「杜の都」の音楽文化の中心的役割を担う仙台フィルが創立50周年 楽団を育んだレジェンドが統べる至福のシンフォニー

 1973年に市民オーケストラとして誕生して以来、仙台を拠点に県内外で各種コンサートを開催。音楽文化の創造と普及に寄与してきた仙台フィルハーモニー管弦楽団が創立50周年を迎えた。“仙台フィル”の愛称で親しまれる同団の活動を30年以上に渡って支援するのが、同じ仙台市に本社を置く、大手生活用品メーカーのアイリスオーヤマ。定期演奏会のサポートや地域住民を招いた屋外コンサートに加え、2019年からは『アイリスオーヤマクラシックスペシャル』と名打ち、東京を舞台に仙台フィルの魅力を発信している。大のクラシックファンでもある大山健太郎会長に本公演の魅力、見どころを語ってもらった。

 「これまで仙台フィルは地方からの発信を掲げて、東北6県を中心に活動をしてきましたが、やはり日本全国への発信を考えた時に、多くの人が集まる東京で定期的に演奏する場が必要でした。東京の若い社員やお取引先の方々にも、こんなに素晴らしい音を生み出す楽団が仙台にあるんだということを知ってもらいたくて、『アイリスオーヤマクラシックスペシャル』を企画いたしましたが、非常にご好評を頂き、仙台フィルのファンになって下さる方が増えたことはとても喜ばしいことです」

 2年ぶりにサントリーホールでの開催となる今年は、桂冠指揮者のパスカル・ヴェロ氏を迎え、プーランクの演奏用組曲『牝鹿』をはじめ、オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲、ベルリオーズ『幻想交響曲』というラインナップを揃えた。またオルガン奏者の今井奈緒子の演奏にも注目が集まる。

 「今の楽団があるのは、12年間に渡って常任指揮者を務めて頂いたヴェロさんのお蔭と言えます。その優れた指揮でレパートリーやアンサンブル力の向上に大きく貢献されただけでなく、その明るく飾らない性格は地域の方々からも愛され、楽団の魅力が一層増しました。特に今回の『幻想交響曲』は必聴の一曲だと言えます。また我が国のオルガン界の頂点である今井さんの演奏は世界最大規模を持つサントリーホールのオルガンと相まって、素晴らしい時間になるはずです。どこか堅苦しい印象を持たれがちなクラシックですが、目の前のライブで聴くと、一つひとつの楽器が持つ魅力にきっと気づいてもらえるはずです。是非一度、その感動を多くの方に体験してもらいたいです」

(取材・文:小笠原大介)

プロフィール

大山健太郎(おおやま・けんたろう)
アイリスグループ会長。アイリスオーヤマ株式会社 代表取締役会長。
仙台フィルハーモニー管弦楽団副理事長をはじめ、仙台経済同友会終身幹事、日本ニュービジネス協議会連合会副会長、東北経済連合会副会長なども務める。1990年、第1回ニュービジネス大賞、2004年、中国大連市栄誉公民、2009年、藍綬褒章受勲、同年仙台市特別市政功労賞など多数受賞。2017年秋には旭日重光章受勲。著書に「アイリスオーヤマの経営理念 大山健太郎 私の履歴書」(日本経済新聞出版社 2016年)、「いかなる時代環境でも利益を出す仕組み」(日経BP社 2020年)などがある。

公演情報

アイリスオーヤマ クラシックスペシャル2023 パスカル・ヴェロ×仙台フィル

日:2023年6月1日(木)19:00開演(18:15開場) 場:サントリーホール 大ホール
料:S席8,000円 A席7,000円 B席6,000円 C席5,000円 P席4,500円 ユース席[25歳未満]1,500円 ※要身分証明書提示(全席指定・税込)
HP:https://www.sendaiphil.jp/
問:仙台フィルサービス tel.022-225-3934(平日10:00〜18:00)

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