鶴屋南北戯曲賞受賞の傑作ホラー・コメディが21年ぶりに上演 善とは悪とは。観る者の境界線を揺るがす恐怖と笑い。

 ケラリーノ・サンドロヴィッチが2001年に作・演出を手掛け、第五回鶴屋南北戯曲賞を受賞した『室温〜夜の音楽〜』。初演から約21年を経たこの夏、河原雅彦による新演出で、再び傑作ホラー・コメディの幕が上がる!
 田舎でふたり暮らしをしているホラー作家とその娘。12年前、拉致・監禁の末に集団暴行を受け殺害された双子の妹の命日に、様々な人々がその家に集まってくる。ドラマが進むにつれて入り混じる、善と悪、正気と狂気……。その中で、加害少年の1人を演じる古川雄輝は、3年ぶりの主演舞台に「緊張と
ワクワク、両方の感情がある状態」だと今の心境を語る。

 「舞台は映画やドラマと違って稽古が2ヶ月ぐらいあるのですが、僕は毎回その間に必ず壁にぶち当たるんです。今まで映像の現場ではできていたことが、舞台だと難しく感じたり、気づかなかった部分に気づいたり。毎回それをなんとか乗り越えてから、みなさんの前に立っています。その分、多少なりとも成長した姿をお見せできるかと。役柄によっても新しい発見があるので、俳優というものは常に学びのある仕事だなと思います」

 ひとつの作品に入ると、家を出る前にせっかく自分で用意した朝食を、ゴミ出しのゴミと一緒にうっかり捨ててきてしまうほど(!)没頭してしまうという古川。役柄も、こうだと思ったら譲れない。監督や演出家ともかなり話をして、全てをクリアにしなければ気が済まない。演じることに対する姿勢には、まるで職人のような一徹さがある。

 「今回のジャンルはホラー・コメディ。シリアスなシーンや、ちょっと怖いシーンもあるんですけど、役者同士の掛け合いでクスッと笑ってしまうような構成になっています。そして、そのクスッという笑い声も含めて舞台が完成するような、そんな台本だと思います。役者がどうそのセリフを捉えるかで、コミカル具合は変わります。コメディは一番難しいですが、この3年の間に培ったものをどう生かせるか、楽しみでもあります」

 音楽は全編、在日ファンクが生演奏。古川にとっても初となる生バンドとの共演も、見どころのひとつだ。

 「これ笑っていいのかな、というギリギリのところを攻めている台本なので、1人が笑ったらどんどんつられていくと思います。お客様と一緒にそんな体験ができれば。トークショーなども行いますので、ぜひ遊びに来てください!」

(取材・文:前田有貴)

祝日が1日もない6月。好きな祝日を作れるとしたら、“何の日”を作りますか?

古川雄輝さん
「“ご家族と過ごす日” 祝日を休む日として過ごす方が多いですが、普段時間が取りづらい家族と一緒に過ごすことを目的とする祝日があっても良いと思いました。
 祝日とは少し違いますが、クリスマス・ハロウィン・バレンタインなどのイベント日などもご家族と過ごさないから」

プロフィール

古川雄輝(ふるかわ・ゆうき)
1987年12月18日生まれ、東京都出身。7歳でカナダへ。中学卒業と共に、単身カナダからアメリカ・NYへ渡る。2009年「ミスター慶應コンテスト」でグランプリに輝き、2010 年「キャンパスターH★ 50withメンズノンノ」にて審査員特別賞を受賞。同年8 月、役者デビュー。2013年に主演を務めたドラマ『イタズラなKiss 〜Love in TOKYO』が中国で大ヒットし一躍注目を浴びる。主な出演作に、映画『脳内ポイズンベリー』、『曇天に笑う』、ドラマ『ラブリラン』、舞台『俺たちの明日』、『イニシュマン島のビリー』、『神の子どもたちはみな踊る after the quake』では主演を務めた。

公演情報

舞台『室温~夜の音楽~』

日:2022年6月25日(土)~7月10日(日) ※他、兵庫公演あり
場:世田谷パブリックシアター
料:S席[1・2階席]9,500円 A席[3階席]7,500円(全席指定・税込)
HP:https://www.ktv.jp/shitsuon/
問:サンライズプロモーション東京 tel.0570-00-3337(平日12:00~15:00)

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