キャンディプロジェクトの近代文学翻案シリーズの第六弾「星の王子とうたかたの日々」が6月29日(水)より池袋シアターグリーン BOX in BOX THEATERで開幕する。
1940年代に発表された二つのフランス文学を下敷きに、「恋愛」をテーマとした群像劇を立ち上げます。
『うたかたの日々』は、早熟の鬼才、ボリス・ヴィアンによって書かれた幻想的な世界観が魅力の恋愛文学で、日本での人気も高い作品です。岡崎京子による漫画化、ミシェル・ゴンドリーによる映画化など、ジャンルをまたいで多くのアーティストに愛されてきました。
『星の王子さま』は、サン=テグジュペリによる説明不要の世界的人気作です。児童文学にも通ずる普遍性を抱えた本作ですが、子供の目を通して世界の本質を焙り出そうという試みにより、諧謔に富み、「愛」や「生きること」への探求がテーマに据えられています。
本作は『うたかたの日々』のストーリーラインをベースに、その世界に星の王子が迷い込むという構造をとります。仲の良い薔薇の少女と喧嘩をしてしまい星を飛び出した王子は、「本当の愛を見つける」まで帰ることができません。登場人物たちの恋愛模様を王子が観察する中で物語は進行していきます。
『うたかたの日々』は悲恋としての結末を迎えますが、そこに『星の王子さま』のエッセンスを加えることにより、一抹の希望を輝かせたいと考えています。
ヴィアンはトランペット奏者としても活躍しましたが、本作でも音楽は物語に根差し、文学でありながら美しい音に溢れています。「ブンガク×オンガク」を掲げ、生演奏や歌唱を核に据えてきたキャンディプロジェクトとも相性がよい作品であります。
あらすじ
小さな星で、王子は薔薇の少女と暮らしている。
二人きりの生活。繰り返される日々。
ある日、二人は喧嘩をした。
へそを曲げる王子に、薔薇は問う。
王子は本物のレンアイを知っているのか、と。
幼き衝動のままに星を飛び出した王子は、ワームホールをくぐり抜け、美しい青年の家へとたどりつく。彼と友人たちのきらきら眩しい恋愛模様を目の当たりにし、王子は思った。
――この人たちと一緒にいれば、きっと本物のレンアイが分かるはずだ。
そして、季節は廻る。
泡のように生まれては消えゆく日々が見せるのは、甘さと苦さと儚さだった。
キャンディプロジェクトとは
キャンディプロジェクトは「ブンガク×オンガク」をテーマに舞台作品を発表しています。
「言葉にし得ない何か」を、言葉によって表現しようとした「文学」、言葉以外で表現しようとした「音楽」。その二つを掛け合わせることによって立体的に見えてくる「人間」を描きたい。
主宰キャンディ江口を中心に、そのような挑戦を続けています。
公演概要
【日程】
6/29(水) 【B】19:00~
6/30(木) 【B】15:30~/【A】19:00~
7/1(金) 【A】15:30~/【B】19:00~
7/2(土) 【A】12:00~/【B】15:30~/【A】19:00~
7/3(日) 【B】12:00~/【A】15:30~
※【A・星組】【B・薔薇組】によるダブルキャスト公演になります。
※開場は開演の30分前
※全席自由席
※必ずマスクを着用してご来場ください。
※その他、感染症対策の詳細は改めて公開いたします。
【劇場】
池袋シアターグリーン BOX in BOX THEATER
※JR池袋駅より徒歩7分 [アクセス]
【チケット】
前売/当日:4,000円
【出演者】
《A・星組》
安藤悠馬
いろは
小椋かえ
花奏和音
JIN
鷹箸直幸(広域指定演劇団総武会)
橘 栞可
竜木みちる(かえりたいproject.)
タロー(ニガムシカミツブス)
寺嶋信也
仲居凜
丹生良彬
汀(チリアクターズ)
山田愛莉(劇団みつどもえ)
《B・薔薇組》
安藤紫緒
岩崎真美(スターダス・21カンパニー)
内野友満
大塚紘子
Seina
大休寺一磨(劇団昴)
田邊洋介
生田目紗希(プロダクション・エース)
のい
フー
福尾健人
伏見翔
まついゆか
松山セイウチ(MNN)
歌:えぐちゆきこ
【スタッフ】
総演出:キャンディ江口
演出:大田雄史(芝熊)、加藤将隆、tio
舞台美術・監督:渡辺純平(JAS)
照明:南条真沙代
音響:鷹取滉平
振付:蜂谷佳純(team.ごせんぷ)
衣裳:平石愛(team.ごせんぷ)
小道具:秋林彩(Nichecraft)、仲居凜、内野友満
宣伝美術:佐藤莉子
制作:蜂谷佳純(team.ごせんぷ)
原作:サン=テグジュペリ『星の王子さま』/ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』
翻案・脚本・演出:キャンディ江口
助演出:大田雄史(芝熊)ほか
主催:キャンディプロジェクト