靖山画廊は歌舞伎座の向い、大通りから一本入ったビル一階にある企画画廊。
ガラス張りで中の様子がうかがえるので入りやすい。
取材時(9月19日)に開催されていたのは松浦延年展。鮮やかながら深みのある色彩に、思わず惹き込まれるような絵画作品だ。
山田さんは登場するなり、作品の魅力を熱く語ってくれた。
美術館と違って思い入れの深いオーナーや、運が良ければ作者に出会えるのもギャラリーの魅力だ。
山田さんは、出版社や企画会社を経て1996年に株式会社アートジャパンを設立。
銀座に靖山画廊を構える。銀座の画廊を気軽に楽しめる銀座ギャラリーズ主催「クリスマスアートフェスタ」の実行委員長も勤めている。
画廊の中でリュートの演奏会を開いたこともあるそうだ。
山田さん「銀座には200を超えるギャラリーが集結している世界でも稀な場所です。しかも美術館と違って無料。靖山画廊では老若男女や国籍問わず、世界中から『これ!』というアーティストを探して、その作品を展示しています。情熱がないと、できない仕事ですよね。作家にとっても、ここで展示できるのは滅多にない機会だと思いますし、気合いを入れて制作をしています。そんな作品を気軽に見られる、それがギャラリーめぐりの魅力だと思っています」
— 作品は必ずしも買わなくてもいいんですよね。ギャラリーに馴染みのない人は身構えてしまうところがあります。
山田さん「もちろんです。(値札を見て)ちょっと、すぐには買えないですよね(笑)。ギャラリーに入ったからには、何か買わなくてはいけないんじゃないか?買わされるのでは?と思う方はいますが、そんなことはないです。とりあえず見ていただいて、気に入った作品があれば、気軽にスタッフに声をかけてください。説明いたしますので、その上でお買い求めいただければ嬉しいです。アートとの出会いで、作家とも出会って、その後の人生が変わる方もいますよ。それが私どもの喜びでもあります」
改めて値札を見ると、手に届く価格の小品もあった。これを部屋に飾ってみたらと想像も膨らむ。
スタンプラリーに合わせておしゃれなガイドブックも制作。
山田さん「今回、初めてガイドブックも作りました。このガイドブックは、スタンプラリーに参加すると画廊から貰えますので、皆さん手にとって、ガイド片手に画廊巡りを楽しんでください。このブックを持っていると画廊の方でもスタンプラリーを楽しんでいる方なんだな、とわかりますので、ぜひ携帯して画廊に足を運んでください」
ガイドブックに掲載されている37の画廊のうち、スタンプラリーに参加しているのは27の画廊。企画画廊を中心に洋画・日本画・伝統工芸から現代美術まで様々なジャンルの画廊が揃う。
ガイドブックには、それぞれの画廊の特色や、営業時間などの情報、内部の写真も掲載されている。英訳もあるので、まるでランキングのないミシュランガイドのようだ。
サイズも、スマホより一回り大きい程度の手帳サイズ。コンパクトに持ち運べる。
この秋はガイドブック片手にギャラリー巡りを楽しもう。
『銀座の画廊を巡るスタンプラリー』
https://www.artandlive.net/projects/gallery-stamprally-2023