「目指せ紀伊國屋」の気持ちとともに、全国を巡演中! 76歳の西岡德馬、演劇人生55年の集大成といえる舞台に 

「目指せ紀伊國屋」の気持ちとともに、全国を巡演中! 76歳の西岡德馬、演劇人生55年の集大成といえる舞台に 

 生涯に3万を越える作品を遺した葛飾北斎。その最晩年を描いた舞台『画狂人 北斎』。東京プレビュー公演から札幌・京都・広島での公演を終えたところで、プロデューサーの難波利幸が語ってくれた。

 「地方公演はプレビュー公演以上の盛り上がりでした。どの会場もお客さんが前のめりで、作品を観たくて来ているという熱気が凄い。最後のカーテンコールの拍手が熱いです」

 それを引き出すのはもちろん俳優陣の熱意に他ならない。

 「西岡德馬さんの作品にかける熱い想い。76歳の德馬さんに北斎が憑依しているような、そんな感じが伝わってきます。ご自身も『演劇人生55年の集大成にしたい、北斎の生き様に自分が重なる』とおっしゃいます。人生において絵を描くことが一番であった北斎。その“絵”を“芝居”に変えたら德馬さんそのもの。凄く気遣いをされる方なので、普段はウイットに富んでいて楽しいんですが、稽古場で役に入ると誰も近づけなくなる。その凄みに引っ張られて全員が奮い立ってます」

 そして娘で絵師でもあったお栄を演じる雛形あきこにも注目だという。

 「テレビでのイメージが強い雛形さんですが、素晴らしい女優さんです。それに肝が太い感じがいいです。北斎を絵師として尊敬しつつ支える一方、家族としては寂しさも。役に入って德馬さんや時太郎役の馬場さんとやり合うシーンは凄い迫力です」

 京都では思いがけないイベントも実施されたという。

 「10-FEETのギターヴォーカル、TAKUMAさんが京都公演の応援団長についてくれたのですが、京都公演の本番前日にライブハウスで前夜祭をやってくれました。德馬さん、雛形さん、馬場さん。さらにデザイン担当の菊田参号さんも出演して、アコースティックライブの他に、TAKUMAさんも加わって1シーンを再現しました」

 ツアーを進めるにつれて、ますます熱が上がっていくこのチーム。演出を手掛けた宮本亞門の反応はどうだろう。

 「プレビュー公演の本番を観て、今回はよりベストな作品になったとおっしゃっていました。それは当然、亞門さんの力が大きいからなのですが」

 今後も地方公演が続き、そして紀伊國屋ホールでの凱旋公演を控えたチームの気持ちは高まるばかりだろう。

 「今は全員が『目指せ紀伊國屋』として凄く意識が高まっている。しかも直前が、北斎に縁のある小布施ということもあり、ますますパワーアップしていくと思います」

(取材・文:渡部晋也)

【カンフェティ2月号】西岡德馬さん・雛形あきこさん・宮本亞門さんのインタビューはこちら!

子供の頃から変わってないなぁ~と思うところはありますか?

「子供の頃からハンバーグが大好き!いつの頃からだろうか、気が付いたらハンバーグを食べている自分がいる。我が家のおふくろオリジナルハンバーグは煮てあるやつでメチャ美味しくしょっちゅうねだっていた。そして、確か小学生の頃に親戚の叔母さんが大阪に迎えに来てくれて、一緒に静岡の叔母さん家に新幹線で行ったことがあった。初めて乗るこだま号。当時はビュッフェという食堂車両があった。そこで食べさせてもらったハンバーグはおふくろのとはまた別物で、この世のものとは思えなかった。そして今に至る。芝居のツアーで全国で味わう酒の肴のうまいこと。ただ、数種類おいてある楽屋弁当は必ずハンバーグを選んでしまう。あと、ついつい吸い込まれてしまうつばめグリルは勘弁して欲しい(笑)」

プロフィール

難波利幸(なんば・としゆき)
1958年2月19日生まれ、大阪府枚方市出身。演劇プロデューサー。エヌオーフォー代表。舞台の原案・演出・脚色・作詞・作曲と活動は幅広い。近作に、『abc 赤坂ビーンズクラブ』シリーズ、『ガリレオ★CV2』、『5 years after』シリーズ、『ダブルブッキング!』など。

公演情報

舞台『画狂人 北斎』

日:2023年3月22日(水)~26日(日) ※他、福岡・秋田・長野公演あり
場:紀伊國屋ホール
料:9,500円(全席指定・税込)
HP:http://no-4.biz/hokusai2023/
問:株式会社エヌオーフォー mail:info@no-4.biz

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