女優・植野祐美がプロデュースする「Daisy times produce」の新作公演『横浜キョンシーRENDEZ-VOUS(ランデブー)』が2024年5月29日(水)~6月2日(日)に六行会ホールにて上演される。
今回、脚本・演出を務めるのは、耽美なエンターテインメント作品を世に送り出している赤星ユウ。横浜の架空都市で、動く死体人間【キョンシー】とその主人である【動士(どうし)】が繰り広げる軽演劇に、梶原颯、龍人らアクションに長けた豪華キャストが揃う。ありそうでなかった世界観の舞台に挑む彼らに、意気込みを聞いた。
―――赤星さんはDaisy times produceとは初タッグですね。今作のアイディアはどこから生まれたのでしょうか?
赤星「主宰の植野祐美さんとは私が劇団(レティクル東京座)を主宰していた時に、演者として出ていただいたご縁がありました。Daisy times produceには座付きの脚本・演出家はおらず、毎公演外部の人間が脚本・演出を務めていると伺っており、ありがたいことに今回は私がやらせていただくことになった形です。
植野さんからは歌って踊ってエンタメ感の強い、レティクルの頃の作風をそのまま生かしてほしいと言っていただいて、劇団時代の作品のリメイクも考えたのですが、もともとキョンシーのお話をやってみたいなと温めていたのもあって、完全新作を書き下ろしさせていただいております」
―――ビジュアル撮影を終えた梶原さん・龍人さんは、作品の世界観についての印象はいかがですか?
梶原「中華風の衣装に、ネオンが散りばめられた世界観は、華やかで目を引かれました。ジャッキー・チェンやカンフー映画が好きなので、テンションが上がっちゃいましたね」
龍人「かっこいいですよね。アニメやゲームっぽい世界観だなと思うので、2.5次元が好きなファンの方にも刺さると思います」
―――1980年代後半から日本でも知られるようになった【キョンシー】ですが、どんなイメージをお持ちですか?
龍人「別作品で恐縮ですが、『シャーマンキング』の李白竜のイメージが強いので、主人を守るカッコいい相棒というポジティブな印象でした。でも大人になってからよくよく調べると怖い逸話も出てくるので驚きましたね」
梶原「僕は【キョンシー】といえば『ドラゴンボール』のチャオズです(笑)。なのでカワイイイメージがありますね」
赤星「みんな、『(週刊少年)ジャンプ』で【キョンシー】を履修しているんだね。かく言う私もデフォルメされたイメージから入っているので、いちオタクとして“萌え”要素が詰まった存在だなと思っています(笑)」
―――近年ではハロウィンの仮装でも見かけますし、お客様にもポップな印象をお持ちの方が多そうですね。そんな【キョンシー】が活躍する本作、改めてお二人の役どころを教えてください。
赤星「横浜九龍(クーロン)街という架空の近未来風の街が舞台になります。梶原さんには武道学校に通う学生・世音(ぜのん)ソラを、龍人さんにはその友人の肉マン屋・薬師丸ホムラを演じていただくのですが、物語は連続殺人鬼・通称【シーフ】によってホムラが惨殺されてしまうところから始まります。
本作のヒロイン・早乙女ニュイとの“契約”により、ホムラはソラを【動士】とした動く死体人間、【キョンシー】として生まれ変わり、2人は【シーフ】の正体を暴くために奮闘する……というのが大筋です。主人公と相棒ですね」
龍人「現段階でのイメージですが、ホムラは素直でポジティブ、いるだけでその場を明るくできるいい子だなと思います」
梶原「資本主義の世界で、貧富の差がある……SFディストピア風の一面もあると聞いています。
ソラとホムラは、立場的には本来だったら友達にはなりえない2人なんですよね。学生で、若い2人だからこそ、損得勘定なしに仲良くなれて、相棒になれた……そこがいいなぁと思います」
―――梶原さんも龍人さんも、また他出演者でいうと柏木佑介さん、富田麻帆さんらも、アクション芝居に長けている印象があります。そのあたりの見どころは?
梶原「これから稽古を通じて出来上がっていく部分が多いですが、【動士】と【キョンシー】がどう共闘するかが見どころですよね。僕が龍人さんを動かすことになりますが……」
龍人「でも梶原さんも物凄くアクションができる方なので、一緒に戦いたいです(笑)」
赤星「ソラは武道学校の生徒という設定もあるので、勿論戦ってもらおうと思っています。【動士】と【キョンシー】は運命共同体ですから、お互いを助け合わないと」
―――ある意味、バディものの要素もありそうですね。
赤星「まさにそうですね!」
―――熱いですね! ちなみに、作品タイトルの『横浜キョンシーRENDEZ-VOUS』や、物語の舞台となる「横浜九龍街」にちなんで、御三方が“横浜”といえば思い浮かぶものは?
赤星「やっぱり中華街です。ホムラの肉まん屋という設定もそうですが、今作の舞台は中華街がモデルになっています。コロナ禍も少し落ち着いて、食べ歩きもできるようになり、活気が戻ってきているのが嬉しいですね」
梶原「被ってしまいますが、僕も中華街の印象が強いです。僕は神戸出身なんですが、神戸にも中華街があるんですよ。なので、初めて行った時でもどこか懐かしさを感じました。同じ港町だからか雰囲気が似ているのかもしれません」
龍人「僕は丁度3月で終わってしまったところなんですが、先日までは『横浜=動くガンダム』というイメージでした! 展示期間が延長されていたので、なんだかずっと横浜にガンダムがいるような気がしてしまって、何だかんだ観に行く前に終了になってしまい……惜しいことをしました」
―――そうだったのですね……! 今作を通じて新たな横浜の魅力を開拓していただけたらと思います。
では最後に、劇場にお越しくださるお客様に一言ずつお願いします。
赤星「Daisy times produceとの初タッグ、素敵なスタッフ・キャスト陣が集まってくださり、皆さんにご覧いただける日が今から楽しみです。パワフルな作品に昇華していけたらと思いますので、ぜひお楽しみにしてください」
龍人「世界観も、ビジュアルも、きっと刺さる方が多いだろうと思います。そこに僕らキャストのお芝居・アクションが加わって、より楽しい作品になるだろうなという期待でいっぱいです。ぜひ劇場までお越しいただけると幸いです」
梶原「龍人さんが言ってくれた通り、特に中華ファンタジーや、少年漫画が好きな層には刺さるだろうなと思います。僕自身も皆さんと一緒に作品を作り上げることが今からとても楽しみです。劇場でお待ちしております!」
(取材・文&撮影:通崎千穂(SrotaStage))
プロフィール
梶原 颯(かじはら・はやて)
6月4日生まれ、兵庫県出身。順天堂大学体操部在学時にスーツアクターのアルバイトをしたことがきっかけで役者に。TV・映画『ウルトラマンブレーザー』バンドウヤスノブ役、『舞台 魁!!男塾』虎丸龍次役などで活躍。「究極の男は誰だ!?最強スポーツ男子頂上決戦」、「SASUKE」などにも出演し、記録を樹立している。
龍人(りゅうと)
1月26日生まれ、埼玉県出身。主な出演作品に、ミュージカル『忍たま乱太郎』シリーズ 平滝夜叉丸役、Charm Vol.8『蛮勇戦歌』音葉大晴役、舞台『淡海乃海 -現世を生き抜くことが業なれば-』月久役、饗宴『茜さすセカイでキミと詠う~縁~』ヤチホコ役など。
赤星ユウ(あかほし・ゆう)
11月16日生まれ、埼玉県出身。脚本家・演出家。2012年に「レティクル東京座」を立ち上げ、主宰・脚本・演出として活動。2021年の解散後は個人団体「ゼロテラ」を2022年に発足させ、同年9月に旗揚げ公演『クラド』を上演。演劇が原典となって様々なメディア展開につなげる新プロジェクトや、レティクル東京座時代の作品を大幅にリメイク・ブラッシュアップして再演するシリーズを展開している。
公演情報
Daisy times produce
『横浜キョンシー RENDEZ-VOUS』
日:2024年5月29日(水)~6月2日(日)
場:六行会ホール
料:SPECIAL RENDEZ-VOUS席[A~C列中央席・特典付]10,000円
S席8,000円 A席・車いす席7,000円
B席6,000円(全席指定・税込)
HP:https://yokohama-kyonshi-rendez-vous.com
問:Daisy times produce
mail:daisy.times.p@gmail.com