日本国内で唯一上演を許された名作、待望の再演! プリンシパル・ペアが踊る巨匠振付家のスペクタクル・バレエ

日本国内で唯一上演を許された名作、待望の再演! プリンシパル・ペアが踊る巨匠振付家のスペクタクル・バレエ

 巨匠ローラン・プティの振付作『ノートルダム・ド・パリ』を、牧阿佐美バレヱ団が6年ぶりに再演。ヴィクトル・ユーゴーの長編小説をバレエ化したプティの代表作のひとつで、菊地研が6年ぶりにカジモドを、青山季可が初役でエスメラルダを踊る。

菊地「カジモドを最初に踊ったのは26歳のとき。エスメラルダはマリーヤ・アレクサンドロワさんで、わざわざオフの日に作品について話し合う時間を作って下さり、役への向き合い方を教わりました。それは自分にとって貴重な糧になっています」

青山「自分がエスメラルダを踊る日が来るとは全く思ってもみませんでした。エスメラルダは強くしなやかな女性で、美しさと優しさを併せ持っている。実際踊ってみると本当にハードで、古典作品とは違う身体の使い方に、必死でシフト中です」

 日本初演は1998年。プティ存命中は振付家自ら指導を行い、その薫陶を直々に受けた。

青山「とても厳しい方という印象で、プティさんの前では絶対にいいものを見せなければという空気が自然とできていましたね」

菊地「プティはどこが悪いとは言わず、ただノーとだけ言う。それで気にいらないと帰ってしまったりもする。でも良い時は子供みたいに喜んでくれて、僕もその笑顔が見たくて頑張るようなところがありました(笑)」

青山「私もプティさんに凄い剣幕でノーと言われたことがあります。どうしようと思うほどどんどんできなくなって、必死でリハーサルをした覚えがあります」

 日本国内では同団が唯一本作の上演許可を持ち、貴重なレパートリーとしてプティのエッセンスを舞台上で体現していく。

菊地「リハーサルではまず作品のイメージを大切にしています。作品を経験しているからこそ、僕自身がそれを示し続けなければいけない。それがまた彼女のヒントになればと思っていて」

青山「私は初役ですが、新しい挑戦をする喜びはやはりあります。研くんや皆との関係性を大切にしながら、自分が今すべきことに一つひとつ取り組んで、リハーサルに臨んでいます」

菊地「今回何より嬉しいのが、彼女と2人で主演できること。今までは海外ゲストを迎えることが多かったけど、僕らバレエ団の主演で上演したいという気持ちがあって。だからこの舞台には特別な想いがあって、絶対にいいものするつもりでいるし、本番まで熱量を一切絶やさず進んでいきたいと思っています」

(取材・文:小野寺悦子 撮影:間野真由美)

プロフィール

菊地 研(きくち・けん)
石井清子バレエ研究所、竹内ひとみバレエスクール、ボリショイ・バレエ学校で学ぶ。2001年牧阿佐美バレヱ団入団。同年、ローラン・プティにより『デューク・エリントン・バレエ』のソリストに初演で抜擢される。2003年『くるみ割り人形』で主役デビュー。主な出演作に、『白鳥の湖』ジークフリード王子、『眠れる森の美女』フロリモンド王子、『ドン・キホーテ』バジル、新国立劇場バレエ団『椿姫』アルマンなど。第37回舞踊批評家協会新人賞、第37回ニムラ舞踊賞受賞。

青山季可(あおやま・きか)
大阪府出身。3歳で川上恵子バレエ研究所にてバレエを始める。A.M.ステューデンツ第18期生。橘バレヱ学校、英国ロイヤル・バレエスクール、ジョン・ノイマイヤー・ハンブルクバレエスクールで学び、2001年牧阿佐美バレヱ団入団。主な出演作に、『眠れる森の美女』オーロラ姫、『白鳥の湖』オデット/オディール、『ドン・キホーテ』キトリ、『ジゼル』ジゼルなど。第32回服部智恵子賞受賞。

公演情報

牧阿佐美バレヱ団 ノートルダム・ド・パリ(全幕)

日:2022年6月11日(土)・12日(日) 場:東京文化会館 大ホール
料:【6/11】S席13,000円 A席10,000円 B席7,000円 C席4,000円
  【6/12】S席15,000円 A席12,000円 B席9,000円 C席6,000円(全席指定・税込)
HP:https://www.ambt.jp/
問:牧阿佐美バレヱ団 tel.03-3360-8251(10:00~18:00/土日祝休)

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