【PICKUP】『PSYCHOSIS(サイコシス)』

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今回は、2020年に月蝕歌劇団出身の森永理科を中心に高田ゆか、國崎馨が立ち上げたプロジェクト「PSYCHOSIS」(サイコシス)。

これまでに2021年「DGURA MAGRA-ドグラ・マグラ-」、2022年「TSUYAMA30-津山三十人殺し-」「G線上のアリア」を上演。いずれも劇団「月蝕歌劇団」の高取英による脚本作品を中心に上演してきたが、特筆すべきは会場に響き渡る高音質サウンドだ。これまでにEURO(SPEED-iD)、krishnablue、島村秀男らが楽曲提供を行い、ハードロック、ゴス、パンク、エレクトロとジャンルは作品の方向性でいかようにも変化していくが、PSYCHOSISという軸がブレることはなく、会場全体は常にダークでロマン溢れる幻想的な空気に包まれている。そして、出演者のメイクは異様に目の周りが黒い。白塗りでもなく耽美系でもない・・・!今までにあるようでなかったまさにオルタナ系の演劇だ!

-オルタナ系演劇部-

爆音×まばゆい光×あれやこれやで精神を掻き乱し、身体的な動きに加えコミック的演出や琴線に触れる演出要素を加える事によりエモーショナルで中毒性の高い作品を作り続けているPSYCHOSIS。目でも耳でも楽しめ、深く心に刺さること間違いない。


現在メンバーは、森永理科高田ゆか國崎馨小坂知子の4名。森永は所属していた月蝕歌劇団で早くから振付を担当し、高取英逝去後の月蝕歌劇団では演劇実験室◉万有引力のJ・A・シーザー監修の元、演出として開花、その後流山児★事務所の流山児祥の演出助手なども務め、演出家としての成長を見せている。PSYCHOISISでは演出の他、フライヤーやSNSに掲載する画像などのビジュアルデザインを全て手掛け、公演の配信をやる際はディレクションとして立ち、自身も動画を作成、使用楽曲の編集を行うなど、オールマイティーな才能を発揮している。そんな森永の作り出す世界観をより強固なものへと昇華させてゆくのが現在のメンバー高田ゆか、國崎馨、小坂知子である。各々の特技とアイデアを集結させ分担する事で、観客を魅了し、キャストからも愛される組織となっている。
演劇部を自称するのは國崎馨が言い出したのがそのまま定着した。特に深い意味はなく適度に適当なのもPSYCHOSISの魅力のひとつだ。

また、毎週土曜日にはYoutubeチャンネルにて「HAUS OF PSYCHOSIS」を配信。PSYCHOSISメンバーによるラジオ形式の動画となっており、活動報告などが主で作品ができていく過程を楽しめる。さらに、メンバーのほのぼのとした一面も垣間見える(むしろほぼ丸見え)ので、そのギャップに驚かされるだろう。

Youtubeチャンネル「HAUS OF PSYCHOSIS」

PSYCHOSISは本公演の他、リットーミュージックが楽器の街・御茶ノ水に開設した多目的スペースRITTOR BASEとのコラボレーション公演「PSYCHO AND ILL HAUS」も定期的に行なっている。
これは、小劇場ではまずあり得ない、立体的なイマーシヴサウンドで観客を没入させる音響特化の珍しい試みの公演である。

音楽と演劇のクロスオーバーを目指し、今後も継続していく取り組みだ。

PSYCHOSIS File:04 寺山修司没後40年記念認定事業『疫病流行記』

PSYCHOSIS 4作目は「疫病流行記」。1975年に寺山修司作・演出により演劇実験室「天井桟敷」が上演した作品で、海外でも上演され高い評価を得た作品だ。
寺山修司没後40年にあたる今年、PSYCHOSISがはじめて寺山修司の戯曲に挑戦する。PSYCHOSISによる寺山修司は以前より観客からの要望の声もあり、期待値は非常に高い。

本作では、音楽はロックバンドkrishnablue、絵には漫画「さよならも言わずに」の作者でもある上野顕太郎、舞台美術には深海洋燈、そして写真にはイマイトシヒロ、音響を田島誠治、照明を松田桂一が担当し、PSYCHOSISの世界を創出する。

主人公米男は小林由尚。その弟分麦男を中村つぐみ
女主人魔痢子に國崎馨、羅針盤売りを申大樹が担当し、個性溢れる面々が舞台を彩る。

PSYCHOSIS File:04 寺山修司没後40年記念認定事業『疫病流行記』

公演期間:2023年7月13日 (木) ~2023年7月18日 (火)
会場:ザムザ阿佐谷(東京都杉並区阿佐ヶ谷北2-12-21)

■出演者
森永理科
國崎馨
小坂知子
大島朋恵(りくろあれ)
辻真梨乃
中村つぐみ
南雲美香
小林夢二(少年王者舘)
申大樹(深海洋燈)
小林由尚(深海洋燈)
飯塚勝之(少年王者舘)
杉山しおん
ハラグチリサ(ぴぴすとれっろ)
楓怪髏子
木下紅葉(Voyantroupe)
乃々雅ゆう
三坂知絵子
※出演決まった順

■スタッフ
言葉:寺山修司
演出:森永理科
音楽:krishnablue
絵:上野顕太郎
音響:田島誠治(SoundGimmick)
照明:松田桂一
美術:深海洋燈
舞台監督:申大樹
映像:studioGIFT
写真:イマイトシヒロ
衣装:りくろあれ・くらしのアサすん
小道具:中村つぐみ・永野希
制作:高田ゆか(PSYCHOSIS)
演出助手:國崎馨(PSYCHOSIS)
MERCH:小坂知子(PSYCHOSIS)
劇場協力:ザムザ阿佐谷
企画・制作:PSYCHOSIS
協力:ポスターハリス・カンパニー/テラヤマ・ワールド

■公演スケジュール
2023年7月
13(木)19時
14(金)14時/19時
15(土)14時/19時
16(日) 14時/19時
17(月・祝)14時/19時
18(火)14時
※開場は、開演の30分前です。

■チケット料金
ADVANCE TICKET(一般前売り):4,300円
(全席自由・税込)

これまでの作品

PSYCHOSIS File:003 「G線上のアリア」(2022)
作 高取英 (月蝕版ベルサイユのばら G線上のアリア-フランス革命異聞-)より
演出 森永理科

PSYCHOSIS File:002 兇魔劇「TSUYAMA30-津山三十人殺し-」(2022)
作 高取英(「津山三十人殺し 幻視行」より)
演出 森永理科

幻魔怪奇劇「DGURA MAGRA―ドグラ・マグラ-」(2021)
作 夢野久作
脚本 高取英(ドグラ・マグラ月蝕版より)
演出 森永理科

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