3人の劇作家が「ひとりの女性」を見つめて紡ぎ出す新たな劇世界。
今秋 劇壇ガルバがおくる、いまを生きる誰しもの心に響く物語。
劇壇ガルバ 第6回公演『ミネムラさん』が2024年9月13日(金)~9月23日(月・祝)、シアタートップス(東京・新宿)にて上演決定!
新進気鋭の3名の劇作家が、舞台・映画・ドラマと幅広いジャンルで活躍する実力派女優・峯村リエと向き合い、ひとりの女性が少女から大人、そして老婆へ、うつろいながらも生きる姿を描き出します。
これは想像、夢、それとも現実なのか・・・。
劇壇ガルバの実験プロジェクトから生まれた新たな劇世界に、どうぞご期待ください。
◆『ミネムラさん』企画意図
第4回公演『錆色の木馬』では、新国立劇場×ロイヤルコートシアター(イギリス)が共同で開催した劇作家ワークショップにヒントを得て、作家の初稿を元に、劇作家が演出家や俳優たちとワークショップを実施しながら作品を完成させていった。
今作はこのメソッドを更に発展させ、3名の劇作家を起用。劇作家同士も、それぞれの作品のワークショップに参加しながら、新たな物語を一緒に紡いでいくという試み。
『錆色の木馬』では、「老人とアイデンティティ」をテーマに、ひとりの男性を通してこのテーマを
掘り下げた。これは、高齢化社会において、過去の自分と退化する現実の自分が交錯し、居場所を失
い、アイデンティティの喪失感を味わうという、現代日本の普遍的なテーマである。
今作でもそのテーマを継続しつつ、3人の作家が取り組むのは「ひとりの女性」。
少女から老婆になるまでの期間、多面的な役割を担う女性特有の葛藤を、3人の作家の視点で描き、
ひとりの演出家が束ね直し構築。
観客が、老若男女問わず、そのどこかに自分を重ね合わせてしまう、抽象的な肖像画のような世界を描き出す。
◆コメント
山崎 一(やまざき・はじめ) 【劇壇ガルバ主宰/出演】
劇壇ガルバ、第6回公演は、実験プロジェクトの第2弾である。
今回は、3名の劇作家がひとつのテーマのもとにそれぞれ物語を書き起こし、ひとりの演出家が束ね、ひとりの主演が演じることを試みる。テーマは、「女性」。
前回は、「老人とアイデンティティ」をテーマにひとりの男を通して物語を紡いだが、今回は女性である。名前は「ミネムラさん」という。
3名の劇作家が、「ミネムラさん」を描く。それを峯村リエという女優が演じてくれるが、実在の彼女と関係があるのか、といえば、たぶんない。いや、あるかもしれない。
我々はどんなミネムラさんを目撃することになるだろうか。おそらく、ひとりの女性の複雑で豊かなさまざまな側面に、誰もがどこか自分に重ね合わせてしまうような瞬間がたちのぼるのでは、と想定している。
峯村リエ(みねむら・りえ)【俳優/出演】
皆さんこんにちは。峯村リエです。
このお芝居の題名と同じ苗字の峯村リエです。けれど皆さん、このお芝居、「女の一生」の様に「ミネムラリエの一生」を描くわけではありませんからね。
でもね、皆さん。きっとお芝居を観ていてハッとする事でしょうよ。
だって、皆さんは必ず会った事があるんですもの。街角に佇んでいる「ミネムラさん」、お母さ
んの中にいる「ミネムラさん」、友人の中にいる「ミネムラさん」。
いないと思っていてもどこかに必ず「ミネムラさん」はいて、皆さんと一緒に人生を歩んでいる
んですよ。そんな「ミネムラさん」を峯村リエは頑張って演じます!!
作:笠木 泉(かさぎ・いづみ)
【劇作家/演出家/俳優/演劇ユニット「スヌーヌー」主宰】
連帯して、描く。全く別の物語に、作家三人の心が寄り添っている。全く別の手が、一人の女性を想像する。それぞれの「ミネムラさん」を想像する。やがてお互いの「ミネムラさん」は拡張する。そして三人の「ミネムラさん」は越境する。我々の手を離れ、飛んでいく。その姿は果たして「一人の女性」なのだろうか。
峯村リエさんの声、身体、言葉、笑顔、背中、時間とともにある「ミネムラさん」。心の中の「ミネムラさん」の声を聞き、会話すること。寄り添うこと。連帯すること。それが、この演劇の(もしくはそれぞれの人生の)、ささやかだけど、実は圧倒的希望だと思っている。
孤独になったら、電話をください。壁を叩いて、合図をください。そのような創作です。「一人の女性」の確かなる幽けき存在と時間を、三人で大切に書き進めています。どんな演劇になるのでしょうか。自分でも楽しみです。
作:細川洋平(ほそかわ・ようへい)
【劇作家/演出家/俳優/演劇カンパニー「ほろびて」主宰)
はじめさんからびっくりするようなお題をいただきました。「ミネムラさん」を三人が描く。
ミネムラさん? ミ・ネムラさんかな。ミネ・ムラさんかな。何人くらいいるのかな。えっ。峯村リエさん御本人?
いやどうでしょう。「ミネムラさん」。ぼくは「ミネムラさん」をどのように見ているのでしょう。他の人はどんなふうに見ているのでしょう。そんなことを考えながら、ぼくはぼくなりの必死さで「ミネムラさん」を書いてみました。あとは皆さまに託します。
作:山崎元晴(やまざき・もとはる)
【劇作家/演出家/劇団「人生旅行」主宰】
一人の俳優を想定して書く、このことが作家にどのような作用を及ぼすのかを考えています。三人が思い描いた「ミネムラさん」は、それぞれ全く違う存在でありながら、どことなく共通するイメージが重なり合っていました。
主人公は深い孤独の中にあり、もう一人の自分と向き合いながら、新たな世界に向けて一歩踏み出そうとしている女性の姿です。
深く掘り下げた結果、同じ源泉に辿り着いたということかもしれません。
もしくはこれが、”1 人の人物に当て書きする”ということの成果なのかもしれません。
共に創作する作家の声、演出家や俳優の声、また登場人物である「ミネムラさん」の声に耳を傾け、一つの作品を立ち上げていきます。どんな舞台になるのか今から楽しみでなりません。
演出:西本由香(にしもと・ゆか)
【演出家/文学座】
三人の作家との共同作業、大変そうだとも思いましたが、それ以上にワクワクしました。それぞれの作家から最初のプロットを受け取った時、その個性の違いに刺激されました。私にとっては初めての試みですが、ひとつの対象を多角的に見つめることで、一人では見つけられないものが見えてくると実感しています。
笠木泉さんの言葉がもつ詩と、細川洋平さんの台詞が醸し出す緩やかなユーモア、山崎元晴さんが構築する精密な劇世界、これらの個性を最大限に活かすべく、気を引き締めて準備を進めています。道のりは平坦ではないかもしれませんが、決して孤独ではない、楽しい道中です。
時空が歪むような、演劇の醍醐味を体感できる作品にしたいと思っています。
◆劇壇ガルバとは
2018年11月、俳優・山崎一により旗揚げ。キャスト、スタッフが能動的に関われる活動を目指し、山崎が信頼する俳優やスタッフをつど招集、また、オーディションにより新しい世代も加えて活動する演劇集団。
旗揚げ公演『森から来たカーニバル』(駅前劇場)では、高橋惠子、高田聖子、大石継太らの出演で話題を呼ぶ。
2020年7月の第2回公演はコロナ禍により中止、代替企画として大石継太、高田聖子らと、別役実作『門』を生配信。
第3回公演は、吉祥寺シアターにて、アーサー・ミラー作『THE PRICE』を髙田曜子の新訳(第15回小田島雄志翻訳戯曲賞・受賞対象作品)、桐山知也演出で上演(2022年 1月)。約60年前に書かれた戯曲を現代社会に鮮やかに蘇らせた。
第4回公演は実験プロジェクトとして初の新作『錆色の木馬』を上演(2022年 11月)。劇作家・山崎元晴と演出家・西本由香(文学座)ら若手を中心にワークショップを重ねて戯曲を作り上げ、1公演・40人の小規模な会場 SCOOL(三鷹)で上演。初日前に全公演が完売。
第5回公演は2023年11月、東京芸術劇場シアターウエストにて『砂の国の遠い声』(作・宮沢章夫、演出・笠木泉)を上演。1994年の初演以来30年ぶりの上演が話題となった。ゲストによるトークショーも実施、宮沢作品を次世代に伝える意義のある公演となった。
◆公演概要
劇壇ガルバ 第6回公演
『ミネムラさん』
【作】 笠木 泉・細川洋平・山崎元晴
【演出】西本由香(文学座)
【出演】
峯村リエ 大石継太 上村 聡
森谷ふみ 安澤千草 山崎 一
【日程/会場】
2024年 9月13日(金)~9月23日(月・祝)
新宿シアタートップス[東京都新宿区新宿3-20-8]
【チケット】
●前半割:6,000円(当日券:6,500円)
◆中間割:6,500円(当日券:7,000円)
★一般:7,000円(当日券:7,500円)
《全席指定・税込》
・U25チケット(25歳以下):3,500円
・学生チケット:2,500円
※劇壇ガルバでのみ取扱い(全日程共通・当日要証明書・枚数制限・要予約)
先行発売日 : 2024年 6月22日(土) 10:00~
一般発売日 : 2024年 7月6日(土) 10:00~
【劇団公式】
HP:https://gekidangalba.studio.site/
X(旧 Twitter):@gekidangalba
【お問合せ:劇壇ガルバ】
MAIL:gekidangalba2018@gmail.com
TEL:070-4800-3467(10:00~19:00)