全員10代の演劇ユニットが取り組む定期公演 巨大な敵に向かう犬たちの熱い物語を描く舞台に、関西のフレッシュな10人組が挑戦

全員10代の演劇ユニットが取り組む定期公演 巨大な敵に向かう犬たちの熱い物語を描く舞台に、関西のフレッシュな10人組が挑戦

 関西在住の10代の少年たち10人による演劇ユニット・神戸セーラーボーイズが、活動拠点である神戸の劇場・AiiA 2.5 Theater Kobeで、舞台「銀牙 -流れ星 銀-」を8月に上演する。結成2年目の彼らは、等身大の自分たちを投影した“SF(セミフィクション)”公演をこれまでに4作上演してきた。今回彼らが挑むのは、原作のある物語をベースとした“定期公演”であり、定期公演vol.1『ロミオとジュリアス』、『Water me! ~我らが水を求めて~』に続いて2作目の上演となる。
 今作のベースとなるのは、高橋よしひろの大人気コミックを原作とする2019年の舞台「銀牙 -流れ星 銀-」~絆編~で、脚本と演出は2019年の舞台も手掛けた劇団鹿殺しの丸尾丸一郎が担当する。幼くして巨大な敵に向かう運命を持った熊犬・銀を中心に、さまざまな犬たちとの熱い関係性を描くこの作品について、津山晄士朗(銀役)と田中幸真(ジョン役)の2人にインタビュー! 質問の一つひとつに、まっすぐな瞳で丁寧に答えてくれた。

―――まず、おふたり自身のことを聞かせてください。もともと舞台に出ることに興味があったのですか?

津山「小学2年生の頃に子役として舞台に立たせてもらったことがあって、それが楽しかったんです。そこからずっと舞台が好きで、自分でも観に行くようになったりして。ダンスも歌も芝居も好きなので、特にミュージカルが1番楽しいです。
 もともと人見知りで、“津山晄士朗”として人前に立つのは苦手なんですけど、役者としてなら大丈夫。神戸セーラーボーイズに入ってからは、子役じゃなく1人の役者としてみんなで舞台を支えていくのが面白くなりました」

田中「僕は小学1~2年生くらいの頃から歌とダンスを習っていました。結構目立ちたがり屋というか、人前でいろんなことをするのが好きで、歌もダンスも楽しんでやっていました。
 お芝居は、神戸セーラーボーイズに入ってからが初めてです。最初はやっぱり慣れなくて難しいこともありましたけど、それこそみんなに支えてもらいながらだんだん成長していって、今はとても楽しんでいます」

―――グループの一員として活動する良さはどこにありますか?

津山「他のメンバーに頼れるのはすごくいいですね。幸真とかにもダンスの振りの確認を手伝ってもらったりして。そういうのはグループの強みかなと思います」

田中「ほとんど家族というか友達のように近い関係なので、稽古とか本番も安心してできています。やっぱりチームっていうのが大きいかな」

―――SF(セミフィクション)公演では皆さん自身を投影したキャラクターを演じていますね。

津山「自分と似ている役というか、ほぼ自分みたいな感じなので、自分と役の差をどうつけるかというところが難しいと感じます」

田中「実体験も加わっているので、台本に親近感が湧きますね。やっている自分の心にも刺さる台詞があったりして面白いです」

―――では、今回のような定期公演ではどうですか?

津山「やっぱりキャラクターがバチッと決まっていて、自分とガラッと違う役をやるのはやっていて楽しいし、やりがいもあります」

田中「さっき話したように僕は神戸セラボに入ってからお芝居を始めて、SF(セミフィクション)じゃない公演は今回が2回目なので、まだ慣れない部分もあります。でも、普段と違う自分を演じるのはすごく楽しいです」

―――今回上演する、舞台「銀牙 -流れ星 銀-」のことは知っていましたか?

津山「決まってから2019年の舞台を映像で観させていただきました。まず、人間なのに犬を表現できるのがすごいなって思いました。物語も好きで、銀がどんどん成長していくところがめっちゃ面白いです」

田中「僕も映像で観たのが初めてです。こうちゃんも言った通り、犬を人間が演じているんですけど、“犬”という1つのくくりじゃなくて、それぞれに個性がすごくあるなと感じました。僕が演じるジョンという役は結構強い感じで、こうちゃんの役はなにか内に秘めているというか、そういうものが伝わってきて面白かったです」

津山「みんなの配役を見たときは、“銀の役が僕なんだ”って思いました」

田中「ジョンはカッコ良くて凛々しくて、いつもの自分とはちょっと違う感じもあるので、演じられるかなっていう不安はありますが、それこそ他のメンバーも頼って……お互いに頼り合ってやれたらいいなって思います」

―――SF(セミフィクション)公演やライブとは違った姿をファンの皆さんに見てもらえますね。

津山「主役をやらせていただくのは初めてなので今は緊張していますが、稽古をやっていくうちに自信がついてくるというか、“自分ならできる”というのが、ちょっとずつ増えていくと思うので頑張ります!」

田中「こんな大きな作品をやらせていただけることが本当に光栄です! 原作の熱量に負けないくらい熱い気持ちで取り組みたいと思っています」

―――そして、この作品をきっかけに初めて神戸セーラーボーイズのことを知ってもらえる機会にもなりますね。

津山「普段は爽やかな僕たちですけど……」

―――自分で言っちゃいましたね。

津山「はい(笑)、若くてフレッシュなみんなが『銀牙 –流れ星 銀-』をやっている姿をぜひ見てほしいです。それから普段の僕たちも見て“こんな子たちがあの舞台をやっていたんだ”って思ってもらえたらなって」

田中「『銀牙 –流れ星 銀-』という作品はもちろん、その後のライブパートもぜひ楽しんでいただけたらなと思います。そこでは普段の自分たちを見せられるし、みんなで1つになってやっている感がすごく大きいです。稽古のときからワイワイ騒ぎながら楽しくやっています」

津山「さっき人見知りって言いましたが、好きなことだったら人前でも思いきりできるので、楽しんでいる姿を見てもらいたいなって思います」

(取材・文&撮影:西本 勲)

プロフィール

津山晄士朗(つやま・こうしろう)
2009年3月31日生まれ、大阪府出身。メンバーカラーはオレンジ。『ピーター・パン』(2020~2022年)、『忍たま乱太郎』第10弾(2019年)といったミュージカルへの出演歴があるほか、舞台・ドラマにも出演。

田中幸真(たなか・ゆうま)
2008年12月2日生まれ、大阪府出身。メンバーカラーはピンク。特技は歌・ダンス・フラメンコ。趣味は読書と、音楽を聴くこと。好きな言葉は「明日は明日の風が吹く」。

公演情報

神戸セーラーボーイズ定期公演vol.2
舞台「銀牙 -流れ星 銀-」

日:2024年8月2日(金)~8月11日(日・祝)
場:AiiA 2.5 Theater Kobe
料:5,800円(整理番号付き自由席・税込)
HP:https://kobesailorboys.com
問:ネルケプランニング
  https://www.nelke.co.jp/about/contact1.php

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