稀代の劇作家・演出家 なるせゆうせいが波乱万丈な女性の生き様を描く 醜さとは? 美しさとは? 物語の果てに光は見えるのか

 子供の頃から圧倒的ないじめを受け世界を呪っていた引きこもりの主人公が、美を追求する、世界的に有名な企業に就職して一発逆転を図るも、様々な問題に巻き込まれ……。
 なるせゆうせいの完全オリジナル作品『御手洗さん』は、癖だらけの登場人物たちによる悲喜こもごもの愛憎群像劇だ。

なるせ「ドラマチックでうねりのある女性の生き様を描きたいというのが発想の始まりです。さらに、その周りにいる人々にも色んな人生がある、そんな作品を作りたいと思いました」

 そんなアイ子を演じるのは、なるせ脚本作品への参加が続いている生田輝。

生田「台本をいただいて、最後まで一気に読んでしまうくらい面白かったです。でも、いざ自分がやるんだと思うと、本当にできるのかな?っていうのが最初の印象でした。私はどちらかというとボーイッシュなイメージの役が多いので、今回は、あまり開けたことのない引き出しからいろいろ出してこなきゃいけないなって」

なるせ「美しさと負の要素の両方に振れる幅広さが生田さんの良いところ。今回は、そんな彼女が女性として発する何かを見たいという欲求がありました。アイ子を動かしているのは“今に見てろ”という悔しさのエネルギーなので、生田さんのそういう部分も見たいですね」

生田「私は結構まっすぐ生きてきた方だと思うんですけど、心の中に負の感情を抱くこともあります。そんな“魔が差す瞬間”を引っ張り出して、自分なりのアイ子を作ることを楽しみたいです」

なるせ「幸せと不幸って紙一重みたいなところがあるじゃないですか。この作品にもいろんなものが混在していて、幸せの中に不幸があったり、不幸の中にも幸せへの糸口があったりする。そういう生き様を生田輝に投影しました(笑)」

生田「(笑)。表面的には悲劇のようでも、ただの悲劇で終わらせないのがこの作品の魅力。私も、この群像劇の中でアイ子の辛い人生を救いたいです。彼女の人生に関わる登場人物も破天荒な人たちばかりですが、きっと自分と重ねられるところがあると思います。そして、私自身も役者として一皮剥けたいですね。今まで見たことのない生田が見られます(笑)」

なるせ「今はなかなか生きにくい大変な世の中ですが、底辺で生き抜いてきた人たちが這い上がってくるこの物語で、しぶとく生きていこうとする生命力が伝われば」

(取材・文:西本 勲 撮影:間野真由美)

プロフィール

生田 輝(いくた・てる)
大阪府出身。声優・女優。代表作は、ミュージカル×TVアニメーションプロジェクト『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』シリーズ(石動双葉役)、『アイドルマスター シンデレラガールズ』(ナターリア役)などのほか、舞台出演も多数。

なるせゆうせい
1977年生まれ、岐阜県出身。脚本家・演出家。舞台・映画・広告・マンガ原作など幅広いジャンルで活動。主な舞台作品に、舞台『弱虫ペダル』(脚本)、『ハンサム落語』シリーズ(脚色・演出)、舞台『コジコジ』(脚本・演出)、舞台『ハイスクール!奇面組』シリーズ(演出)など。

公演情報

舞台「御手洗さん」

日:2021年9月29日(水)~10月3日(日) 
場:俳優座劇場
料:特典付チケット8,800円
  一般7,800円(全席指定・税込)
HP:https://www.mitarai2021.com/
問:style offi ce mail:stage.contact55@gmail.com



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