“体験型の演劇”といわれ、観客が歩き回り、役者と会話をしたり、何かしらのアクションを起こしたりすることで物語の結末が変わっていくイマーシブシアター。その特性を生かし、実在する街の魅力を体感できる新企画、街歩き型イマーシブシアター『-記憶の質屋-ほの灯り堂』のプレ公演が、4月~5月の本公演に先駆けて2月5日より幕を開けた。
石畳の路地や老舗の建物など、花街の面影を残す神楽坂の街で、<昼の物語>と<夜の物語>、2つのストーリーを楽しむことができる本企画。製作は“あなたの想像の1ピースで完成するイマーシブシアター”というキャッチコピーを掲げ、近年同業界で注目を集めているムケイチョウコク、そして神楽坂に本社を構えるロングランプランニング(カンフェティ)が手掛けている。
本作に参加するにはGPS連動の音声ARアプリ「Locatone™(ロケトーン)」を事前にダウンロードしておく必要がある。これは特定のスポットを訪れると位置情報に連動して自動的に音声や音楽を再生するというもので、街をめぐって音声を聴きながら楽しむことのできる最新技術なのだ。
物語の起点となるのはいずれも人の記憶を専門に取り扱う質屋「ほの灯り堂」。物語に入り込んだ“あなた”は「Locatone™(ロケトーン)」から流れる不思議な声に導かれるように神楽坂の街へ繰り出し、その質屋へとたどり着く。無数の提灯が並ぶ店内では、妖しい店主が人々の“やり直したいあの日の記憶”を集めているのだった。
店主に言われるがまま、“あなた”は自身の“やり直したいあの日の記憶”に思いを馳せることになるのだが、店主が言うには、自分であの日をやり直すことはできないのだという。その代わりに、自分以外の人間のあの日をやり直してあげることで、“あなた”のあの日も誰かがやり直してくれる……そういう仕組みになっているのだとか。
そこで“あなた”は、明治や昭和といった過去の時代を生きたとある人物がやり直したいあの日を、代わりに追体験することになる。
<昼の物語>では芸者と彼女を歌手にしたいという作曲家、彼女のパトロンである旦那、<夜の物語>では文豪の師匠と愛弟子、その妻の物語が描かれるが、実はいずれも神楽坂にゆかりがある実在の人物がモチーフになっている。彼らと共に神楽坂の寺社仏閣や路地裏などを実際に歩き回りながら、彼らの直面している問題と向き合い、彼らに深く関わる人物として思い思いの言葉を交わしていくことになる。
何気なく投げかけた言葉が、誰かの行動を、未来を変えていく。あの日をやり直すことで、彼らは何を得て、何を失うのか。その様子を見て、“あなた”は本当に自身のあの日をやり直したいと思えるのか――。
心が揺さぶられるイマーシブ体験を、ぜひ神楽坂で。
(文:通崎千穂)
公演概要
『-記憶の質屋- ほの灯り堂』
【プレ公演】2026年2月5日 (木) 〜 2月8日 (日)
【本公演】2026年4月末~5月初旬
会場:学校跡地 (東京都新宿区揚場町2-28)ほか 神楽坂周辺施設
※上演時間:約90分 定員:各回20名
■チケット料金
5,200円(税込)
※オープンイヤーイヤホン貸出料金込み
■出演者
【質屋の店主】AGATA、内山智絵、大塚由祈子
【芸者/女】石田迪子、石田佳名子、小林未往、スガヌマショウコ
【作曲家/愛弟子】市川真也、上原徹也、河合国広、塚越光
【旦那/師匠】角川裕明、金川周平、窪田道聡、熊野善啓
※各回、各キャラクターに対して1名ずつ出演いたします。
出演スケジュールについてはHPをご覧ください。
■スタッフ
構成・脚本:今井夢子(ムケイチョウコク)
演出:ムケイチョウコク& all cast
メインディレクター:美木マサオ(ムケイチョウコク)
制作プロデューサー:野元綾希子(ムケイチョウコク)
制作アシスタントプロデューサー:新妻野々香
システム提供・制作協力:ソニーマーケティング株式会社、SoVeC株式会社
協力:一般社団法人新宿観光振興協会、株式会社粋まち、東京平版株式会社
企画:ムケイチョウコク
製作:ムケイチョウコク、ロングランプランニング株式会社
主催:ロングランプランニング株式会社、株式会社NO MORE
助成:アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】
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