プラシド・ドミンゴとホセ・カレーラスが20年ぶりに競演し、ルチアーノ・パヴァロッティに捧げる一夜限りのコンサートを開催する。
パヴァロッティ、ドミンゴ、カレーラスの“三大テノール”が初めて同じステージに立ったのは1990年、ローマで行われた第14回FIFAワールドカップ・サッカーの前夜祭でのこと。3人とも熱心なサッカーファンであり、1987年に白血病と診断されたカレーラスが闘病から復帰したことを歓迎する意味も込めた企画だった。6,000席のチケットはわずか10分でソールドアウト。
当日の様子は全世界でTV放映され8億人が視聴したほか、CD・レコードはクラシック界で異例の1,600万枚を売り上げる大ヒットとなった。2020年にはドキュメンタリー映画が公開されたのも記憶に新しい。
その後も4年ごとにFIFAワールドカップに合わせて開催地でコンサートを行う一方、世界ツアーも大盛況。日本では1996年の初来日公演を皮切りに、1999年には東京ドームで公演。2002年の日韓共催による第17回FIFAワールドカップでは、横浜アリーナでコンサートを行い、5万人を超える観客を魅了した。
しかし、最年長のパヴァロッティは70歳を迎える2005年に引退すると発表し、三大テノールによるコンサートは2003年が最後に。そして2007年にパヴァロッティが亡くなったことで、3人が再び集まる機会も失われた。
世界のオペラハウスで活躍する大物テノール歌手3人の競演という話題性。そして、それぞれ個性の異なる歌声が重なり合う華やかさによって、オペラに馴染みのない層にも広がる一大ブームを巻き起こした三大テノール。その最後のコンサートから20年の時を経た2023年、世界中の音楽ファンが“せめて、ドミンゴとカレーラスの競演をもう一度”と待ち望んだ夢のステージが、遂に実現する。
ドミンゴも認める実力派歌手、ニーナ・ミナシャン(ソプラノ)を特別ゲストに迎えた一夜限りのコンサート。公演を前に、ドミンゴからは「パヴァロッティに捧げる奇跡のコンサートで、友人であるホセ・カレーラスと歌います。日本の皆さんにお会いできる事を楽しみにしています」とのコメントが届いている。新しい年のスタートにふさわしい、まさに“奇跡”の一夜をぜひとも体感していただきたい。
(取材・文:西本 勲)
プロフィール
プラシド・ドミンゴ
1941年、スペイン生まれのテノール・バリトン歌手。1959年にテノール歌手としてデビューし、1961年、『椿姫』アルフレード役で本格的な初主演を飾る。指揮者・歌劇場芸術監督としても活動。1992年のバルセロナオリンピックでは開会式と閉会式に出演して歌唱を披露し、「史上最高のオリンピック賛歌」と高い評価を受けた。
ホセ・カレーラス
1946年、スペイン生まれのテノール歌手。幼い頃から劇場経験を重ね、10代でプロ活動を開始。20代でアメリカ、ロンドン、ミラノデビューを飾る。バルセロナオリンピックでは音楽監督を務め、サラ・ブライトマンとテーマソング「Amigos Para Siempre」をデュエット。音楽家としての活動と共に「ホセ・カレーラス国際白血病財団」の活動にも力を注いでいる。
公演情報
パヴァロッティに捧げる奇跡のコンサート
日:2023年1月26日(木)18:30開演(17:00開場)
場:東京ガーデンシアター
料:SS席68,000円 S席58,000円 AA席48,000円 A席38,000円 BB席28,000円 B席20,000円[完売]
※他、VIP席あり。詳細は公演HPにて(全席指定・税込)
HP:http://www.tate.jp/
問:テイト・チケットセンター tel.03-6379-3144(10:00~18:00/土日祝休)