令和のプリンセスは王子様を求めていない!? 舞台『プリンセスだって』一本鎗希華&山﨑悠稀、注目の女優が念願のW主演

令和のプリンセスは王子様を求めていない!? 舞台『プリンセスだって』一本鎗希華&山﨑悠稀、注目の女優が念願のW主演

 自身も舞台女優として活躍する植野祐美がプロデュースする企画「Daisy times produce」の新作公演『プリンセスだって』~シンデレラと白雪姫は、暗い塔の中で美女に出逢った~ が2023年4月12日(水)より萬劇場にて公演される。“平和”・“希望”・“無邪気”というデイジーの花言葉から生まれた同企画は、コロナ禍真っ只中の2021年から本格始動。短いスパンの中で、早くも今作が5作目となる。
 世の中が少しずつアフターコロナに移行している今、Daisy times produceが届けたいエンターテインメントとは? 主宰の植野と、今作で念願のW主演を務める一本鎗希華、山﨑悠稀に改めて意気込みを聞いた。

―――改めて今作のあらすじは?

植野「簡単にいうと、“王子様と結ばれてハッピーエンド”というプリンセスのセオリーに則らない、シンデレラと白雪姫の物語です。彼女たちも自分の王子様と出会うのですが……なんだか運命を感じなかったんですね(笑)。そんな2人が“運命を断ち切られたプリンセス”マレーン姫と出会って物語が展開します。
 マレーン姫は2人とは対照的に、王子様と結ばれることを望んでいたのに、そうなれなかった姫で。メジャーではないと思うのですが、原典もあるんですよ」

―――そうなのですね!

植野「国の事情で王子様と離れ離れになってしまったマレーン姫を、シンデレラと白雪姫が手助けする……というところが見所になります。それぞれのプリンセスの“幸せの価値観”にぜひ注目してもらえたら」

―――一本鎗さんが白雪姫役、山﨑さんがシンデレラ役と伺いましたが、それぞれオファーが来た時のお気持ちは?

一本鎗「まずプリンセスというワードがタイトルに入っていてドキッとしたのですが、まさにそのプリンセス役でオファーをいただいたので、これは私で大丈夫なのだろうか……とちょっと心配になってしまいました。地声は低めですし、性格的にもプリンセス向きではないので(笑)。ただ、W主演の悠稀ちゃんとは普段から仲良くさせていただいているので、嬉しい気持ちの方が勝りましたね!」

山﨑「前々から2人でW主演の作品がやれたらいいね、って言っていたんですよ!」

植野「実は……それを知っていてオファーしました……!」

一本鎗・山﨑「ええ!!!」

植野「悠稀ちゃんと私は共演したことがあったので(SNS上で)相互フォローになっていて、一本鎗さんのことも女優さんとしては勿論存じていたので、W主演がやれたらいいねって話している2人のやり取りを見て、ぜひDaisy times produceでお願いしたい!と思って」

山﨑「そうだったんですか!? 嬉しい……!! 私は主演でオファーをいただいたこと自体が初めてで、それも信頼するゆみみん(植野祐美)から……。本当にありがたくて、幸せでした。
 私、大学生の時にシンデレラの物語に色々な疑問を抱いたことがあって……。例えば、王子様って舞踏会でシンデレラに一目惚れをしたんだと思うんですけど『あなた、シンデレラの何を知っているの?』って感じじゃないですか(笑)」

一本鎗「確かにね(笑)」

山﨑「演劇系の大学で、企画書のようなものを作って出す課題があったのですが、その疑問をぶつけたお芝居の企画書を提出したことがあったんです。なので、今回のオファーをいただいてあらすじを読んだ時に、ありきたりな言葉ですが、運命を感じてしまいました」

―――プリンセス役のおふたりは、ビジュアル撮影いかがでしたか? オフショットだけでもとてもかわいらしかったです。

山﨑「撮影に来たらすごく綺麗なドレスがあって、まさかこれを私が……!?という気持ちでした。先に私が撮影だったんですが、希華のプリンセス姿が見た過ぎて、絶対写真送って!!ってラインしました。そうしたら、SNSにアップしたのとは違う写真を私に送ってくれたんです!! なので私のケータイには私だけの希華の写真が入っています(ドヤ顔)」

一本鎗「言い方(笑)! 私も悠稀ちゃんの写真を送ってもらったんですが、すっごく似合っていて、これは素晴らしいと思う反面、プレッシャーにもなりました。
 でもシンデレラと白雪姫でビジュアルの方向性が違って、白雪姫はピンクのドレスにお花を沢山あしらった可愛いデザインに仕上げていただいていて……。衣装を着ることで背筋が伸びて、私、ちゃんとプリンセスになれたかもって、ちょっとだけ自信がつきました」

植野「かわいかったですね~! 2人ともすごく似合っていたよ!!」

山﨑「ありがとうございます! 私は本番、灰かぶりバージョンの衣装もあるので、そちらもぜひご注目いただけたら」

―――ちなみに植野さんご自身も出演されるとのことでしたが、どんな役どころで……?

植野「私は白雪姫の物語に出てくる7人の小人を……1人でやります」

一本鎗・山﨑「ええ(笑)!」

植野「主宰といえど、私自身もビックリしています(笑)。お楽しみに!」

―――改めてDaisy times produceはコロナ禍真っ只中の2021年から始動していますが、その志とは?

植野「まさにこの企画は初めて緊急事態宣言が出た2020年春ごろに動き出しました。もともとプロデュース公演はやってみたいと思っていたのですが、私自身も役者として活動しているのもあり、どうしてもまとまった時間がなくて……。そんな中で、あの時期は色々な公演が中止になって、家からも出られず、皮肉にも時間が出来てしまって……。もどかしい思いの中で、初めは本当に『お芝居をやりたい!』という気持ちだけで動き出した企画です。
 デイジーには“希望”という花言葉があるので、誰かの“希望”になるような時間をプロデュースしたいなと思ってDaisy times produceと名づけました。今作で5作品になるのですが出演者・スタッフの皆様に恵まれて、今のところは中止にもならず、全公演お届けできているので、今作も無事に千穐楽にたどり着けるように頑張ります」

―――少しずつエンタメ業界も以前の活発さを取り戻しては来ましたが、例えば客降りや声出しなど、今後やってみたいことは?

植野「コロナ禍だと関わる人数が多ければ多いほど主催はリスクを抱えてしまう為、なかなか大人数の公演はできなかったので……。公演規模を大きくしていくのも目標なので、もう少し大人数で、今より大きな規模感で出来たらいいなと思っています! キャラクターが増やせれば、その分、物語の厚みも出てくると思うので。声出しや客降りもいいですよね! 歌やダンスを絡めた舞台にも憧れがあります」

―――一本鎗さんと山﨑さんも、色々な葛藤があった約3年だったと思いますが、今年度(2023年4月~)の目標などはありますか?

一本鎗「そうですね。この数年の間も色々な作品に出演させていただきましたが、ありがたいことに中止になってしまった公演はほんのわずかだったんですね。でも、だからこそ、そのほんのわずかがすごく悔しくて、心に残ってしまっています。
 演者でもここまでダメージがくるのだから、スタッフさんや、主催の方々は、気持ち的にも、物理的にも、すごくダメージがあるのだろうなと思うんです。中には、1回の中止で生まれた負債が原因で次の公演ができない団体さんもあるでしょうし……。ただ、本来演劇って観る側も作る側もとても楽しめた方がいいものなので、少しずつ前向きに、改めてお客様に演劇の楽しさを伝えられたらいいなと思います」

山﨑「私は商業演劇に関わるようになったのが、コロナ禍になってからなんです。なので、コロナ禍以前の演劇業界のことが逆に分からなくて……。これから知っていけるんだ、経験できるんだというワクワク感も今はあります。
 私事ですがこの3月で大学を卒業して、4月からはこのお仕事1本で頑張るぞという覚悟をもっているので、まだまだ気は抜けないですが、沢山の事を楽しみたいと思っています! この通り、私は感情表現が豊かな人間なのですが(笑)、今後、逆に表情でのお芝居を封印されるような役、心の中では色々なことを想っているけど表には出さない役が出来るようになる、というのが個人的な目標です」

―――楽しみにしています! ではもう1問、作品にちなんで……。今回の物語ではシンデレラ、白雪姫などが登場しますが、皆さんが個人的に好きな童話は?

植野「今回出てこないプリンセスで申し訳ないと思いつつ……。私、『美女と野獣』が大好きなんです。見た目に惑わされず、人の内面を見ることができるヒロインのベルの聡明さに心惹かれるんですよね」

一本鎗「私は『人魚姫』ですね。ディズニーの『リトルマーメイド』が好きで。私自身は海がちょっと苦手なんですけど、だからこそ引き込まれるというか、自分にないものを持っているアリエルが羨ましいんです。人魚のヒレってスカートやドレスのモチーフにもなりますし、かわいいですよね」

山﨑「私は好きな童話が多すぎるのですが、思い入れがあるのは『不思議の国のアリス』です。小さい頃から何度もビデオを見たり、ディズニーに連れて行ってもらったり……。母もアリスが大好きなので、ある意味、アリスの英才教育を受けて育ちました(笑)。
 自分の空想世界とはいえ、知らないものだらけの不思議な世界を元気に走り回る少女・アリスの姿って魅力的なだなぁって。得体のしれないものって大人になっちゃうと怖いと思っちゃうので。私もそういう無邪気な少女の心を忘れずに生きていきたいですね!」

―――ありがとうございます。三者三様で素敵なお話が聞けました。
 では最後に、改めて舞台『プリンセスだって』を観に来てくださるお客様にひとこと、お願いします。

一本鎗「かわいい女性陣と、カッコイイ男性陣がお出迎えします。ビジュアルだけでもとっても楽しめると思いますし、私自身もすごく楽しみです。ぜひ拝みに来てください(笑)!」

山﨑「一本鎗希華という誰よりも信頼できる相棒と共に、植野祐美プロデュースで初めて主演を務めさせていただけるということで、これほど恵まれた環境はないです。スタッフ・キャストの皆様と共に、全身全霊で挑んで、暴れていきたいと思います。お待ちしています!」

植野「Daisy times produceは最初の方は思いっきり笑えて、最後の方では何か心に残るものがあるように……という作風がメジャーとなっております。5作目ということで、これまでに培った経験をもとに、全力でお客様をお出迎えする準備をしておりますので、ぜひ劇場に足を運んでいただけたら幸いです。よろしくお願いします!」

(取材・文&撮影:通崎千穂(SrotaStage))

プロフィール

一本鎗希華(いっぽんやり・のあ)
2月26日生まれ。近年の主な出演作品に、『アサルトリリィ×私立ルドビコ女学院』シリーズ 鳴海・クララ・優子役、舞台莢の中企画~ソラ豆琴美presents~vol.0『匣の中』主演・ファム役、SUPER NOVA『遠く吠えて花火をあげる』ユメ/シノブ役など。

山﨑悠稀(やまざき・ゆうき)
5月6日生まれ。近年の主な出演作品に、『アサルトリリィ×私立ルドビコ女学院』シリーズ 宝城・モニカ・朝妃役、ILLUMINUSガールズゴシックシリーズ舞台『赤の女王』ヒルダ役、五反田タイガー12th Stage featuring コモンシェア株式会社『Tokyo Community Life 〜Reborn〜』三井千里役など。

植野祐美(うえの・ゆみ)
8月10日生まれ。Daisy times produce主宰を務めつつ、自身も舞台を中心に活躍中。近年の主な出演作品に、朗読劇『星降る街』2020 真央役、ILLUMINUSガールズゴシックシリーズ舞台『赤の女王』フランツィスカ役、舞台『家族のはなし』2022 南沢役など。

公演情報

Daisy times produce
『プリンセスだって』~シンデレラと白雪姫は、暗い塔の中で美女に出逢った~

日:2023年4月12日(水)~16日(日)
場:萬劇場
料:S席[前方列]
  特典付7,000円 特典なし6,000円
  A席 特典付6,000円 特典なし5,000円
  (全席指定・税込)
HP:https://daisytimes.amebaownd.com
問:Daisy times produce
  mail:Daisy.times.p@gmail.com

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