語を楽しみに来てほしいなと思います。劇場でお待ちしております!」

本西「ひとときの舞台、それぞれの役を通して見える景色も感じ方も変わってくるので、いろいろな視点からご覧いただける作品にできるように、自分の役と向き合って、カンパニーの皆様とも向き合って、精一杯頑張ります。観終わった後、お客様が少しでも木に、自然に触れあいたいと思っていただけたら幸いです」

(取材・文&撮影:通崎千穂)

プロフィール

一之瀬 優(いちのせ・ゆう)
1997年1月6日生まれ、東京都出身。2015年~2024年までダンスボーカルユニット「CUBERS」のメンバーとして活動しており、アーティスト活動と並行して舞台・モデル業もこなしていた。近年の主な出演作品に、舞台『ぼくらの七日間戦争 2022』佐竹俊郎役、舞台『淡海乃海-天下静謐の雫となりて-』六角左京太夫輝頼役 、舞台『カタバミ』仙左衛門役など。

本西彩希帆(もとにし・さきほ)
1998年5月27日生まれ、千葉県出身。ミュージカル『薄桜鬼 志譚』〜風間千景篇〜雪村千鶴役を皮切りに、2.5次元舞台で活躍。近年の主な出演作品に、舞台『リコリス・リコイル』シリーズ 井ノ上たきな役、舞台『Collar×Malice -柳愛時編-』星野市香役、『バクテン!! The Stage』栗駒あさを役、舞台『ある閉ざされた雪の山荘で』元村由梨江役、舞台『トワツガイ Ⅱ』モズ役など。

公演情報

ひとときの舞台 『チャーリー』
日:2024年9月12日(木)~16日(月・祝)
場:博品館劇場
料:S席[前方四列] 一般8,500円 小中学生5,000円 
  A席 一般7,000円 小中学生5,000円
  (全席指定・税込)
HP:http://stage-charlie.com
問:レックエーシー mail:info-charlie@rec-ac.com

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