新たな演出を加えて生まれ変わる『パレード』舞台版 「常に“琴ちゃんならどうするだろう?”と考えて過ごしたい」

新たな演出を加えて生まれ変わる『パレード』舞台版 「常に“琴ちゃんならどうするだろう?”と考えて過ごしたい」

 都内の2LDKでルームシェアする男女5人の若者たち。それぞれに不安や焦りを抱えながら、表面上は優しい共同生活を続けているが、徐々に小さな波紋が広がっていき……。
 過去に映画化・舞台化もされた吉田修一の小説『パレード』が、気鋭の若手演出家・平塚直隆によって新たな作品として上演される。メインキャストの1人、大垣内琴美役に抜擢されたSTU48の石田千穂は「素敵な原作の舞台に参加させていただけることがとても嬉しいです」と話す。

 「原作と映画は、出演が決まってから見させていただきました。いろんな伏線が張られていて、終わってから“あれはこういう意味だったのか!”と気づく場面がたくさんあったり、後半になるにつれて怖さをすごく感じて、終わる頃には“もう一度見たい!”と思える作品でした。その上で台本を読ませていただくと、舞台ならではと感じるところもあって、とても面白かったです」

 琴美は、若手人気俳優である元恋人からの電話を部屋で待ち続ける無職女性。

 「普段はのんびりしているけど、自分の考えや意見をしっかり言えて芯を持っている姿は尊敬します。同じ広島県出身で、私も周りからのんびりしていると言われることが多いので、どことなく似ている部分があるのかもと思いました。ルームメイトのみなさんとは今回初共演で、みんな私より年上で大先輩なので、それも物語上の関係性に少し近いところがあります。お芝居中はもちろん、稽古中の距離感も、“琴ちゃんならどうするだろう?”と常に考えて過ごしたいと思います」

 STU48ではセンターを務めたこともあり、グループの舞台で演技も経験しているが、個人での舞台出演は初めて。平塚の演出にも期待を膨らませる。

 「得意な歌や踊りのない舞台でドキドキしますが、台本を一つひとつ噛み砕いて、大垣内琴美の感情を理解して取り組みたいと思います。そして、舞台の公式サイトで平塚さんのコメントを読ませていただき、『パレード』について私が言葉にできなかった感情を“こうすると伝わるのか!”と感動したので、平塚さんにお稽古していただくことがとても嬉しくもあり楽しみです。たくさんのことを学びたいです!」

 客席に囲まれたセンターステージで上演される点でも注目の本作。彼女にとってひとつのターニングポイントになりそうだ。

 「どこを切り取っても『パレード』の世界観を崩さないように、全力で頑張ります!」

(取材・文:西本 勲)

プロフィール

石田千穂(いしだ・ちほ)
2002年生まれ、広島県出身。瀬戸内を中心に活動するアイドルグループSTU48の第1期生。2019年、AKB48「サステナブル」の選抜メンバーに選出。2020年には初のソロコンサートも開催。2021年の6thシングル「独り言で語るくらいなら」でセンターを務め、2022年4月の8thシングル「花は誰のもの?」ではセンターをトリプルキャスト的に3人で分担する“トライアングルセンター”の1人に選ばれた。

公演情報

舞台『パレード』

日:2022年7月16日(土)~24日(日)
場:新国立劇場 小劇場
料:特典付き9,900円 特典なし8,800円
  U-25[25歳以下・当日引換券]5,500円(全席指定・税込)
HP:https://parade2022.com/
問:東映ビデオカスタマーセンター 
  tel.0120-1081-46(平日10:00~13:00/14:00~17:00)
©吉田修一/幻冬舎 ©2022舞台『パレード』製作委員会

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