『オズの魔法使い』モチーフのサスペンスコメディー!? 新プロジェクト“ドロシー”、旗揚げ公演に安西慎太郎、輝山立が出演

『オズの魔法使い』モチーフのサスペンスコメディー!? 新プロジェクト“ドロシー”、旗揚げ公演に安西慎太郎、輝山立が出演

 WEBやイラストのデザイン等、特殊スキルを持ったメンバーで結成された新プロジェクト“ドロシー-Dorothy-”。1つのジャンルに囚われずに作品を表現する場を模索していく彼らが、立ち上げの場として“舞台”に挑戦する。その記念すべきプロデュース公演“第1冊目”、舞台『ドロシー』は脚本・演出に劇団ホチキスの米山和仁、主演に安西慎太郎、キーとなるポジションに輝山立を迎える、盤石の布陣だ。


安西「ドロシーチームがまだかなり謎に包まれていて、まさに正体が見えない“オズの魔法使い”のよう。ただ人ってそういうものに惹かれるもので、米山さんやスタッフの方ともお話して面白そうな企画だな、参加したいなと思いました。主演に選んでいただいて光栄ですし、今作に今後のプロジェクトの命運がかかっていると思うので、責任感を持って努めたいです」

輝山「僕は以前、米山さんと2.5次元舞台の現場でご一緒したことがあったのですが、原作は大切にしつつも、その中でいかに自分らしい演出を入れるか葛藤しながら作っていく姿勢がとても好きでした。今作はそんな米山さんによるオリジナルの脚本・演出作品ということで、念願叶ってご一緒できることを嬉しく思います。エネルギッシュな皆様が集まっていて、素敵な作品が出来上がりそうな予感に胸を躍らせています」

―――このプロジェクトを立ち上げた、リアル“ドロシー”ともいえるプロデューサーの細川真帆は何故あえてこのご時世に表現の場として“舞台”を選んだのだろうか。

細川「私自身、幼い頃にクラシックバレエをやっていたり、中学では演劇部に入っていたり、思い返せば人生のターニングポイントにいつも舞台がありました。単純に舞台が好きなんです。地元北海道の会社に勤めてデザインの仕事をしていたのですが、一念発起して東京に出てきて独立して、舞台に関わるデザインの仕事をフリーで続けていました。コロナ禍で1度仕事が全部なくなった時期もあったのですが、どうしても舞台に関わる仕事を続けたくて、私も舞台が作りたい! 企画したい!という話をし続けていたら、沢山の方が集まってきてくれて、その様子をまるで『オズの魔法使い』みたいだと言われたのがこのプロジェクトの立ち上げに繋がりました。舞台という場所をなくしたくなかったんです」

安西「ビジュアル撮影の頃から凄く熱意、エネルギーを感じていましたが、そんな背景があったとは……一気にプレッシャーを感じたんですけど(笑)! 絶対大成功させましょう!!」

―――役どころとしては、安西が原作でいうところの“ドロシー”、輝山はドロシーの飼い犬“トト”をモチーフとした役を演じることになる。まだ取材時にはプロット段階ではあるが、役の印象について語ってくれた。

安西「企画段階では明るい、主人公っぽいキャラクターと聞いていたのですが、プロットではガラッと印象が変わっていました。米山さんが僕と話した後で何かを感じて変えてくださったのだそうで……ありがたいです。今回米山さんとご一緒させていただくのは初なので、稽古を重ねながらイメージをすり合わせていきたいなと思います」

輝山「いい意味でプロットだけだと、まだ謎に包まれているんですよね(笑)。立ち上げ公演ですし、作風というか、物語のテイストみたいなものは、稽古をしながら定まっていくかなと思います。原作ではドロシーの飼い犬として出てくる“トト”。一見、ドロシーたち一行に溶け込んでいるようにも見えつつ、『オズの魔法使い』でいうところのブリキの木こりや、カカシ、ライオンとはちょっとポジションが違う、異質な感じを出していきたいです」

―――本作のキャッチコピーは「その唇に騙されるな!」オズの魔法使いの登場人物の名で呼び合う4人の強盗が、自らをオズと呼ぶ謎の男のプランに従い、見事大金を手にするが……⁉というストーリーだ。上手い話には大抵裏があるものだが、人が良さそうな安西、輝山は騙されやすいかどうかを聞いてみた。

輝山「僕は凄く騙されやすくて……20歳くらいの頃にとても仲が良かった元同級生にすすめられて、危うくネズミ講に勧誘されそうになったことがあって、親に『いい加減にしなさい!』ってめちゃくちゃ怒られました(笑)」

安西「騙されやすくはないと思うけど、絶対騙されないっていう自信はないですね……。表現が難しいんですけど、大人になるとあえて“騙されにいく”ことってないですか? ある意味、演劇のフィクションの世界を見せているからそうとも言えるかな、なんて」

―――また、大金を手に入れたらどうしたいか、という質問には、20代後半の大人らしい意見も。

安西「月並みで申し訳ないんですけど、母親に今後生きていくのに不自由がないお金を渡して、その上で手元にまだお金が残ったら仲間を集めて宴を開きたいです(笑)」

輝山「うーん……昔だったら貯金したいって言っていたと思うんですけど、今だったら贅の限りを尽くしてすぐ使っちゃうと思います(笑)。ある意味大人になって、お金の価値って使わないと分からないこともあるよな、って思うようになったんですよ。何か今の自分の経験値を上げる、役に立つことに使いたいです」

―――その一方で、プロデューサーの細川だったらどう使うのかも聞いてみたところ、突然「ハンガリーに移住したい!」という答えが飛び出し、一同を騒然とさせた。

細川「イタリアを旅行した時に知り合ったおじさんに『ハンガリーはいいぞ!』と聞いて、そのままノリでハンガリーに行ったんです(笑)。そしたら本当にハマっちゃって。いつか移住するのが夢なんです」

―――イタリアに行ったはずが、その足でハンガリーにも赴いたという行動力が、今作および“ドロシー”プロジェクトの勢いを感じさせる話だった。そんな中、改めて3人に今の想いを聞かせてもらった。

細川「人は誰しも、大なり小なり夢を持って生きているんじゃないかと思っています。この作品が、皆さんが夢に向かって行動する起爆剤になったら嬉しいなと思います」

輝山「オリジナル作品なので、とにかく脚本と向き合って、プロジェクトの立ち上げを盛り上げることが自分に出来ることだと思うので、現場で皆さんと共に面白い作品を作っていけるように頑張ります」

安西「ここ数年で考え方や生活までもが変わってしまった人も多いと思うのですが、“何かを想って行動に移す”ことって大事だなって、そんな気持ちが伝わる作品になりそうです。米山さんのお客様を楽しませようとする想いが伝わる、いい意味でイジワルな作品になるんじゃないかなって思います。ぜひご期待ください!」

(取材・文:通崎千穂 撮影:間野真由美)

プロフィール

安西慎太郎(あんざい・しんたろう)
1993年12月16日生まれ、神奈川県出身。端正な顔立ちに高い演技力、時にはニヒルな微笑みが観客を魅了し、二面性のある役を任されることも多い。主な出演作品に、舞台『K』シリーズ、『四月は君の嘘』、『RE:VOLVER』、『デュララ!!』シリーズ、東映ムビ× ステ『死神遣いの事件帖 – 幽明奇譚-』など。

輝山 立(きやま・りゅう)
1992年9月11日生まれ、東京都出身。小柄な身長と身体能力を活かし、少年役・アイドル役を多く演じている。主な出演作品に、2.5 次元ダンスライブ『ツキウタ。』ステージ【ツキステ。】シリーズ、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』、舞台『遙かなる時空の中で6』、『青山オペレッタ THE STAGE』シリーズ、『SK ∞ エスケーエイト The Stage』、『Paradox Live on Stage』シリーズなど。

細川真帆(ほそかわ・まほ)
「ドロシー」のプロデューサーであり生みの親。7 年間フリーランスにて主に商業舞台の宣伝美術・WEB 制作・グッズデザインやイラストレーターとして活動。

公演情報

ドロシー-Dorothy-プロデュース公演 第1冊目 舞台『ドロシー』

日:2022年8月31日(水)~9月9日(金)
場:草月ホール
料:SS席[特典付]9,000円 S席8,500円 A席7,500円(全席指定・税込)
HP:http://stage.dorothy103.com/
問:ドロシー mail:info@dorothy103.com

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