【稽古場レポート】きょうだけゆるして製作委員会 「インタクト」

<strong>【稽古場レポート】きょうだけゆるして製作委員会 「インタクト」</strong>

板橋廉平プロデュース、きょうだけゆるして製作委員会旗揚げ公演「インタクト」が23年1月7日(土)〜1月9日(祝月)に赤坂RED/THEATERにて上演される。

これは私たち家族の物語

今回の作品は、一人で暮らす順二(板橋廉平)がALSという難病になることで自ら死を選ぼうとするところから物語が始まる。

しかし死ぬことはできず、徐々に力が入らず出来ないことが増えていく中、消極的安楽死(尊厳死)を選択すべく尊厳死宣言書にサインをもらうために、順二が若い頃に家族を捨てて出ていった父親の寛(ダンカン)に見るかどうかわからないメールを送る。

寛と連絡がつかないまま2ヶ月がたち、息子の修太(三嶋健太)にサインを書いてもらうこととする。

そんな時、借金の取り立てから逃げてきた寛が突然帰ってきて、修太の妻、理恵(土路生優里)も混ざり、はちゃめちゃな生活が始まろうとしていた。

<稽古場レポート>

稽古場はいつも笑いに包まれている。作品は「家族」や「安楽死」がテーマであるが空気は重くならず、むしろ休憩中、キャストそれぞれが台本と向き合い「何か面白いこと出来ないか」と常に頭を働かせている。

特に作品前半はコメディに振り切っている。

脚本演出の佐藤慎哉(劇団アナログスイッチ主宰)の細かな、かつキャラクター性を活かした笑いは今作の重要なポイントでもある。寛役を演じるダンカンが面白いのは言うまでもないが、修太役を演じる三嶋健太、そしてその妻・理恵役を演じる土路生優里もそれぞれダンカンの受け手として見事に立ち回っている。

一方後半のシリアスなシーンでは毎度熱がこもっている。

「家族」というある種厄介な関係性の中でぶつかっていくそれぞれの思いや葛藤が、ひりひりと伝わってくる。

前半の笑いのシーンが成立しているからこそ、後半のシリアスがより生きてくる。

今回の物語は約1年の期間を描いている。ALSを患う順二(演:板橋廉平)の症状が進行していくにつれ、「家族」に現実を突きつけていく。「家族」が抱える些細なストレスの積み重ねをそれぞれのキャストが慎重に丁寧に演じているのは後半のシーンの見どころの一つでもある。

そしてエンディングに向かって寛(ダンカン)と順二(板橋廉平)の素直に親子の愛を表現しているシーンは、二人の役者の真骨頂が発揮され、何度見ても心に響く。

稽古中、何度も感情を揺さぶられながらも、キャストは楽しそうにまた真摯に台本と向き合っている。

<出演者コメント>

■ダンカン

不思議なのは、今まで色々やってきた中で、セリフが多いと覚えない訳にはいかないから、次の日「やだなぁ」とか「覚えなきゃな」とか思ってたけど、今回は「明日またこのセリフたちに会えるんだ」という気持ちになる。いいセリフっていうかね、物語がすごくいいと思う。セリフ長いのはイヤだけどね。イヤだけど、手を取り足を取り一緒にそのセリフとやっていこうね、という気持ちになるような物語のセリフ。だから今は全然苦になってないよ。

■三嶋健太

最初と最後のシーンで空気というか、舞台上の世界が変わるなと思っていて、どう変わるかはみてる人それぞれ違うと思うんですけど、そこで何かが変わったということが伝わるようにしっかり演じたいなと思ってます。感動させたいとかじゃなくて、そこの世界の人たちをみてほしいな、知ってほしいなと。

■土路生優里

ストーリーテラーみたいな役割があるので、私のお芝居で舞台が台無しにならないように、頑張んなきゃなと思ってます。今回の舞台は他の出演者一人一人と関わるシーンがあるので、役でもそうだし、稽古中とかでも積極的に皆さんとコミュニケーションをとって、家族っぽくなれたらなと思います。

■板橋廉平

演じる上で順二の人生というものを無視しちゃいけないなと思ってます。今回、ALSという実際にある病気で症例とか読んだりALS協会の方にお話を聞いて取り組んでるんですが、でも難病があるからじゃなくて、順二という人間に難病があるという、そういう考え方で取り組みたいと思っています。この順二が決断するまでどれだけの苦しみがあったんだろうとそういうことを表現できたらいいなと思っています。

きょうだけゆるして製作委員会『インタクト』

公演期間:2023年1月7日 (土) ~2023年1月9日 (月・祝)
1月7日(土) 19:00
1月8日(日) 14:00 / 19:00
1月9日(月・祝) 13:00 / 17:00

会場:赤坂RED/THEATER(東京都港区赤坂3-10-9赤坂グランベルホテルB2F)

出演者
池田 寛 役:ダンカン
松原修太 役:三嶋健太(みしま けんた)
松原理恵 役:土路生優里(とろぶ ゆり)
池田順二 役:板橋廉平(いたはし れんぺい)

スタッフ
脚本・演出 :佐藤慎哉
プロデュース:板橋廉平、實川美千代
企画制作  :きょうだけゆるして製作委員会

チケット料金
全席指定:6,000円(税込)
チケット取扱:カンフェティ http://confetti-web.com/intact

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