演劇好きも音楽好きも楽しめるはず! 三好大貴が「今までに観たことのない作品になる」と語る『You Know My Name?』とは

演劇好きも音楽好きも楽しめるはず! 三好大貴が「今までに観たことのない作品になる」と語る『You Know My Name?』とは

 世界一有名なロックバンドと1人の女性のある一夜を描く、GORIZO STAGE Vol.7『You Know My Name?』。11月15日から23日まで東京・浅草九劇で上演される。早川康介が脚本、中村公平が演出を務め、三好大貴・柊木智貴・うじすけ・馬越琢己・飯田祐真・福島大(ギター)というキャストが集結した。ビジュアル撮影が行われた10月初旬、本作に出演する三好大貴に、意気込みや見どころを伺った。

―――GORIZO STAGEへの出演は2回目、前回は無観客配信での公演でした。今回の出演が決まった際の想いや意気込みを教えてください。

 「前回は『天才的脱兎』という作品で、今回と同じく浅草の九劇でしが、客席ががらんとしていてスタッフさんたちの笑い声しかありませんでした。それはそれで新たな形でしたが、目の前にお客さんがいるってとても大事なこと、演劇はお客さんと一緒に作るものだと改めて気付きました。
 久しぶりにGORIZO STAGEに呼んでいただいてありがたいですし、作品の毛色は違いますが、あの時の悔しさや感じたことを乗せて芝居をしたいと思っています」

―――本作のストーリーとご自身の役柄を、ネタバレにならない範囲で教えていただけますか。

 「誰もが知っている世界的ロックバンドの4人と1人の女性をモチーフにした作品です。バンド名は伏せますが、高校生の甥っ子も知っているくらい知名度のある人たち。映画や二次創作のモチーフにもなっているけど、本作のような扱い方は初めてなんじゃないかと思います。
 公式HPやSNSに掲載されているあらすじを読んでも『?』だと思いますが、台本を読むとあらすじ通りなんです(笑)。コントのような感じではなく、上質な喜劇。演じる側はかなり難しいけど、観る側はいろんな楽しみ方ができると思いますね。ただ笑える芝居だなと思ってもらってもいいし、モチーフのバンドが好きな方はグッとくるところもあるだろうし、男女の会話劇としても楽しめるし、登場人物に自分を重ねる方もいるでしょうし。多面的な見方ができるお芝居だという感じがします。王道ではないけど、僕は好みですね。
 僕は音楽学校出身で、アコースティックギターを買って初めて演奏したのが、このバンドの“世界で最も多くカバーされた曲”と言われている曲なんです。あの頃はまさか自分が演じることになるとは思っていませんでしたが、音楽人がみても絶対に面白い作品です。
 音楽をやっている知り合いたちも興味を持ってくれていて。音楽好きにもお芝居が好きな人にも刺さる作品だと思いますね。それこそカンフェティをご覧になっている方々は面白がってくれるんじゃないかな。稽古はこれからなので、面白くできるように僕らが頑張らないといけませんが。ロックバンドに詳しくない方も、聞いてみようかなと思ったり奥深さに興味を持ったりできる作品になっていると思います」

―――そのロックバンドの正体は途中まで明かされませんが、観る方も「あれかな?」と思いながら見ると思います。

 「絶対そうでしょうね。キャスト一覧を見ると福島さんがギターの役と書いてある。『なにそれ?』と思うでしょうが、生演奏があって、それっぽい曲が流れるんじゃないかと思いますね。観終わった後に色々なことが見えてくるので、ありがちですが2回目を観たらすごく印象が変わるだろうと思います。僕自身、台本を読み終えて『なるほど』と頭から読み返しました」

―――役づくりはどう考えていますか?

 「僕も聞きたいです(笑)。でもとりあえずは、モチーフになっているその人だと思って演じたらいいのかなと。漫画やアニメ、小説など二次元のものを演じる2.5次元舞台がありますが、この作品もある種の2.5次元なのかなと思っています。実在の人物がモデルになっているのは難易度が高いですが、雰囲気や醸し出す空気をその人みたいに届けられたらいいのかなと思います。
 ただ、今は全然突破口が見えません。毎日彼らの楽曲を聞いて、どんな気持ちで作ったのか考えたり、調べ直したりはしています。自分も曲作りをしますし、音楽畑でやってきた役者である自分だからこそわかること、僕なりのバンドに対する愛や解釈を乗せられたらいいのかなと思っています」

―――ビジュアル撮影をされたばかりですが、共演する皆さんの印象はいかがでしょう。

 「まだわかりませんが、五人芝居で、ある一夜のワンシチュエーションコメディ。全員がほぼ出ずっぱりの会話劇なので、かなりの信頼関係、みんながお互いのために存在することが大事になると思います。上質で難易度の高い喜劇だと思うので、仲良くなりたいと思います。本当に仲良くならないとこのお芝居はできないだろうなと思いますね」

―――最後に、皆さんへのメッセージをお願いします。

 「とにかく面白いので観にきてくださいという気持ちです。ここまで話したことの総括のようになりますが、僕自身13年くらいお芝居をしてきた中で、観たことがない作品になると思います。観客としても小劇場から大劇場までたくさんの作品を観てきましたが、おそらく観たことがないですね。
 あらすじを読んで『何のこっちゃ』となる通り、未知数なお芝居になると思います。舞台演劇は生物ですし、この記事を読んでくださっている方はそれを知っていると思いますが、みなさん自分の中にない解釈や新しいものに触れたくてライブや舞台を見に行くと思うんです。今回は自分の人生の中に無かった解釈や想い、気付きをたくさん浴びられるはずなので、楽しみにしていただきたいですね。
 劇場を出たらモチーフになっているバンドの楽曲を聞きたくなると思うので、彼らの曲を聴きながら浅草で何か飲んだり食べたりしたら、とても気持ちのいい1日になるんじゃないかと思います。ぜひ足をお運びください!」

(取材・文&撮影:吉田沙奈)

プロフィール

三好大貴(みよし・だいき)
1992年7月27日生まれ、大阪府出身。劇団Patch所属で、劇団員としてだけでなく脚本・演出・音楽制作なども行っている。Jewels Story『新選組〜誠の道〜』沖田総司役、舞台『フルーツバスケット』2nd season 草摩紅野役、『刀剣乱舞』シリーズ 南海太郎朝尊役、『キノの旅Ⅱ -the Beautiful World-』シズ役、NHK連続テレビ小説『まんぷく』、『おちょやん』などに出演。

公演情報

GORIZO STAGE VOL.7
『You Know My Name ?』

日:2023年11月15日(水)~23日(木・祝)
場:浅草九劇
料:特典付き指定席[前方席3列]8,800円
  一般指定席6,600円(全席指定・税込)
HP:http://gorizo.co.jp/YKMN_gst/
問:GORIZO STAGE制作部
  mail:info@gorizo.co.jp

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