2025年7月24日(木)~30日(水)に下北沢・シアター711にて上演された
劇団ハイワイヤの第2回公演『墓場までのかえりみち、ゆりかごからブランコ
へ。』 の舞台映像を、このたびカンフェティにて期間限定配信することが決定い
たしました。
劇団ハイワイヤは、2023年6月に第一回公演『トラ』(作・演出:高畑裕太)を
上演。「イジメ」や「幼少期の家庭環境」など、個々の記憶や人生のルーツに深
く切り込む内容で盛況にて閉幕しました。本作となる第二回公演では、前作とは
異なるテーマと構成で、さらなる挑戦を見せています。
本作は、介護従事者としての実体験をもとに主宰・高畑裕太が書き下ろした完全
新作となります。現代社会で多くの人が抱える「疲れ」、そして避けられない
「老い」と「死」を、家族介護を軸に静かに描き出す群像劇として評価を集めま
した。
劇場でしか体験できなかった濃密な時間を、より多くの方に届けるため、今回の
配信が実現しました。ぜひこの機会にご自宅で作品世界をお楽しみください。


■あらすじ
都内企業で働くタナカは、日々の仕事や、人間関係に激しく疲弊していた。
そんな中、故郷に一人残してきた母親がレビー小体型認知症を発症したという知らせが入る。
数年振りに母と再会したタナカは自身の肉親に訪れた「老い」を直視出来ないまま東京に戻る。
母の介護、職場での人間関係、恋人との未来。
目まぐるしく襲いかかってくる現実にタナカの心はどんどん削られていった。
そしてとある日ついにタナカの精神は限界を迎えて、勤務中に重大な事故を起こしてしまう。
その後離職を余儀なくされたタナカは故郷に帰って、認知症の母と二人で暮らすようになる。
※レビー小体型認知症は、「レビー小体」と呼ばれるたんぱく質が脳に蓄積することで発症する認知症。実際にはいないものが見えたり、聴こえたりする「幻視」(人や動物・虫、また「小人」など))や「幻聴」のほか、パーキンソン症状、睡眠障害などを併発する。アルツハイマー型認知症や血管性認知症と並ぶ「三大認知症」のひとつで、日本においてはアルツハイマー型認知症に次いで 2 番目に多い認知症とな
る。また当症例の余命は、個人差はあるものの一般的に診断されてから 5~7年、または 10 年未満とされている。
■作品概要
タイトル:劇団ハイワイヤ第二回公演
『墓場までのかえりみち、ゆりかごからブランコへ。』
作・演出:高畑裕太
上演期間:2025年7月24日(木)~7月30日(水)
会場:下北沢シアター711
■出演
薄平広樹 / 大河日氣 / 大竹このみ(贅沢貧乏)/
河合陽花(海ねこ症候群) / 中村さち / 福田航 /
藤本かえで / 佛淵和哉 / 松尾望
■配信情報
視聴券 :2,500円(税込)
販売期間:2025年12月5日(金) 10:00~12月31日(火)19:59
★お支払い完了後[視聴URL]よりご視聴ください。
配信期間:2025年12月5日(金) 10:00~12月31日(火) 23:59
〈販売URL〉
https://confetti-web.com/@/hakaba_streaming
〈予告映像〉
ハイワイヤ公式サイト:https://haiwaiya.jp/
■本作について (作・演出 高畑裕太)
この話の出発点は、⾃分が勤めていたデイサービスに通っていたとあるご利⽤者様のご家族にまつわるものでした。
簡単に⾔うと、⼀⼈で施設通いをしていた親を⼼配したお⼦さんが、仕事をやめて、住んでいたマンションも引き払って、結婚もこれからという時に、親と2⼈で暮らすことを選択した。というエピソードです。
当時の俺にとっては「そんな思い切ったことが出来るのか。」と、強烈なカルチャーショックを受けて、
そこに親⼦のドラマを感じていました。ただ実際にそうした⾃⼰犠牲の下、「家族介護」を始める⽅は多くて、当たり前だけど全ての⽅が割り切った気持ちで徹していられるわけではなかったように思えました。
お家までお迎えに上がった時に、この世のものとは思えない陰鬱な表情を浮かべて⽞関先に⽴ちすくんでいるご家族さんもいましたし、虐待や、責任放棄など、⾟い現実を⽬の当たりにした機会もありました。
そして⾃分も「介護⼠」として働いていたあの頃から気付いたら何年も経って、⽗も、⺟も、70歳を超えた辺りから、もうすぐ「当事者」になるんだろうな。という実感を強く持つようになりました。
なので、きっとそうした感覚も強く反映された作品になっているかと思います。
2025年を迎えて、超⾼齢化社会のしわ寄せを浴び続ける中で、果たしてどんな未来が待っているのだろう。
私たちの両親は死ぬ直前に何を想うのだろう。もしも認知症になった時に⼀体どんな景⾊を⾒て、
どんな⾵に⾃⾝の⼈⽣を振り返るのだろう──。
今作はそんな現代に⽣きる⼈々の「⽣活」や、それぞれの当事者にしか⾒えない「視点」を通して⼀つの物語を描きました。
そしてただただ、とにかく、とにかく、演劇としての豊かさに溢れていて、
現時点での⾃分⾃⾝のベストを尽くした⾯⽩い作品になれることを⽬指しました。
■ハイワイヤとは

2021年5月6日に俳優・高畑裕太主宰の劇団として旗揚げ。
以降、主宰・作・演出の高畑裕太を中心に、サポートスタッフの協力の下、活動、運営、企画考案を行う。
主に個人の体験をベースに、「社会の片隅で過ぎていく誰かの半生」を描く。
生きていく中で誰にでも生じる不条理、ストレス、孤独、愛など、人間の普遍的な感覚を呼び起こす作風は、観る者に強い没入感を与える。目に見える出来事のみにとらわれず、人間が無意識の中に抱えている世界観や、「日常」と「非日常」の狭間にある抽象空間を舞台上に表出することで、その時のカンパニーにしかできない新しい表現を追求し続けている。
作品を通して、観客の記憶に深く残り続ける瞬間を生み出すことを目標とする演劇団体である。
「ハイワイヤ」という名称は、高層ビル、峡谷、滝の間など、通常より高い場所にロープを張って行う綱渡り「ハイワイヤー・アクト(Highwire act)」から由来している。
◾高畑裕太 プロフィール
ハイワイヤ主宰・作・演出
俳優/ダンサー/東京演劇道場メンバー
1993年⽣まれ、東京都練⾺区出⾝。
2012年NHKドラマ『あっこと僕らが⽣きた夏』で俳優デビュー。
またその後、連続テレビ⼩説『まれ』出演以降、
NHKや⺠放の映像作品に多数出演する。
2016年以降に⻑期に渡る海外諸国への⼀⼈旅や、
特殊清掃、福祉・介護といった仕事に従事して、国内外の⽣活⽂化への知⾒を深める。
2021年「ハイワイヤ」結成。主宰・作・演出を務める。
俳優として他団体への客演のみならず、企画プロデュース、
作家、演出家として、様々な部⾨で表現活動の幅を拡げている。




