造形美術家、デザイナー、ミュージシャン、振付家、舞台美術家、オペラの演出家などマルチな才能を持つフランス人アーティスト、クリスチャン・リゾー。
リゾーがイスタンブールで男性の踊り手たちによるダンスを目撃し、鮮烈な印象を抱いたことから創作された『D’apres une histoire vraie-本当にあった話から』を10月12日(土)~13日(日)に京都芸術劇場 春秋座にて上演。
2013年にアヴィニョン演劇祭で初演され、以後、世界中で上演されている本作をお見逃しなく!
8人のダンサーとツインドラム 静謐からうねるような興奮へ──
半袖のシャツとデニムパンツ、裸足。薄暗い舞台にあらわれた8人の男たちは、静かなユニゾンから踊りをはじめる。ほどなくして2人のドラマーが彼らに合流する。ダンサーは、ふたりで、あるいは群れで同期しあい、かと思えば、ふと群れから外れたひとりにもなる。合流と離散、反復と展開は目まぐるしくも緊密に組み立てられていて、ひとときも目を離す隙がない。そして、端正な構成の中にありながら、彼らの身体はふつふつと熱を帯び、興奮が脈打ち――。
クリスチャン・リゾーは、舞台芸術のみならず、造形美術、音楽、ファッションなど幅広い分野に通じ、マルチな才能を発揮してヨーロッパのアートシーンを牽引してきた。現在はICI-CCN(モンペリエ国立振付センター)を芸術監督として指揮する、ヨーロッパのコンテンポラリーダンス界の重鎮だ。
2013年にアヴィニョン演劇祭で初演された本作の原点は、そのまた更に10年ほど前、リゾーがイスタンブールで男性の踊り手たちによるダンスを目撃し、鮮烈な印象を抱いたことに遡る。あるダンスが、時を隔てて別のダンスの誕生を促していく。
連綿と続いてきたダンスという営みの一瞬間を、わたしたちも目撃する。
コンセプト・振付・舞台美術・衣装デザイン
Christian Rizzo(クリスチャン・リゾー)について
造形美術家、デザイナー、ミュージシャン、振付家、舞台美術家、オペラの演出家などマルチな才能を持つアーティスト。
クリスチャン・リゾーはロックバンドを結成し、ファッションブランドを立ち上げるなど、トゥールーズでアーティストとしてキャリアをスタート。その後、ニースのヴィラ・アルソン国立高等芸術学校でビジュアル・アートを学ぶ。
1996年にアソシアシオン・フラジルを設立し、オペラ、ファッション、ビジュアル・アートなどのプロジェクトとともにパフォーマンスやダンスなど40以上の作品を発表。
フランス国内外の美術・ダンス専門教育機関で教鞭をとる。2015 年よりモンペリエ国立振付センター(ICI-CCN)の芸術監督を務める。
抽象性からフィクションが生まれる物語において、身体と空間の間の柔軟性と緊張関係を表現すべく探求している。
2004年、イスタンブール。
パフォーマンスを見終えて劇場の外に出たら、どこからともなく男たちの集団が現れ、ごく短い民族舞踊を踊って、すぐさま消えていった。
(中略)
私を圧倒したのは、その踊りだったのか、彼らが立ち去った後の空虚だったのか。
おぼろげではあるが、このときの感覚はずっと、私の中に固定されたままである。
クリスチャン・リゾー(2013年)
◆公演のみどころ
Ⅰ. ヨーロッパのコンテンポラリーダンス界の重鎮であるクリスチャン・リゾーの代表作!
日本では、2003年『いいんじゃない?「ボディ・ビル」「ハデハデ」「ゴチャマゼ」いろいろあって…』、2004年『ポリエステル100%踊る物体』、2014年『抉られるのは守っている方の目だ』などユニークかつコンセプチュアルな作品を発表してきたクリスチャン・リゾー。世界中で上演されているリゾーの代表作を日本初演にて紹介します。
Ⅱ. アヴィニヨン演劇祭(2013年、フランス)の始まりを彩り、毎晩毎晩スタンドを歓喜の渦に巻き込んだ民族舞踊とコンテンポラリーダンスを融合させた力強いハイブリッドダンス
足を踏み鳴らす、手を挙げる、回旋する、といった地中海沿岸の伝統的な踊りをルーツにする民間伝承的な型が、コンテンポラリーな動きと混ぜ合わされ、「伝統的」と「現代的」というカテゴリーにとらわれない形式として、リゾーがトルコでみた光景のエネルギーが舞台化。
足で床を叩き、両腕を天に掲げ、骨盤をうねらせ、体を回転させながら、男らしさ、儚さ、連帯感を特徴とする躍動的なダンスのパターン、明確な構成のリズムでの鼓動、フォークロアとトライバル・ロックのはざまで打ち鳴らされる2つのドラムが、観る者の心を楽しく揺さぶります。
Ⅲ. 共生するダンス ― 共に存在し一緒に踊るという古代の喜びに深く根ざした現代のための作品
ダンサーたちは人間の鎖を作り、肩に手を置き、より緊密な輪を作る。一緒になっていくつかのステップを踏み、ダンスへと発展していく。
ミニマルで反復的、そして集団で行われる伝統舞踊は、同じモチーフ、同じ衝動を共有しており、その、男らしさ、儚さ、連帯感を特徴とするダンスの空間は、個人主義が往々にして不動につながる世界において、他者を探し求める緊急の必要性を見る者に確信させます。
◆舞台評
――伝統的な民族舞踊の所作、動作の裡に新たなダンスへの萌芽を掴み取り、生き生きとした動きが舞台を埋め尽くしてゆく。それはあたかもひとつのミュニティが生成される過程を見ているようである。
(ル・モンド紙/2013年)
――結局のところ、この“群れをなす男たち”のダンスには稀に見る優しさがある。互いに手を取り合い子供のように無邪気に想像上のトライバルなダンスを踊るのだ。
(レゼコー/2013年)
――『D’après une histoire vraie』は間違いなくクリスチャン・リゾーの傑作である。
2013年のアヴィニヨン・フェスティバルでの初演から、世界中の都市でツアーを続け大成功を収めている。本作で振付家は、わたしたち人間のDNAに共通に刻まれた、肉体の奥底から湧き出る身振りの根幹に踏み込んだ。
(テレラマ誌/2017年)
◆公演概要
Christian Rizzo(クリスチャン・リゾー)
『D’apres une histoire vraie-本当にあった話から』[日本初演]
【日程/会場】
2024年 10月12日(土)、13日(日)
京都芸術劇場 春秋座 (京都芸術大学内)
※両日とも19:00開演
※13日(日)はポスト・パフォーマンストーク有
★埼玉公演あり
2024年 10月19日(土) 19:00開演、20日(日) 15:00開演
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール >https://www.saf.or.jp/
【チケット料金】
一般:4,500円
京都芸術劇場友の会:4,000円
学生&ユース:3,000円
高校生以下:1,000円
ペア:8,500円
※ペアチケット、フリーパス、3演目券等は、8月9日(金)の一般発売日より〈KYOTO EXPERIMENTチケットセンター〉にて取扱い
【コンセプト・振付・舞台美術・衣装デザイン】
クリスチャン・リゾー
【出演】
ユネス・アブラクル
ファビアン・アルマキエヴィッチ
ヤイヤ・バへリ
マッシモ・フスコ
べップ・ガヒング
ケレム・シュレベック
フィリプ・ロウレンソ
ホベフト・マルティネス
《演奏(ドラム)》
ディディエ・アンバクト&キングQ4
【助成】
文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(国際芸術交流))|独立行政法人日本芸術文化振興会
笹川日仏財団
【主催】
KYOTO EXPERIMENT
ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ & アーペル
京都芸術大学 舞台芸術研究センター
【お問合せ】
学校法人瓜生山学園 京都芸術大学 舞台芸術研究センター
〒606-8271 京都市左京区北白川瓜生山 2-116
TEL:075-791-9207
FAX:075-791-9438
URL:https://k-pac.org
★公演・チケットの詳細、京都芸術劇場(Studio21・春秋座)について等は以下公式よりご確認ください。
KYOTO EXPERIMENT ウェブサイト
http://kyoto-ex.jp
京都芸術劇場(Studio21・春秋座)
https://k-pac.org/
◆関連企画 - ダンスワークショップ
空間認識と他者の身体に焦点を当てながら、共生するダンスにおけるグループ即興を探求するワークショップを開催します。
日時:10月13日(日) 10:00~12:00(約2時間)
会場:京都芸術大学 春秋座
※詳細・予約方法は劇場ウェブサイトをご確認下さい。