劇団ぱすてるからっとの名作を再演! 時代を駆ける大正浪漫を愛する女の子たちの物語

劇団ぱすてるからっとの名作を再演! 時代を駆ける大正浪漫を愛する女の子たちの物語

 原石たちがダンスやアクションのある舞台演劇を届ける若手クリエイティブ集団「劇団ぱすてるからっと」最新作の上演が12月に決定! 華やかで激動の大正時代を舞台に、探偵社に集う異種能力を持った女の子たちの活躍を描く浪漫活劇を届ける。作品を代表して華チームの主演・岡ちひろ、風チーム主演・杉田真帆、白石彩妃、井上千鶴に話を聞いた。


明るく前向きな作品に

 本作は2019年に初演され歴代最高動員数を記録した大注目作。このたび一部新キャスを迎え、さらに最先端のプロジェクションマッピングを用いたエンターテインメント舞台としてパワーアップする。

―――主演の岡ちひろさん、杉田真帆さんは、若いながら探偵社を立ち上げた少女・芋田猫美を演じます。岡さんはぱすてるからっとではレギュラーであり、本作は初演を経て再演となりますが、前回を振り返ってどんな公演でしたか?

岡「体力勝負の公演でしたね。殺陣やダンスが散りばめられて走ってははけの連続でした」

―――前作から変化しそうですか?

岡「前回同様に芋田猫美役を演じますが、初演よりグレードアップは必須ですよね。初演の時は人間・岡ちひろに近い猫美でしたが、今回はもう少し役を掘り下げたくて。猫美に自分を寄せた役作りをもっと意識したいと思っています。『おはよう』の一言でも、言い方が違うと思うんです。もっともっと猫美に近づいていけたら」

―――今回、EDダンス振付やOPとEDの歌唱も担当されます。挑戦やテーマとして思っていることは?

岡「スケジュール管理が挑戦です(笑)。稽古もあり歌は2曲ですが、レコーディングに加えダンスの振付がありまして、振り渡しが終わっても稽古場に行くたびに誰かに教える事になると思うので、自分ひとりでいっぱいいっぱいにならないように頑張りたいです。ありがたいことに主演なので、周りの人にも気を配れるように、余裕を作って挑みたいと思っています。

 実はエンディングの曲が先日上がってきまして、明るい未来にむかっていくイメージで希望に満ち溢れたPOPな楽曲です。お楽しみにしていてください」

―――対する風チームの主演・杉田真帆さんは、ぱすてるからっと自体が初出演です。

杉田「はい、初めてなのでぱすてるからっとさんの過去の映像を拝見しましたが、プロジェクションマッピングがとてもすごくて! 今作でもマッピングが見どころになっているので、とても楽しみです。猫美はとても元気がいい女の子だなと思いました。演じることがとても楽しみなキャラクターです」

―――何を意識して演じようと?

杉田「自分とは逆のタイプですが、猫美ちゃんはとても男勝りで活発なんです。その元気さを意識して演じていけたら」

―――とても挑戦が多い作品になりそうですが、今準備していることは?

杉田「観劇をするようにしていますね。やはり他の役者さんの演技を見て、いいところは吸収したいと思っています」

―――ありがとうございます。そして新キャストとして出演されます白石さんはぱすてるからっと作品に出演経験がありますが、ぱすてるからっとの魅力とは?

白石「まずプロジェクションマッピングですね。演じている自分も世界観に入り込めるので、とても魅力的です。今回自分のシーンにあったら嬉しいですし楽しみです。演じている時は見えないのですが、前回の出演作品で映像を見た時、まるで自分が操っているように見えてテンションが上がりました!」

―――準主演・牛沢令役をどう演じようと思っていますか?

白石「主人公の猫美に振り回される子で、台本を読むととても面白くて楽しみです。私もどちらかというと人に振り回されるタイプで(笑)。役に近い自分を生かして演じることができそうです」

―――そして初演と同様、鳥井穂香役の井上さんは、前回を振り返って印象深かったことは?

井上「演出の佐藤颯さんが自由にさせてくださるんです。セリフはあっても自分の言葉で発していいシーンが部分的にあり、前回は日替わりネタをさせていただいていて、今回も同じ役なので実は個人的にプレッシャーを感じています。また日替わりネタをするのでしょうかと(笑)。これからの稽古がドキドキです」

―――今回の鳥井役は何を意識して演じようと?

井上「やはり主演の方が変わるとこちらも変わりますし、探偵社のメンバーも変わっているので、一緒に演じるかたの影響を受けて、新しい鳥井ちゃんができたらいいなと思っています。

 先ほど体力勝負の舞台と出ましたが、私は前回ダンスも殺陣も参加し途中で死にかけまして(笑)。今回は前もって体力作りからはじめて挑みたいと思います」

―――井上さんはぱすてるからっとで制作としても関わっていらっしゃいます。

井上「何度かご一緒している方が多いので、あまり背負い過ぎずに、でも自分にできることはできるだけ努めたいです。また感染症対策で稽古が(2チームに)分かれ逆班の方々とは接する機会が少ないと思うので、ちょっとでもみなさんの心の支えになることができたらいいなと思っています」

―――井上さんが思うぱすてるからっとの魅力は?

井上「他の劇団では経験できない事を経験できる場所ですね。学生時代に戻ったような青春な感じもしますし、ふだん地下アイドルをやられている方や、アクションチームにいらっしゃる方など、お芝居だけでは出逢えない方とたくさん接することができるので、多くの事を吸収できる所だなと思っています」

初演にはなかったプロジェクションマッピングでよりリアルに表現

―――新たな見どころとして、CD発売やマッピングとダンスの融合など楽しみばかりです。それぞれの見どころ、見て欲しいところは?

井上「代表曲でもあるオープニングの楽曲があるのですが、とてもかっこよくて、めちゃくちゃ好きです。始まる感じがワクワクします。今回(杉田)真帆さんも歌うということで、個人的に歌を聞いたこともあるのでとても楽しみです。遅刻厳禁です!」

白石「そのオープニングのプロジェクションマッピングで役者の紹介がありまして、アニメやドラマが始まる感じがすごく好きですね。お客様からもとても評判が良くて、今回も注目して観ていただきたいです」

岡「セリフにはスピード感があって、それぞれのキャラクターの性格もわかるともっと楽しめると思います。私も見どころとして同じくプロジェクションマッピングですね。この作品は異種能力を使うシーンが多くて、初演ではマッピングがなく音だけで表現していたものが、よりリアルに表現されるところが楽しみですし見どころです。

 みんな気持ちいいと思いますし、動画を撮ってもらって早くチェックしたいです。前回より楽しめる所、見どころが増えていると思います」

杉田「私的に一番は、タイトルが『イモーラル・ディテクティブ』で猫美ちゃんはそれをけっこうセリフとして発することが多いので、嚙まずに大事にしていけたいです」

華やかでフレッシュなキャストがパワーをお届けします

―――異種能力がポイントの作品ですが、作品にちなんでふだん自分が欲しいと思う能力は?

岡「私は瞬間移動の能力ですね。歩いていて100メートルくらいをシュッと行けるような。家を10分前に出ようと思っても何故か出られず(全員爆笑)。これ持っていかなきゃとバタバタして結局走って駅まで行くのでサッと移動できる能力が欲しいですね。それだったら忘れ物をしない能力の方がいいのかな」

(全員笑)

―――移動能力なら舞台の下手から上手へもサッと移動出来て良さそうですね。

岡「あははは! 下手から上手へ1秒で移動出来たらすごい! この能力が欲しいです」

杉田「私は動物が大好きなので、動物に好かれる能力が欲しいです。できれば会話がしたいですね。実は猫派なので猫美ちゃん役が決まった時はとても嬉しくて!」

―――猫派の部分は役に生かせそうですね。では井上さんは?

井上「一瞬でお湯を沸かせる能力が欲しいです(笑)。家に帰ってお風呂を入れている間に寝てしまったり、待っている間にドラマを観たくなってしまったり、帰ってすぐにお風呂に入れたら幸せだなって」

白石「私は髪が一瞬で伸びたり短くなる能力が欲しいですね。一瞬で金髪ロングにできたらとよく思います。男の子役が多かった時期があって髪を短かくしていたので可愛い格好が似合わず。一瞬で髪が伸びればいいのにとその頃はよく思っていました」

―――みなさんファンタジーな能力というよりも生活に役立つ系ばかりで(笑)。

岡「夢が無くてスミマセン!(笑)」

―――では今年最後の公演に向けてメッセージをお願いいたします。

白石「今年最後は舞台でお客様を目の前にして締められるのはすごく素敵な事と思っています。希望に満ち溢れ、観たお客様が元気になってもらえる作品になっています。ぜひ劇場に足をはこんで頂いて、2チームあるので両方とも観ていただけたら嬉しいです」

井上「この作品は、背景的に時代の変わり目を描いていまして、久しぶりに台本を読んで、これは2年前のコロナで変わっていく時代の感じも描いている作品だったんだなと、あらためて感じました。みんなが鬱々とした時間を過ごしたので、エモーショナルな気持ちになる方もいらっしゃるかもしれません。それでもやっと落ち着いてきて、未来を想像できる時間も増えてくると思うので、その時に希望になる作品であればいいなと思っています」

杉田「みんなの想いがいっぱい詰まった作品です。その想いを大事にパワーアップした作品としてお客様に届けられたら。劇場でお待ちしております」

岡「時代の移り変わりを描き、その中で戦ったり辛いテーマもありますが、基本的には前向きな作品です。見た目も華やかにフレッシュなキャストが揃いました。このパワーを舞台からお客様に届けたいと思っております。劇場の新宿村LIVEはぱすてる史上一番大きな劇場になります。一人でも多くの方に元気と前向きさを届けたいです。ぜひ劇場にいらしてください」

(取材・文&撮影:谷中理音)

プロフィール

岡ちひろ(おか・ちひろ)
1992年2月22日生まれ、福岡県出身。
舞台出演に加え、アイドルとしても活動している。劇団ぱすてるからっとではレギュラー出演中。主な作品に『イモーラル・ディテクティブ 初演』振付・歌唱・主演、アリスインプロジェクト『最果ての星~アリスインデッドリースクール外伝~』などがある。2022年2月23日「生誕ワンマンライブ」開催。

杉田真帆(すぎた・まほ)
1993年4月7日生まれ、埼玉県出身。
舞台を中心に活躍中。代表作に、劇団四季『ライオンキング』ヤングナラ、進戯団 夢命クラシックス『ひぐらしのなく頃に』竜宮レナ、舞台『レディ・ア・ゴーゴー2019』、アリスインプロジェクト×剣舞プロジェクト『百花繚乱-Break a leg!!-』など。

白石彩妃(しらいし・さき)
2000年1月13日生まれ、東京都出身。
元・ガールズユニット「Tokyo Rockets」メンバー。現在は役者として映画、舞台など幅広く出演。代表作に舞台『優しい魔法のとなえ方2017』主演、舞台『いつかまた、あなたに逢える』主演など。劇団ぱすてるからっとでは、過去公演『コネクト・ライフ』に出演している。

井上千鶴(いのうえ・ちづる)
1995年4月24日生まれ、福岡県出身。
舞台を中心に活躍中。2019年の同名初演にも同役で出演。
劇団ぱすてるからっとでは出演のほか、制作として衣装・小道具・運営面などでもサポートを行う。代表作として、脚本参加の舞台『フェイクワンダーランド』脚本・出演、『コネクト・ライフ』、舞台『蜘蛛の巣』主演、などがある。

公演情報

ぱすてるからっとproduce 舞台『イモーラル・ディテクティブ』

日:2021年12月22日(水)~26日(日)
場:新宿村LIVE
料:S席7,000円
  A席6,000円
 (全席指定・税込)
HP:http://pastelcarat.web.fc2.com/index-next.html
問:劇団ぱすてるからっと 
  mail:pastelcarat_info@yahoo.co.jp

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