ジェフリー・アーチャーの大ベストセラー小説がグランドミュージカルとして飛翔する ミュージカル『ケイン&アベル』製作発表会見レポート!

東宝ミュージカルの最新作、ミュージカル『ケイン&アベル』が、2025年の初頭を飾り2025年1月22日~2月16日東京渋谷の東急シアターオーブで、2025年2月23日~3月2日大阪・新歌舞伎座で世界初演の幕を開ける。

イギリスの国民的作家、ジェフリー・アーチャーのベストセラー小説を原作とするこのオリジナル・ミュージカルは、東宝とキューブの製作により名作小説のミュージカル化に挑むもので、『ジキル&ハイド』『ルドルフ ~ザ・ラスト・キス~』『デスノート』『四月は君の嘘』など、多岐に渡るミュージカル作品の音楽を手掛ける世界のヒットメイカー、フランク・ワイルドホーンが音楽を。『ニュー・ブレイン』『ザ・ミュージック・マン』などの日本版演出が高く評価されるダニエル・ゴールドスタインが脚本・演出を担当するのをはじめ、ブロードウェイで活躍する強力なスタッフ陣が集結。生い立ちの異なる二人の人物の人生を交互に描き、やがてその人生が交錯していく様を描く、ジェフリー・アーチャーの壮大なストーリーが、どんな形でミュージカル作品として生まれ出るのかに、いま大きな期待が集まっている。

そんな作品の製作発表会見が10月30日都内で開かれ、主人公で銀行家の跡取りとして祝福された人生を歩むウィリアム・ケイン役の松下洸平。ウィリアムと同日にポーランドの山奥で生まれ、劣悪な環境で育ちながらアメリカに渡りホテル経営に携わるようになるアベル・ロスノフスキ役の松下優也。アベルの娘フロレンティナ役の咲妃みゆ。アベルの妻ザフィア役の知念里奈。アベルを見出すホテル王のデイヴィス・リロイ役の山口祐一郎。さらにエグゼクティブ・プロデューサーの東宝株式会社常務執行役員演劇本部長・池田篤郎。アソシエイト・エグゼクティブ・プロデューサーの株式会社キューブ 代表取締役社長・北牧裕幸が、フランク・ワイルドホーンから今朝届いたばかりという、ピアノのデモ音源が流れるなか登壇。公演への抱負を語った。

エグゼクティブ・プロデューサーの池田は、日本で出版された当初からこの小説に魅せられ、いつの日かミュージカル化したいと長年夢見ていたそうで、『四月は君の嘘』をフランク・ワイルドホーンと製作後「次にどんな作品がやりたいか?」という話になった折に、この作品を紹介したところ、帰国後に小説を読んだワイルドホーンから「面白い、すごい作品だ。いまから自分の曲のイメージが出来ている」との連絡が入り、作品の道筋が出来上がったという経緯を紹介。ここからキャスティング作業がはじまり、アメリカの富裕な創業家に生まれ、銀行家としての将来が約束されているケインには、理知的で洗練されていて、しかも内側には炎のような情熱を持っている、なかなか出会えない人材が必要だったが、松下洸平さんが引き受けてくれたことを大変嬉しく思った。一方ポーランドの寒村で私生児として生まれ、苦難の末にアメリカに渡り新たな人生をつかみ取っていくアベルは、情熱が表に出ている大変アグレッシブな人物で、こちらも松下優也さんというイメージ通りのキャストに巡り合い、とても素晴らしい出会いになった。また、原作とは若干設定が異なり、アベルを生涯に渡って献身的に支えていくアベルの妻に歌唱力抜群の知念里奈さん、アベルが初恋の相手の名前をつけて生涯大切に育てる娘のフロレンティナに咲妃みゆさん、そしてアベルの人生を変える師となるデイヴィス・リロイに山口祐一郎さんと、それぞれに特色のある登場人物に素晴らしい方々を迎えられた。同じ年、同じ月日に生まれ、全く違う人生を歩んだケインとアベルの人生が、どう交わりどんな結末を迎えるのかにご期待いただきたい、そしていつかこの作品が『千と千尋の神隠し』のようにロンドン、さらにブロードウェイで上演されるものに育つことを願っている、との意欲溢れる挨拶があった。

また、アソシエイト・エグゼクティブ・プロデューサーの北牧は、自身も学生時代にジェフリー・アーチャー作品に耽溺し、なかでも『ケインとアベル』は当時ビジネス小説として読んでいたが、今回読み返したところ40年あまりの年月で、自分たち、さらには世界が経験してきた日々のなかで相当に思うところが変わっていて、単なるビジネス小説ではなく様々な家族愛が描かれている作品だと実感した。それが世界初演のオリジナル・ミュージカルという高い志の企画に関われることを光栄に思っていると、力強く語った。

そこから、キャストそれぞれの挨拶があった。

松下洸平「初めてのグランドミュージカルの主演、そしてミュージカル自体も7年ぶりなので、もちろん不安やプレッシャーがありますが、ブロードウェイの素晴らしいスタッフのみなさん、山口祐一郎さん、松下優也さんと共に誰も観たことのない新しいミュージカルが創れればいいなと思っています。僕らを含めて総勢40名近いキャスト、これだけの大人数でひとつのゴールに向かって、ひとつの船を漕いでいくようないい稽古場に、さらに幕が開けてからも毎日新しい発見と出会いに恵まれるような作品になればいいなと思っています」

松下優也「僕自身とても楽しみにしていますし、自分が演じさせていただくアベルという役はケインと違い生まれがとても貧しくて、それが故に人一倍野心家で、生まれ持ったクレバーさでどんどんのし上っていく役です。そのなかで大切な人を失いながら、ケインと対決していくというお話ですが、自分自身も野心は強いほうだと思っていますし、今回『はじめまして』の洸平さんは、僕の中では内なる炎を感じながらも穏やかで柔らかい方という印象がありますので、自然にケインとアベルの関係性を築けると感じています。アメリカのケインとポーランドのアベルを、東の松下、西の松下で作っていければと思っています。共演者の皆様もグランドミュージカルで活躍している素晴らしい方たちばかりなので、稽古場でたくさん学んで新しい作品を創っていけたらなと思っています」

咲妃みゆ「東宝さんとキューブさんの大いなる挑戦となるこの作品に参加させていただけることを大変光栄に思うのと同時に、身震いするほどドキドキしています。演出家さんであるダニエルさんとは今回二度目のご縁をいただけることになりました。大変尊敬する演出家さんですので、洸平さん率いるカンパニーの一員としてまたお芝居させていただけることがとても嬉しいです。私が宝塚歌劇団で初舞台を踏んだ作品が、フランク・ワイルドホーンさんが音楽を手掛けられた『スカーレット・ピンパーネル』という作品で、そこから私の芸能人生がスタートしました。時を経て、またこうしてご縁をいただけたことをとても幸せに思います。登壇されているキャストの皆さんをはじめ、40名近くいるみなさんと力を合わせて、素晴らしい世界初演の作品をお届けできるように頑張ります」

知念里奈「松下優也さんの妻を演じる知念里奈です……あれ?なんか、ごめんなさい」

洸平「言い方、大丈夫ですか?(笑)」

優也「ありがとうございました!」

洸平「受け入れない!(笑)」

知念「失礼しました!もう一回やり直していいですか?」

洸平「やり直しましょう(笑)」

知念「アベルの妻のザフィアを演じる知念里奈です。世界初演の大きなプロジェクトに参加させてもらえることを本当に嬉しく思っています。世界中で長く愛され続けている小説が音楽と出会ってミュージカルになる。そこにはどんな魔法がかかるのかと、いちミュージカルファンとしても楽しみです。作品をしっかり支えていけるように、誠心誠意努めていきたいと思います」

山口祐一郎「僕はそろそろ古稀が近づいてきたのですが、ミュージカルという非日常で、夢が詰まっている世界でいまも舞台に立っている訳です。池田さんから『話がある』と言われた時にもそんな非日常の世界にいたものですから、現実を忘れていたんですね。それで『ケイン&アベル』をやると聞いて、僕の役はどっちなんだろう、と思ってしまいました(笑)。その時池田さんの目が点になっているのを見て、『そうだな、僕の季節はもうそういうところじゃないんだな』と気づきました(笑)。いま経済的に非常に厳しい時代ですが、この作品のケインさんも晴れたときには傘をくださるのですが、雨が降り出すとその傘を返してくれと言う、そういうお仕事をなさっている方なんです(笑)。私の役は、そのケインさんのファミリーから潤沢な融資を受けるのですが、雨が降ってきたらその傘を返せと言うんですよ」

洸平「大変失礼いたしました!」

山口「(微笑んで)また、優也さん演じるアベルは、シベリアから、いつ人生が終わっても不思議ではないようなとんでもないドラマを乗り越えて、大西洋を渡ってアメリカへやってきて、なんとか成り上がろうとしている時に、私の実人生とは全く関係ありませんが(笑)大富豪の私と出会い、親子のような素敵な関係を築いて、二人で挑戦をしていくんです。でも世の中が経済危機を迎えると、ケインさんが先ほどのことをおやりになるんですね(笑)。いや、そこから先のドラマが本当に面白いんです。そのケインとアベルを演じるお二人が、なんとも清潔感にあふれていて、普通三十路を越えると、どこかに悪党って感じがするんですが(爆笑)、それがどこにも見えない!これが、池田さんのキャスティングの秘訣なんだなと思いました。その二人の対決のアンタッチャブルなクライマックスが舞台でどう表現されるか、是非お楽しみになさってください」

それぞれの個性溢れる挨拶で、会場の熱気が更に上がったところでサプライズがあり、音楽のフランク・ワイルドホーン、演出のダニエル・ゴールドスタインからの動画メッセージが披露された。

フランク「洸平さん、優也さん『ケイン&アベル』作曲家のフランク・ワイルドホーンです。もうすぐリハーサルなのでワクワクしています。いくつもの冒険を分かちあってきました。最高に素晴らしい作品になるでしょう。皆さんに会うのが楽しみです。1月からの公演にご期待ください。ありがとうございます」

ダニエル「皆さんこんにちは。『ケイン&アベル』脚本・演出のダニエル・ゴールドスタインです。メッツを応援しているのでキャップを被ったままで失礼します。大谷翔平さんのいるドジャースとの対戦です。大谷さんには三振して欲しいけれど、打つでしょうね。皆さんに早く会いたいです。洸平さん、優也さん、みゆさん、里奈さん、祐一郎さん『ケイン&アベル』のカンパニーの皆さん、私がフランク・ワイルドホーンとネイサン・タイセン(歌詞)と共に手がけたこのミュージカルのリハーサルがもうすぐ始まります。この作品を日本の皆様にお届けできることを楽しみにしています。普遍的なテーマを扱う物語なので、観客の皆様に喜びや幸せをきっと感じていただけるでしょう。私たちは喜びと苦難を共にして、この作品を創っています。新作を生み出すことほど大変なことはありません。野球も難しいですけどね。日本で東宝と仕事をするのはいつも楽しいです。本作は東京で公演される私の5つ目の作品となります。皆様と素晴らしい初日を迎えるために全力を尽くします。お会いできるのを楽しみにしています。ありがとう、よい1日を」

このメッセージを受けて洸平は「ワイルドホーンさんは僕も7年ほど前に『スカーレット・ピンパーネル』という作品でアルマン役をさせていただいて以来、久しぶりに画面越しですが笑顔を拝見できてとても嬉しいです。また、ダニエルさんがおっしゃっていた『新しい作品を生み出すことほど難しいことはない』という言葉、まさにその通りだと思いますが、そこには同時に新しい作品をみんなで作る喜びもきっとあると思うので、世界初演だからとあまり気負わずに、オリジナリティをもって僕らにしかできない作品をダニエルさんと共に作れたらと思っています」と語ると優也は「フランク・ワイルドホーンさんとは自分は今回初めてご一緒させていただくのですが、ワイルドホーンさんの新曲を、世界で初めて自分が歌えることを光栄に思っていて、とても楽しみにしています。ダニエル・ゴールドスタインさんは、名前がカッコいいですね!(笑)。優しそうな方です。世界初演はディスカッションを重ねて作り上げるものなので、どういう方々と一緒に作るかが大事になると思うので、さらに楽しみになりました」

それぞれの感想を言い合ったところで、もうひとつのサプライズが。原作者のジェフリー・アーチャーからもテキストメッセージが届き、山口が代読を託されたが、まず達筆だというメッセージを見ながら「ジェフリー・アーチャーさんは日本語が書けるの?」と会場から笑いを誘い、「それでは参ります」と読み始めた。

「45年前に出版されて以来、世界中で愛され続けている名作『ケイン&アベル』が、この度、画期的なミュージカルとして初めて舞台化されることになりました。東宝とキューブが、このライバル関係と愛の偉大な物語を、壮大なミュージカルにしたいという構想を私たちに持ちかけてくれました。慎重に検討した結果、私たちはこの申し出を喜んでお受けすることにしました。原作は豊かで複雑な物語ですが、音楽にはケインとアベルを突き動かす深い情熱を独特の説得力で表現する力があると思っています。このミュージカルが日本で大きな成功を収めるだけでなくウェストエンドやブロードウェイ、そしてそれ以外の地域でも上演され世界中のお客様が洸平さんと優也さんの激しい戦いを目撃できることを心から願っております。ジェフリー・アーチャー」

さすがはトップ俳優のあまりにも美しい声で読み上げられたメッセージを受け洸平は「まさかご本人からこういったメッセージをいただけると思っていなかったので驚きました。しかもその熱いメッセージを山口祐一郎さんのお声で聞ける、こんな贅沢なことはないなと思わず聞き入ってしまいました。僕らが作るものが、後々、世界中で上演される可能性もあるということは、夢と希望に満ちたカンパニーなのだと改めて思います。『二人の激突を目撃できることを願っている』と書いてくださっているので、観にきていただける可能性もあるのでしょうか。お時間が合えば、ぜひ劇場にもお運びいただきたいです」と興奮した様子。優也も「めちゃくちゃ光栄なことですね。世界初演だからこそ、こういうメッセージをいただけるのかなと思うと、責任感とワクワク感で身の引き締まる思いです」

と喜びをかみしめた。

続いた質疑応答では洸平に「作品の好きなポイントは?また海外公演も視野にある作品だということで、海外の舞台に立つ予定もあるのでしょうか?」という質問が飛び「決して二人の友情だけを描いた作品ではないところです。あとは、時代に翻弄される人たちをすごくリアルに描いているというところも、原作を読んでいて素晴らしいと思いました。愛する人や、大切な人を失いながらも、己の信念を貫き通した結果、時代が動き、色々なものが変わるなかで、最後に残るもの。この舞台のラストに残るものがほんの小さな何かであるというところが、この作品の面白いところだと思います。僕たちはそれをどこまで表現できるのか、お客様にその小さな何かをぜひ持ち帰っていただきたいと思います。ミュージカルは極上のエンターテインメントであるべきだと思いますので、そこをしっかり楽しんでいただきながらも、何かを投げかけて終わる、そんな作品にしたいと思っています。また、僕が海外の舞台に立つという予定は今のところはありません(笑)。でも夢を持つことは素晴らしいと思うので、もしかしたら、この作品を経験することでそういう夢も芽生えるかもしれませんが、現時点ではシアターオーブでこの作品を成功させることだけを考えています」と、非常にクレバーな答えが返ってきた。

また「ワイルドホーン楽曲の魅力をどう思うか?」という問いには優也が「いま、デモ音源の形で聴かせていただいているのですが、この大きな新作にふさわしい壮大で、これぞグランドミュージカルだと思う楽曲です。ただその中にも、モダンでポップな要素もあるので、先ほども申し上げましたが、僕らが世界で初めて歌えるというところのワクワク感と責任感を感じます」と語れば洸平も「僕も同じ意見で、この楽曲をオーケストラの演奏で、みんなで歌うことができると想像するだけでワクワクするような曲がたくさんありました。また、ワイルドホーンさんの楽曲の個人的にすごく好きなところが、ポップス性と言うか、日本人もついつい口ずさみたくなるような美しいメロディが特長なので、稽古が楽しみです。今回はシングルキャストで駆け抜けなければならないなか、本当に素敵な楽曲を創っていただいたので、その楽曲に恥じないように稽古をしたいと思います」と決意を込めた。

また咲妃は「私は、ワイルドホーンさんの楽曲の壮大さに一番心を惹かれています。今回もデモ音源を聴かせていただき鳥肌が立ちました。本当に素晴らしい音を紡いでくださっていて、人物の心情もここまで豊かに表現し、届けてくれる音楽を書かれるワイルドホーンさんに直接お目にかかれることを楽しみにしています」と興奮した様子。

知念も「私のミュージカルデビューが『ジキル&ハイド』で、初めてステージ上で歌ってお芝居をしたのがフランク・ワイルドホーンさんの楽曲でした。その後『ルドルフ ~ザ・ラスト・キス~』にも出演しましたが、今回、久しぶりにフランクさんの歌を歌えるのが嬉しいです。作品のなかで聴くだけではなくて、1曲、1曲を単体で聴いても本当にメロディアスで、ロマンティックで魅力的だと思っています」と自身が感じる魅力を言葉にしてくれた。

また、山口祐一郎との共演について問われた洸平が「光栄です…」と語り始めると、山口が「ネクタイが曲がっているよ」と直すのに「こういう優しいお心遣いもしてくださる方で、僕自身、久しぶりのミュージカルで、不慣れなこともあるのでいろいろ教えていただきたいと思っています。よろしくお願いします」と頭を下げると、山口がマイクを握らず「全員でしっかりついて参ります」と言った声が、会場の後ろまできちんと届き「マイクがいらない!」と洸平が感嘆。「この声量も、どこかで盗めたらいいなと思っています」としみじみと語るのにあわせて「大先輩としてのアドヴィスは?」と山口に問いが飛ぶ。それに対して山口は「大先輩というフレーズ、その感覚はゼロです。洸平さん、優也さんと同じラインに立って、全員でオープンにフランクに、ただひとつ『いいものを作るために自分たちに何ができるか』だけを考える。それさえあれば稽古の途中で何があっても、考え方の違うところ、意見をぶつけ合うこともできる稽古場であれば、より良いものが生まれると思っています。先ほどからお話を伺っていると、お二人はまったくキャラクターは違うのですが、それでいて同じようにしっかりと情熱を持っている。そういうメンバーと一緒に来年、2025年に一緒に闘えることを楽しみにしています」と結んだ。

最後に、初共演の洸平と優也にお互いの印象は?との問いかけがあり、優也は「苗字が同じなので意識はしていましたし、舞台でも映像でも音楽でもご活躍されていて、自分もお芝居も音楽もやらせていただいてるので、昨日も色々ネットで調べたらとても共通点が多くて。ドラマの印象が強かったのですが、ただ、洸平さんが絵と料理が上手だというので、そこはまったく似ていないのですが(笑)、今回ミュージカルで共演できることが楽しみです。たくさんコミュニケーションをとりながら創っていきたいです」と、自身のリサーチも含めて語ると洸平も「僕も一方的に存在はずっと知っていて、なかなか交わることがないなと思っていたので、念願叶ってやっとご一緒できることが嬉しいです。僕の知る限りでは共通の友人も多いのですが『優也くんはすごく情熱的で、まっすぐで、ブレない人だから、二人の共演を楽しみにしてる』という声をたくさん聞いてきました。今改めてお会いして、話している優也くんの姿を見ていると、アベルそのものの野心とか、エネルギーが十分感じられるので、そこと対比するケインをどうやって創っていこうかな、がとても楽しみになりました」と、それぞれにリスペクトを感じさせる言葉でエールを交換した。

大勢の取材陣が詰めかけた会見は、終始和やかに、熱のこもった言葉が飛び交い、世界有数のクリエイターと多彩なキャストで届けられるオリジナル・ミュージカル『ケイン&アベル』世界初演の舞台への期待がますます高まる時間となっていた。

【取材・文/橘涼香 撮影/中村嘉昭】

公演情報

ミュージカル「ケイン&アベル」

日時場所:
2025年1月22日(水)~2月16日(日)
東急シアターオーブ

2025年2月23日(日)~3月2日(日)
新歌舞伎座

原作:ジェフリー・アーチャー
音楽:フランク・ワイルドホーン
歌詞:ネイサン・タイセン
編曲:ジェイソン・ハウランド
振付:ジェニファー・ウェーバー
脚本・演出:ダニエル・ゴールドスタイン

出演:
ウィリアム・ケイン:松下洸平
アベル・ロスノフスキ:松下優也
フロレンティナ:咲妃みゆ
ザフィア:知念里奈
ケイト・ブルックス:愛加あゆ
ジョージ・ノヴァク:上川一哉
マシュー・レスター:植原卓也
リチャード・ケイン:竹内將人
ヘンリー・オズボーン:今拓哉
アラン・ロイド:益岡徹
デイヴィス・リロイ:山口祐一郎
飯塚萌木 / 榎本成志 / 加藤翔多郎 / 古賀雄大 / 咲良 / 佐渡海斗 / 島田彩 / 德岡明 / 富田亜希 / 中村ひかり / 廣瀬喜一 / 堀部佑介 / 本田大河 / 町田睦季 / 萬谷法英 / 宮内裕衣 / 宮田佳奈 / 森下結音 / 森山大輔 / 米澤賢人
スウィング:磯部杏莉 / 後藤裕磨
有澤奏 / 小暮大智 / 髙橋輝 / 萩原ゆめの / 古澤利音 / 山口亜美菜

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