劇場に足を運ぶ手間に全力で応え、生の熱量や舞台の魅力を全力で届ける 「自分たちなりの“答え”を提示できる公演にしたい」

劇場に足を運ぶ手間に全力で応え、生の熱量や舞台の魅力を全力で届ける 「自分たちなりの“答え”を提示できる公演にしたい」

 半世紀以上にわたって繰り返し上演されている、つかこうへいの代表作『熱海殺人事件』。紀伊國屋ホール60周年記念公演『熱海連続殺人事件』と銘打ち、『熱海殺人事件 Standard』と『熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン』が7月5日より上演される。今回、『Standard』版に出演する荒井敦史と新内眞衣にインタビューを行った。

荒井「これだけ演じられている作品は滅多にない。その時点でこの作品の魅力がわかりますよね。僕は5回目ですが、出演する度に新たな発見や壁にぶつかる面白さがある。今回のテーマは“言い訳なしで作り切る。僕らなりの正解を一度出す”ことです」

新内「何度も上演されていて、キャストの年齢層も幅広い。普遍的で誰が観ても心に残る作品ですよね。演じる上でも本気で向き合わないと負けてしまう。荒井さんと演じるのは3回目ですし、答えを出さなきゃいけないと思いますね」

荒井「最初は勢いで誤魔化してもらっていたところがあるけど、これだけ回数を重ねたらその先が必要だよね。深みを出していきたいです」

 “熱海”での共演は3回目となる2人だが、お互いの印象を聞いてみた。

荒井「同郷の姉ちゃん(笑)。気を遣わないですね。女優・新内眞衣は、入った瞬間の力が物凄く強い。爆発力があると感じます」

新内「悪ガキじゃないですか(笑)? 俳優としては本当に尊敬しかないです。一緒に演じていても舞台を観に行っても、やはり凄い俳優だと感じます」

 今作の見どころを尋ねると。

荒井「富永勇也くんが入って新たな化学反応が起きますし、ようやく高橋龍輝の大山金太郎が見られる。それを僕らがどうコントロールしていくかですね。知っているメンツでも毎回どうなるかわからないのが面白い」

新内「龍輝は器用だし多才。下手したら龍輝の一人勝ちになりかねないので、這いつくばって応戦したいと思います(笑)」

 また、新内はラストシーンに思い入れがあるという。

新内「結末が凄く好きなんですよ。最後の伝兵衛を自分と水野、半々の状態で袖から見るのがぐっときますね」

 作品ファンやキャストファンはもちろん、演劇に馴染みがない人にも観てほしいと気合十分でアピールする。

荒井「演劇というものを観に来ていただく、1つのきっかけになれたら。僕らも伝える幅を広げて頑張ります。お友達を誘っていただけたら嬉しいです」

新内「回数を重ねてハードルが上がっていることも力にしつつ、凄いものを観たと思ってほしいし、色々な感情を体感してほしいです」

(取材・文:吉田沙奈 撮影:友澤綾乃)

プロフィール

荒井敦史(あらい・あつし)
「第21回JUNONスーパーボーイコンテスト」ビデオジェニック賞受賞をきっかけに、2009年に芸能界入り。主な出演に、映画『メサイア』、『リアル鬼ごっこ』シリーズ、『HiGH&LOWTHE WORST』シリーズ、ドラマ『水戸黄門』、『サ道』シリーズ、舞台『熱海殺人事件』、『いとしの儚』、『かわりのない』など。

新内眞衣(しんうち・まい)
乃木坂46の元メンバー。ファッションモデル・ラジオパーソナリティ・タレント・女優として幅広く活躍。主な出演に、ドラマ『ザンビ』、映画『尾かしら付き。』、舞台『あさひなぐ』、『熱海殺人事件』、『ON AIR~この音をキミに~』、スーパー銭湯LIVE「ユーラン・ルージュ~笑いの源泉かけ流し!~」など。

公演情報

紀伊國屋ホール60周年記念公演 熱海連続殺人事件
『熱海殺人事件 Standard』

『熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン』

日:2024年7月5日(金)~22日(月)
場:紀伊國屋ホール
料:8,500円(全席指定・税込)
HP:http://www.rup.co.jp/stage/atami_2024.html
問:Mitt tel.03-6265-3201(平日12:00~17:00)

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