ONEOR8「ママごと」が2026年1月21日(水)~27日(火)まで新宿紀伊國屋ホールにて上演される。
田村孝裕が劇団テアトルエコーに書き下ろし、本来であればコロナの緊急事態宣言前に上演予定だった作品だが、公演延期を余儀なくされ、初演は2022年4月。当時、かなりの高評価を得た作品だ。
浮気、不倫、略奪愛――さまざまな“秘め事”を抱える4人の母親と、その狭間で揺れる人々を描く人間ドラマ。
舞台は都内の高級料理店。若い二人の結納の席に集まったのは、夫を亡くし息子を女手ひとつで育てた母、羽振りのいい経営者一家、そして突如現れた生みの母。
本音と建前が交錯し、母たちの思惑がぶつかり合う中、家族のかたちと愛の行方が鮮やかに浮かび上がる。
出演は、ドラマや舞台で存在感を放つ福田沙紀、子役時代から活躍し確かな演技力を誇る須賀健太、そしてベテラン俳優として劇団を牽引する劇団東京ヴォードヴィルショーの佐藤B作。他、実力派キャストが織りなす熱演が、観る者の心に深く迫る。
笑いと緊張、愛と矛盾――人間模様の奥底に潜む“真実”を描いたONEOR8渾身の舞台。
東京公演の後、北海道から鹿児島までの地方公演も予定している。
★作・演出 田村孝裕 コメント★
「ママごと」は結納の席に4人の母親が奇しくも顔を揃えたことから始まる、ふた家族のてんやわんや
を描いた物語。その母親の一人を劇団員の冨田直美が演じます。
劇団創立29年。これまでは娘息子目線の物語が多かったのですが、ようやく親世代の葛藤も描ける。
劇団員が親として説得力のある年齢になるこの瞬間を、私はずっと待ち焦がれていました。
劇場も、これまた待ち焦がれていた紀伊國屋ホール。
強力な客演陣の力を借り、ONEOR8らしい濃密な家族劇をお届けします。
あらすじ
都内の高級料理店。拓実とはなの結納という名の食事会である。若い二人には手の届きそうもない店だが、拓実の叔母である由紀子が強引に予約してしまったらしい。拓実の母美佐枝は夫と死別し、貧しくも拓実を女手一つで育てた苦労人、高級店の雰囲気に落ち着かない様子。反対にこなれた様子でいるはなの父嘉郎、会社経営者で羽振りもいい。妻の幸は継母だが、愛情一杯はなを育ててくれた。食事会が始まろうとした矢先、一人の女が現れる。それははなの生みの親あゆみ。店の従業員を巻き込んで、美佐枝と由紀子、あゆみと幸、4 人の母親の思惑がぶつかる。ママごと、それぞれの本心と本音…。
ONEOR8とは
ONEOR8(ワンオアエイト)は、田村孝裕、恩田隆一、和田ひろこ、野本光一郎、冨田直美、伊藤俊輔、山口森広の計7名で構成される劇団。1997 年(平成9年)に池袋の専門学校舞台芸術学院の演劇部本科の卒業の際に旗揚げ。
2003 年に初の新宿THEATER TOPS に進出。自転車店、中華料理屋、幼稚園の職員室など、ありふれた日常的空間を舞台に、登場人物の多くは地味でどこか弱さのあるキャラクターで、普段は目を向けられることの少ない者や弱き者を打ち消すことなくたとえほとんどセリフのない役であっても、その内面の本質を見つめることを忘れない作風で高い評価を得ている。
時にやさしく、時にあらわに、時に笑いをもって人間を描写し切なさややるせなさといった感情を紡ぎ出す会話劇は、その独特で柔らかな空気で客席を包み込む。現代の人間が持つ“狂気”や“影”の内面の部分もクローズアップしながら「家族」や「仲間」などの在り方や存在意義を描いている。
【公演概要】
ONEOR8「ママごと」
■作・演出:田村孝裕
■出演:福田沙紀、須賀健太/恩田隆一、冨田直美、山口森広/重田千穂子、安達忍、岡のりこ、関口アナン、小口ふみか/佐藤B作
■公演日程・会場
2026 年
東京公演/1月21日(水)~27日(火) 新宿紀伊國屋ホール
松本公演/1月31日(土) まつもと市民芸術館小ホール
大阪公演/2月6日(金)~8日(日) ABCホール
大空公演/2月11日(水・祝) 大空町教育文化会館
士別公演/2月13日(金) あさひサンライズホール
湧別公演/2月15日(日) 湧別町文化センターさざ波
深川公演/2月17日(火) 深川市文化交流ホール
北広島公演/2月18日(水) 北広島市芸術文化ホール
能登公演/2月22日(日)~23日(月・祝) 能登演劇堂
倉敷公演/2月25日(水) 倉敷市芸文館
鹿児島公演/3月9日(月) 鹿児島県文化センター 宝山ホール