バラエティに溢れ、確実に楽しめる作り込んだプログラム! ワールドクラスで活躍するダンサー達が集まるオールスター・ガラ!

 近年スポーツ界では、海外における日本人の活躍が大きくクローズアップされているが、実はバレエ界ではもっと以前から数多くのダンサー達が世界を相手に活躍を繰り広げている。彼らは海外での経験を持ち帰り、後進の育成に大きく貢献をしている。スターダンサーズ・バレエ団での活躍の後、オーストラリア、そしてヨーロッパに渡りベルギーやフランス・マルセイユで長く活躍してきた遠藤康行もその1人だろう。日本に拠点を移した遠藤は2015年にワールドクラスのダンサーを集めたガラ公演、『横浜バレエフェスティバル』の芸術監督に就任。

 「それまで自分のキャリアの半分くらいはヨーロッパやオーストラリアで活動してきました。そこで肌で感じたり見たりしてきたことを日本で後に続くダンサー達に体験してほしい。その想いはこのフェスティバルを始めた頃から現在まで変わりません」

 それから8年。8回目の開催となる『横浜バレエフェスティバル』はバレエファンの間で認識されてきたという。

 「ガラ公演というとクラシック中心が多かったのですが、『横浜バレエフェスティバル』ではコンテンポラリー作品を入れています。両方からいい作品を披露することは『横浜バレエフェスティバル』の特徴ですし、定着してきていると思います」

 今年の出演者にも菅井円加・小野絢子をはじめとした国内外のトップクラスで活躍するダンサーがずらりと揃っている。さらにオーディションによって選ばれた若き才能も出演。折しも取材をしたのはオーディション当日。最終選考を行いフェスティバルへの出演者が決まるというタイミングだった。

 「オーディションには、YBCバレエコンクールの上位入賞者もシード権を得て全国から参加していますが、だいぶいいダンサーが来ていると思います」

 さらに本公演前日に行われる前夜祭がまたユニークで興味深い。

 「前夜祭ではステージ上にも客席を設えて、舞台上の凄く近い距離で観ることができます。また練習風景といった裏側や、メイクも素に近い感じだったりと前夜祭ならではの企画を用意しています」

 コアなバレエファンでなくてもワクワクする話だが、全ての人を楽しませる自信が遠藤にはあるという。

 「初めて見る人でも絶対楽しめる、バラエティに溢れるガラ公演ですから、自信を持って是非おいで頂きたいと言えますね」

(取材・文:渡部晋也 撮影:山本一人(平賀スクエア))

梅雨を楽しく乗り越えるあなたなりの工夫はありますか?

遠藤康行さん
「梅雨というと雨や暗いイメージで、ベルギーで踊っていた時は、ブリュッセルの天気が曇りや雨の天気が非常に多く、気持ちも落ち込みそうになるので、そういうときには室内で快適に過ごす努力や(部屋のインテリアを自分好みに変えていく)、すこしでも晴れたら外のカフェで外気を浴びるようにも心がけていました。また家に長くいるということで新しいプロジェクトの準備などにじっくり時間をかけられるというメリットもあり、未来に向けての準備に時間を使っていました」

プロフィール

遠藤康行(えんどう・やすゆき)
東京都出身。子供の頃からバレエに親しみ、高校生から執行バレエスタジオにて本格的にバレエを学ぶ。スターダンサーズ・バレエ団に入団し数々の作品で主演。宮本亜門・坂本龍一・勅使川原三郎などの公演にゲスト出演。1994年、文化庁在外研修員としてオーストラリア・バレエ団に入団。1999年、ベルギーのコンテンポラリーダンス「シャルルロワ・ダンス」に入団。ダンサーとして全レパートリーに出演。2005年、フランス・マルセイユ国立バレエ団にソリストとして入団し、アシスタント・ディレクターを兼任する。2015年より『横浜バレエフェスティバル』の芸術監督を務める。2019年には新国立劇場バレエ団『DANCE to theFuture』のアドバイザーに就任。2020年より桜美林大学 非常勤講師を務める。現在、日本・ヨーロッパを中心に活動している。

公演情報

横浜バレエフェスティバル2023

日:2023年8月6日(日)14:00開演(13:00開場)
場:神奈川県民ホール 大ホール
料:S席12,000円 A席10,000円 B席6,000円 C席4,000円(全席指定・税込)
HP:https://shiver.jp/
問:ソイプランニング tel.045-434-0555

インタビューカテゴリの最新記事