本多劇場グループ×海外戯曲シリーズ第4弾 “男性の出産”を通して社会問題を笑う傑作コメディ

 本多劇場グループと演出家の大澤遊、英米演劇の翻訳を手掛ける小田島創志がタッグを組む海外戯曲シリーズ。第4弾は2021年の第2弾でリーディング形式にて上演され大好評を得た、ジョー・ペンホール作の『BIRTHDAY』だ。“妊娠した男性”の目線を通して、医療体制や人種差別、男性目線でつくられた社会問題を笑う、皮肉の効いた傑作コメディ。本公演で主演のエド役を務める阿岐之将一は「掛け値なしに面白い作品」と初日を心待ちにしている。

 「男性が妊娠するというお話ですが、突拍子もない奇跡の話ではなくて、遺伝子技術が発達した近未来に現実となったとしても不思議ではない、現代と地続きになっている感覚があります。
 まだ稽古が始まっていないので、本当に笑いが起きるのか不安はありますが、台本を読む限り、凄く面白い。社会への風刺であっても、それをエンターテインメントで包むというのはとても共感しますね。女性が経験してきた出産時の不安や痛みに起因する様々な感情がベースになるので、そこに真実味を持たせることが1つの挑戦になります。
 人間、身体的な苦痛に直面すると、人との接し方も全く変わってくるという描写に説得力を持たせれば、そこもまた笑いに繋がるのかなと想像しています」

 前回公演に続き、妻・リサ役を宮菜穂子、助産師・ジョイス役を南海キャンディーズの山崎静代、研修医・ナターシャ役を石山蓮華が務める。

 「きっと皆さんは前回を経て、色々なことを話し合い、共通認識を持って挑まれているので、そこに僕が入っていくことは正直怖いです。でも演出の大澤遊さんとは新国立劇場での『夜明けの寄り鯨』という作品でご一緒させて頂き、とても話しやすい空気を作って下さった方なので、積極的なコミュニケーションを心掛けたいです。海外戯曲は文化的背景や習慣の違いもあって、日本人には分かりにくい部分や違和感を覚えて苦手という方もいるかもしれませんが、共演者の方々をはじめ、翻訳の小田島創志さん、演出の大澤さんと、ここが面白いよね!という部分にフォーカスした作品になると思いますので、稽古が今から楽しみです!」

 百聞は一見に如かず。ぜひ観てほしいと呼びかける。

 「本を読めば、これは面白い作品!と言ってもらえるはずですが、舞台は映画のような予告編もないので、面白さを直感的に伝えきれないもどかしさがあります。でも間違いなく面白い作品なので、ぜひ劇場に笑いに来て下さい!」

(取材・文:小笠原大介 撮影:間野真由美)

今年の夏はスポーツがアツい! あなたが注目するスポーツは?

「野球! 3年前に『検察側の証人』で共演した西川大貴くんが筋金入りのオリックスファンでして、彼と仲良くなったことをキッカケに球場まで野球を観に行くようになりました。WBCの初戦、大谷選手が先発する試合にも誘ってもらい、生大谷も目撃してきました! 大谷選手が投球フォームに入る瞬間、5万人を超える観客が息を飲んでその姿を見つめ、満員の東京ドームが静まり返るんです。完全なる静寂。5万人もの人間が合図もなしに自然に。それは何とも言いがたい異様な体験で、妙に興奮したことを覚えています。あと球場で飲むビールは最高です!!」

プロフィール

阿岐之将一(あきの・まさかず)
1989年11月20日生まれ、広島県出身。明治大学政治経済学部経済学科卒業。新国立劇場演劇研修所10期生。近年の主な出演に、ソングサイクル・ミュージカル『雨が止まない世界なら in 2024』、舞台『イノセント・ピープル~原爆を作った男たちの65年~』、『死ねばいいのに』、『悼むば尊し』、こまつ座『闇に咲く花』、『夜明けの寄り鯨』、『彼女を笑う人がいても』、NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』、ドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』、映画『ミッシング』など。

公演情報

本多劇場グループ×海外戯曲シリーズ第4弾『BIRTHDAY』

日:2024年7月24日(水)~30日(火)
場:新宿シアタートップス
料:一般8,000円
  U25[25歳以下]4,000円 ※要身分証明書提示
  (全席指定・税込)
HP:https://www.honda-geki.com/birthday
問:本多企画 mail:seisaku.ticket@gmail.com

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