お酒を飲み過ぎ家へ帰れなくなったダメな男達が、どうにかして家に帰るまでを描くSFコメディー『バック・トゥ・ザ・ホーム』。作・演出の細川徹、主宰の川本成が変わらぬタッグを組むファイナル公演に、スペシャルゲストとして小堺一機が登場。
細川「小堺さんの舞台を拝見して、スタイルは違うのに川本さんのリズムと似ていると感じて驚いたんです。ちょうどファイナルをやるにあたって川本さんのお父さん役を出したいと思っていたので、小堺さんなら大先輩で川本さんが多分やりづらいし(笑)、いいんじゃないかと」
川本「小劇場ですし、おそらく無理だろうと思いつつ、完全駄目元でお願いしましたら、『後輩からお願いされるなんてこんなに嬉しいことはないです』と。まさか引き受けていただけることになって!」
小堺「断る理由がひとつもなかったんですよ。呼んでいただけるのは嬉しいことですし、お客様一人ひとりのお顔が見える小劇場も大好きですから。むしろ逆に出来ているカンパニーに入っていく僕の方が怖いと思っているくらいなので、うまく馴染みたいです」
川本「予想がつくことと、つかないことを混ぜると思いもかけない面白いところにいけると常々思ってきましたが、今回そのウルトラバージョン。緊張しながらもワクワクしていますね」
笑いのスペシャリスト達は“笑うことの大切さ”をどう感じているのだろうか。
川本「大将(萩本欽一)に『笑いは品と質だから。ただウケればいいってものじゃないんだよ』と言われて。やっぱり相手に心を許して、安心しているから笑えるんですよね。だからこのシリーズも一見アドリブ満載のようで、実はアドリブは全くなくきっちり稽古を重ねて作っています。様々なジャンルの方が集まり、そして今回は小堺さん、永田聖一朗さんも加わってくれたので、最高に贅沢な笑いが生まれると思います」
小堺「笑う動物は人間だけですし、僕も大将に『笑いなんてなくても生きていける。でも絶対あった方がいいんだ』と教わりました。生きていくのに必要なものばかりではどこか悲しい。余計なものってとても大切です。お客様の笑顔を見たくて僕らはやっているようなものですし、マスク越しでもそれは絶対にわかりますから、劇場で皆さんの笑顔にお会いしたいです」
細川「笑いってお菓子みたいなものですよね。なくてもいいけどあった方が絶対幸せになれる。だから来てくださったお客様にきっちり笑っていただけるように頑張りたいと思っています」
(取材・文:橘 涼香 撮影:間野真由美)
小堺一機さん
「若い頃から、特に夏バテというものを感じたことはありません。身体の要求に忠実にと言うと聞こえが良いですが、食べたいものを食べ、飲みたいものを飲む。最近は、早寝早起きと週2回程のジム通いが習慣でしょうか。ジムは、パーソナルトレーナーさんがいるジムで予約して通っています。そうじゃないとサボりますから!」
細川 徹さん
「普段から大量の水を飲みます。ビヨンセは4リットルくらい飲むらしいから、ビヨンセほどではないけど、夏は、ビヨンセに近づくくらい飲んでると思います。ハリウッドセレブとの唯一の共通点かもしれない。『ビール最高』とかカッコつけて言ったりしますけど、ほんとに世の中で一番美味しいのは、よく冷えた水です。飲み過ぎはよくないとも言いますが、美味しくて幸せになるから精神的には、まちがいなく健康です」
川本 成さん
「とにかくお肉を食べます。特に赤身のお肉など、延々と食べられます。歳をとっていくとお肉が食べられなくなるよ、みたいな話も聞いたことがありますが、僕自身はむしろエスカレートしてきている気もします。とにかくいつでもお肉が食べたいです。でもそれが、夏バテ防止かといえば、夏だけに限らず、一年中お肉を食べたいので、むしろ食欲のルーティンを崩さない、という事なのかも知れませんね」
プロフィール
小堺一機(こさかい・かずき)
千葉県出身。「欽ちゃんのどこまでやるの!?」、「ごきげんよう」をはじめ、数々のバラエティ番組に出演し、高い人気を得る。ドラマ・舞台・ミュージカルに主演として多くの作品に出演。多彩な活躍を続けている。
細川 徹(ほそかわ・とおる)
埼玉県出身。コントユニット「シティボーイズ」の作・演出をはじめ、「男子はだまってなさいよ!」を主宰し、作・演出を手掛ける。舞台以外にも、ドラマ『君は天才!』、アニメ『深夜!天才バカボン』など幅広く活躍。
川本 成(かわもと・なる)
鳥取県出身。「時速246億」主宰。1991年萩本欽一主宰「欽ちゃん劇団」1 期生として在籍。1994年「あさりど」としてコンビを組み、「笑っていいとも!」9代目いいとも青年隊で注目を集め、その後もテレビ・ラジオ・声優・舞台など幅広い分野で活躍の場を広げている。声優として、アニメ『テニスの王子様』河村隆役、『義風堂々!!』茂助役など数々の作品に出演。舞台では演劇ユニット「時速246億」を主宰し、様々な作品を精力的にプロデュースする他、近年では脚本家・演出家としても数々の舞台を手掛け、昨年、作・演出を務めた劇団EXILE『JAM- ザ・リサイタル-』も好評を博し、今年7月には『Oh M y D iner ~踊るぶんぶん狂想曲~』でも脚本・演出を務めた。
公演情報
時速246億『バック・トゥ・ザ・ホーム・ファイナル』
日:2022年8月24日(水)~9月4日(日)
場:シアターサンモール
料:6,000円(全席指定・税込)
HP:https://jisoku246oku.com/
問:萩本企画 欽劇事務局
tel.03-3795-5259(平日11:00~19:00/土12:00~18:00)