牧阿佐美バレヱ団が国内で唯一レパートリーに持つ人気作 4年ぶりの再演で初役に挑戦! 17世紀フランスを舞台に描く冒険譚

牧阿佐美バレヱ団が国内で唯一レパートリーに持つ人気作 4年ぶりの再演で初役に挑戦! 17世紀フランスを舞台に描く冒険譚

 フランスの文豪アレクサンドル・デュマの傑作小説をバレエ化し、1993年に牧阿佐美バレヱ団で日本初演を迎えた『三銃士』。4年ぶり待望の再演となる今回、コンスタンスとミレディに初役で挑む米澤真弓と光永百花の2人に心境を聞いた。

米澤「これまで何度も『三銃士』に出演してきましたが、メインキャストを踊るのは今回が初めて。自分がコンスタンスを踊ることになるとは思っていなかったので、配役された時は“まさか!”という心境でした」

光永「真弓さん、凄く役に合っていると思います! 私はずっとミレディに憧れていて。悪女だけど美しく、いつか踊れたらと考えていたので、今回お話をいただいて素直に嬉しいです」

 主人公ダルタニヤンと侍女コンスタンスの恋に、三銃士との友情、ミレディの策略が絡み合い――。17世紀フランスを舞台に描く冒険譚で、踊り手には技術に加え演技力も求められる。

光永「ミレディの振付もとても魅力的です。ポワントで後ろをタップしたり、ネックレスを取り合ってゴロゴロ転がったりと、古典を崩した要素も入っていて」

米澤「コンスタンスはパ・ド・ドゥが2つあるけれど、どちらも凄く難しい。ただ曲が綺麗なので、音楽を聴いた感情を動きに表せたらと思っています」

光永「演技も重要な要素で、私はまず小説を読み直しました。ミレディは単なる悪女ではなく、貴族で頭もいい。闘争心を内に秘めながらも、それぞれのキャラクターとの関係性も大事に踊れたらと思います」

米澤「私の想い描くコンスタンスはピュアなイメージで、ミレディのことも疑ったりはしない。従順な女性像を想像しているけれど、リハーサルの課程でまたそれも変わるかもしれないし、自分自身とても楽しみです」

 国内では唯一同団が本作をレパートリーに持ち、主要キャストとしてその魅力を伝えていく。

光永「剣の活劇シーンから複雑な人間関係を描いた部分まで、展開も多くテンポの良い作品です。登場人物も沢山いるので、いろいろな目線で楽しんでもらえたら嬉しいですね」

米澤「日本では牧バレヱ団にしかない作品で、それをバレエダンサーの短い現役中に踊ることができるのは幸せです。それぞれのキャラクターもはっきりしていて、とても物語に入り込みやすいのでは。お子さんから大人の方まで、幅広い方に楽しんでもらえたらと思っています」

(取材・文:小野寺悦子 撮影:友澤綾乃)

梅雨を楽しく乗り越えるあなたなりの工夫はありますか?

米澤真弓さん
「雨の日は、特に気持ちが憂鬱になりがちですが、お出かけの時にはレインブーツを履いて出かけたり、夜はゆっくりとお風呂に浸かってリラックスしたり、出来るだけ快適に過ごせるように心がけています」

光永百花さん
「実は、私も梅雨の時期はどうしても苦手です。ですが、レインウェアを充実させると雨の日でも気分を下げずにいることが出来ます。あとは、あえて雨のしずくの音を聞いてみたりもします」

プロフィール

米澤真弓(よねざわ・まゆみ)
4歳からバレエを学び、イングリッシュ・ナショナル・バレエ・スクールに留学。2008年、牧阿佐美バレヱ団に入団。端正で軽やかな踊りと華やかな魅力で、『くるみ割り人形』(雪の女王)、『眠れる森の美女』(フロリン王女/森の聖地の精/銀の精/歌い鳥の精)、『白鳥の湖』(パ・ド・トロワ/パ・ド・カトル/ナポリターナ)、『ドン・キホーテ』(キューピッド/キトリの友人)、『ジゼル』(ペザント/ドゥ・ウィリ)、『ライモンダ』(クレメンス/夢の場のヴァリエーション)などを踊っている。

光永百花(みつなが・ももか)
KAORIバレエスタジオ、京都バレエ専門学校で学ぶ。2016年、牧阿佐美バレヱ団に入団。これまで『三銃士』(コンスタンス)、ローラン・プティ振付『アルルの女』(ヴィヴェット)、『くるみ割り人形』(金平糖の精/雪の女王)、『ドン・キホーテ』(キトリ)、『飛鳥 ASUKA』(金竜)、『グラン・パ・ド・フィアンセ』などを踊っている。

公演情報

牧阿佐美バレヱ団 三銃士(全幕)

日:2023年7月1日(土)・2日(日)
場:新国立劇場 中劇場
料:S席13,000円 A席10,000円 B席7,000円(全席指定・税込)
HP:https://www.ambt.jp/
問:牧阿佐美バレヱ団 tel.03-3360-8251(10:00~18:00/土日祝休)

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