ACTMENT PARK 3作目となるオリジナル・ミュージカル 劇場に浮かび上がる架空の街・サントクレアのクリスマスに、奇跡が起こる!?

ACTMENT PARK 3作目となるオリジナル・ミュージカル 劇場に浮かび上がる架空の街・サントクレアのクリスマスに、奇跡が起こる!?

 オリジナル・ミュージカルを手がけるACTMENT PARKを主宰する岡本一馬。プロデューサーとしてだけでなく、劇作家・演出家としても作品に関わるという、まさに自らの手からミュージカル作品を生み出しているクリエーターだ。
 レストランシアターでの公演で準備を重ねて、昨年第1作となるミュージカル『From Broadway with Love ~ブロードウェイより、愛を込めて~』を上演。今年に入ってからは、ミュージカル『Written by…~恋のゴーストライター~』に加え、ストレート作品『Le Lien ~ル・リヤン~』にも挑戦し好評を得た。
 そして今冬、3作目となるミュージカル作品の上演する。まさに破竹の勢いというべき上演ペースだが、それが実現できるのも風通しが良く、かつ信頼できるスタッフや主要キャストが揃っているからだろう。そこで今回は岡本を支える音楽の津村友華、振付のユキジ、そして作品中のキーパーソンとなるHKT48の豊永阿紀に集まってもらい、話を聞いた。

―――3作目のオリジナルミュージカルになりますが、今回はクリスマスに因んだお話になるとか。

岡本「1950年代のロンドンがモチーフになっているサントクレアという架空の街を舞台にした、ある奇跡の物語です。ずっと色々な伏線を張りながら進んでいくので、観ているお客さんもキャストと一緒にサントクレアの町を探検して、内容や展開を推理する楽しみがある、ちょっとした探偵気分に浸れるような物語となっています」

―――日本でミュージカルといえば、大概はウエストエンドやブロードウェイでのヒット作を持ってくることが多いですが、岡本さんはあくまでもオリジナル作品としてのミュージカルを創られています。音楽の津村さんと振付のユキジさんは1番重要なスタッフですね。

岡本「その通りです(笑)」

―――ではまず音楽から、今回用意されたナンバーはどういった趣向のものですか。

津村「前作はポップス調がメインで、ミュージカル映画のようなシーン展開でしたが、今回はすごくジャンルが広くなりました。なにしろ賛美歌からポップス、R&B、ゴスペル、ケルト、マーチ、カントリー、クラシック、タンゴ……あとワルツもあります。こうした様々な音楽でサントクレアの町を華やかに彩ります」

―――プロフィールを拝見しているとシンガー・ソングライターとして活動されているように見えますが、ここまで来ると完全に作曲家の仕事ですよね。

津村「もともと作曲家としての活動を目指して上京したんです。でも作曲だけだとどうしても引きこもりになりがちですし、性格的には表現の場がある方が制作意欲も高まるので、シンガー・ソングライターとしても活動しているんです。でも舞台の音楽は自分のための音楽ではなく、作品の為の音楽を作り手と組み立てていくので楽しいですね。チームで創り上げるのはミュージカルならではでしょう」

―――振付はどうでしょう。もうプランは決まっているんでしょうか。

ユキジ「まだまだこれからですね。でもこの作品はジャンルが凄いことになりそうです。基本的には物語が流れるなかで、背景として音楽が流れてくると思うので、それにのせて振りを全面に出したり、遠慮させたり、その駆け引きが大事だと思っています。頑張るところ、そうでないところの足し算引き算を上手く創りたいと思います。さらにそれぞれのキャストさんのキャラクターを押し出さないといけませんし。いい感じにちりばめたいと思います」

―――そして豊永さんは岡本さんの作品に出られるのが2作目ですね。

豊永「はい。ACTMENT PARKはバックボーンの全く異なるキャストが集まっているので面白いです。私は普段アイドルグループ(HKT48)の一員として活動しているので、グループの外に出て、しかもミュージカルへの出演となると気負うところもありました。でもやってみるととても勉強になりました。観客に届くことがリアルに体験できる機会は最近だとなかなかできないので、今回は自信を少し持って頑張りたいと思います。一馬さんの脚本がすごく面白いので、そこにどんな楽曲や振付がくるのか、とても楽しみです」

―――前回出演された作品もそうですが、結構多くのキャストがダブルで組まれているのに、豊永さんはシングルキャストです。これは相当なキーパーソンになるとにらんでいますが。

岡本「この街を象徴するような存在で、色々な状況や感情も象徴するようなキャラクターです。ダブルキャストにしているのは、それぞれ全く違った舞台にしたいからなんです。だから同じ役でもキャストで振付などが少し変わっていきます。とにかくキャストの良さを届けたいですから。でも豊永さんはストーリーの重要なポイントに必ずいる存在なので、単独で無いといけないんです」

豊永「どんどんハードルが上がっていく〜(笑)」

岡本「前回は初めて出演してもらってお互いがむしゃらに走った感じでしたが、純粋無垢だったノーマ・ジーンが最後マリリン・モンローに変身する役を見事に演じてくれました。そして今回、サントクレアの街を描こうと冷静に思ったときに、豊永さんが浮かんだんです。相当重要な存在ですね」

―――では逆に皆さんから見た岡本作品の魅力を教えてください。

ユキジ「岡本さんは絶対的な指針を持っているタイプで、ゴールがハッキリしているんです。物語もしっかりした軸があるからそこにダンスを当てていくのが面白いし楽しいです。発想の幅の広さもいいですが、ただ綺麗なだけではなく、時には裏もある。そんな深い魅力が好きです」

津村「岡本作品は華やかで、彼自身、SHOWが好きなのが伝わってきます。私も華やかなのは好きなので、関わる事ができるのは嬉しいです。それに書く歌詞にも曲がのせやすいですね。今回で3回目の参加ですが、毎回凄く短期間でとんでもない数の曲を書くんです(笑)。それができるのも彼の作品だからだと思います。普段から色々なミュージカルを観ますが、彼の作品はオリジナルで最後までワクワクさせてくれるし、何度観ても発見がある。さらにキャストの熱量も高くて見応えがある。だからこそ沢山の人に観てもらいたいと思います」

豊永「右も左もわからないところから、一馬さんが丁寧に教えてくださいました。軸がしっかりしているから、私達が迷ってもかみ砕いて説明してくださるし、かといって私達を否定することはなくて、皆で一緒に創っている形で作業ができます。ようやく先日脚本が来たのですが、きっと面白いだろうと期待して待っていたら案の定でした(笑)。これでファンの皆さんにもどんな話か説明できるし(笑)、ミュージカルの物語の住人として存在したいですね」

―――普段はHKT48で公演や握手会などの活動をしている豊永さんですが、この作品に参加するのはどういった気持ちになりますか。

豊永「武者修行の気分ですね。48グループはたくさんのメンバーがいて、それぞれ将来目指すものも違います。そんな中に自分が外で学んだことを持ち帰れるのはお互いにいいことだと思ってます。皆も前回の公演では握手会の合間に観に来てくれました」

―――豊永さんから見た津村さん、ユキジさんについても伺いたいですね。

豊永「津村さんの曲はずっと頭に残るので、前作の後も1年くらい残ってました(笑)。私はアイドルの歌い方しか知らなかったのを、ポップスの歌い方を丁寧に教えてもらいました。ユキジさんの振付は初めてですが、すごく楽しみです」

―――年末の締めくくりにふさわしい物語になりそうですね。皆さんからのメッセージをいただきましょう。

ユキジ「年末、そしてクリスマスの時期はこの1年を振り返る頃だと思います。そのそんな一年の〆にふさわしい感動やワクワクがあり、そして来年も頑張ろうと思える作品です。ぜひ劇場へおいで下さい」

津村「ようやくコロナ禍も明けつつありますが、そんなご時世だからこそ生きていく上で何が大事なのか? そんなことが作品を通して伝わることと思います。血と涙と汗が詰まった音楽と、キャストの魂、生だからこそ飛んでくるエネルギー。クリスマスをいい時間に過ごせる、絶対楽しい作品ですから是非おいで下さい」

―――血と涙と汗……ですか(笑)

津村「1ヶ月半で23曲ですよ(笑)。音源も自分で創っていますから、聴いてくださいね」

豊永「色々なジャンルで活躍するキャストが出演していますから、お客さまも色々な方がいらっしゃると思います。私のファンの方の中には『ミュージカルは敷居が高い』、『行きたいけどちょっと怖い』なんておっしゃる方もいらっしゃるし、その気持ちもわからなくもないですが、日常にありそうな街での話ですから親近感をもって観ていただけると思いますし、キャストにも感情移入しやすいと思います。私のまた違う一面を見ていただけると思います。お待ちしています」

岡本「3作目のオリジナルミュージカルですが、もうただひとこと、とにかく観て欲しいです。ミュージカルがまだまだ一部の人の楽しみになっていますが、もっと広く楽しんで欲しいですね。騙されたと思ってみてもらえれば、その方の人生に入り込んで、きっと変えてみせますよと言うくらいの意気込みで創っていますから。お楽しみに」

(取材・文&撮影:渡部晋也)

プロフィール

岡本一馬(おかもと・かずま)
奈良県出身。立命館大学卒業後、関西にて舞台公演プロデュースを始める。芝居や演出技法、芸術者としての心得を現場で学んだ後、2017年にACTMENT PARKを旗揚げ。海外作品の再演が多い昨今において、脚本・音楽・振付など全てをゼロから制作する完全オリジナル作品が人気を博し、今作が3作目。

豊永阿紀(とよなが・あき)
福岡県出身。HKT48の4期生として『HKT48夏のホールツアー2016 ~HKTがAKB48グループを離脱? 国民投票コンサート~』福岡公演でお披露目。現在は3代目チームHキャプテンを務める。HKT48の舞台公演や北九州映画実行委員会 第1回作品『めぐり逢わせの法則』(2020年)に出演の他、九州各地のテレビ局により制作されるバラエティ番組などに多数出演。ACTMENT PARKへの出演は昨年の『From Broadway with Love ~ブロードウェイより、愛を込めて~』に続いて2作目となる。

津村友華(つむら・ゆか)
大阪府出身。音楽専門学校在学中に、ガールズバンド(後のNatural place)を結成。ピアノとコーラスを担当すると同時に、奥華子や清水ミチコなどの編曲家としても活躍。2019年にバンドを解散した後は、作・編曲家、ピアニストとしての活動を本格化させる。代表作に、ACTMENT PARKミュージカル『From Broadway with Love~ブロードウェイより愛を込めて~』、短編映画『その瞬間、僕は泣きたくなった-CINEMA FIGHTERS project-』内の『CHOSTING』などがある。

ユキジ
茨城県出身。日本女子体育大学舞踊学専攻卒業。様々なダンスジャンルを学び、卒業後はダンス講師・ダンサーとして活動する。前作のミュージカル『Written by… ~恋のゴーストライター~』では全てのダンスシーン振付を担当した。最近ではMust See Pictures製作の映画『Anonymous Gods』の主題歌「Let the Curtain Fall」MV振付指導、荒井麻珠LIVE TOUR 2022「Song!~Enjoy~」オープニングアクト振付指導など活動の幅を広げている。ジャズダンスチーム「FiZZ」としても活動中。

公演情報

ACTMENT PARK
『あの鐘の音と共に -THE BELL-』

日:2022年12月14日(水)~18日(日)
場:シアターサンモール
料:【劇場】S席8,300円 A席6,800円
      (全席指定・税込)
  【配信】5,000円(税込)
HP:http://actmentpark.com/stage/TheBell/
問:ACTMENT PARK tel.03-6276-1323

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