黒澤明監督の不朽の名作を原作とした、ミュージカル『生きる』が再び上演される。2018年の初演、2020年の再演に引き続き今回が3度目の上演となる。初演から、主人公の渡辺勘治役を日本ミュージカル界のレジェンド、市村正親と鹿賀丈史が続投する。
本作は、1952年に黒澤明監督により発表された映画『生きる』をミュージカル化したもの。映画公開時はその非人間的な部分を痛烈に批判するとともに、生きることそのものの哲学をも示した名作である。
2018年初演時、感動的なラストシーンに劇場は涙で包まれることとなった。ミュージカルファンだけでなく、普段劇場に足を運ぶことのない男性が客席に多く見られ、話題作となり、日本のミュージカルの象徴ともなる。
さらに昨年はノーベル賞作家でもあるカズオ・イシグロの脚本により第2次世界大戦後のロンドンを舞台にリメイク、日本でも映画『生きる LIVING』として、今年春に公開され注目を改めて浴びることとなった。
ミュージカル版の演出を手掛けるのは宮本亞門。脚本と歌詞は、ディズニー映画の訳詞を手掛けるほか、劇団四季ミュージカル『バケモノの子』やミュージカル『COLOR』などのオリジナルミュージカルを次々と発表している高橋知伽江。作曲と編曲は、ブロードウェイで今年上演されたミュージカル『Paradise Square』の作曲で本年度のトニー賞優秀作曲賞にノミネートされた、作曲家、ジェイソン・ハウランドが手掛ける。
市村・鹿賀以外にも錚々たる出演陣が発表されている。2020年に勘治の息子・光男を好演した村井良大は続投となるが、メインキャストのほとんどが一新された。
物語の語り手として重要な役どころである小説家を平方元基・上原理生と所縁のある同士の2人がWキャストで演じる。主人公・渡辺勘治(市村正親・鹿賀丈史)と小説家(平方元基・上原理生)の組合せが変わるため、観劇する回によって見え方も感じ方も変わってくる。また、平方は2022年5月に休養のため芸能活動を休止、同年10月に復帰報告後のミュージカル出演となり、注目も増している。
小田切とよ役には、音楽座ミュージカルのヒロインを務めてきた高野菜々が挑む。音楽座ミュージカル以外の作品に出演するのはデビュー以来初となるためこちらも目が離せない。光男の妻・一枝に実咲凜音、ヤクザ組長には福井晶一、助役を名優・鶴見辰吾が演じる。初演から出演し、独特な存在感を放つ佐藤誓、重田千穂子が続投となっている。
市村、鹿賀はともに今年で役者生活50周年の節目の年となる。50年間積み重ねてきた彼らの生きざまを体感できるミュージカルになるだろう。チケットは絶賛発売中。
市村正親:渡辺勘治 役(ダブルキャスト)コメント
先日公開されたイギリスの映画「生きる」も拝見しました。そして、より一層ミュージカル『生きる』の素晴らしさに改めて気付き、演じられる喜びを感じました。
新たなメンバーと『生きる』という作品を作れるということが楽しみであり、喜びでもあります。
限りある人生、限りある命をどこまで輝かせられるかは、自分の意志です。
コロナ禍を経て、今でもまだまだコロナと戦っているその中で、生きている実感をさらに強く感じています。生きることへのエネルギーを持って作品に取り組みたいと思っています。
初演再演で好評を得て、今度はまた配役も役者も変わって、また新しい『生きる』が生まれるんじゃないかと思っています。ぜひお楽しみに。
鹿賀丈史:渡辺勘治 役(ダブルキャスト)コメント
再再演が決まり大変嬉しく思っています。
感染症も治まりつつありお客様にも安心してお運び頂けることに喜びもひとしおです。
『生きる』はシリアスなミュージカルです。
ミュージカルコメディとは一線を画す作品です。
それだけに難しさもあり、演じがいのある作品でもあります。
ここ数年で世界の情勢は大きく変わり、私たちも経験した事のない世の中になりました。
生きにくい時代になりました。この時に欠かせないのは心の栄養です。
生きるチカラを持ち帰って頂ければ、それ以上の喜びはありません。
今回キャストも変わり、また違った感動を皆様と共有出来ると確信しています。
演出:宮本亞門コメント
『生きる』を演出して、私自身、生きている今を大切に輝くものにしようと思いました。
コロナ禍を経て、生きる大変さや素晴らしさを感じた方も多いでしょう。そんなあなたに、この作品はミュージカルの枠を超え、人はいつになってもリセットができると背中を押してくれます。今回の再演は新たな素晴らしいキャストも参加して一段と深くなります。
ぜひ劇場に足をお運びください。必ずや今までにない体験、体感をお届けします。
各キャストビジュアル/コメント映像
ミュージカル『生きる』
<東京公演>
期間:2023年9月7日(木)~24日(日)
会場:新国立劇場 中劇場
■ステージセット解説イベント
【対象日程】9月11日(月)13:00
舞台の裏側を、舞台監督よりご紹介いたします。
※対象公演回のチケットをお持ちの皆様ご参加いただけます。
■アフタートークイベント
【対象日程】
・9月13日(水)18:00(登壇者:村井良大・平方元基)
・9月15日(金)13:00(登壇者:村井良大・上原理生)
※対象公演回のチケットをお持ちの皆様ご参加いただけます。
※登壇者は急遽変更になる場合もございます。
■キャスト:
渡辺勘治:市村正親/鹿賀丈史(ダブルキャスト)
渡辺光男:村井良大
小説家:平方元基/上原理生(ダブルキャスト)
小田切とよ:高野菜々(音楽座ミュージカル)
渡辺一枝:実咲凜音
組長:福井晶一
助役:鶴見辰吾
佐藤 誓
重田千穂子
田村良太
治田 敦、内田紳一郎、鎌田誠樹、齋藤桐人、高木裕和、松原剛志、森山大輔
あべこ、彩橋みゆ、飯野めぐみ、五十嵐可絵、河合篤子、隼海 惺、原 広実、森 加織
スウィング 齋藤信吾、 大倉杏菜
安立悠佑
■スタッフ:
原作:黒澤 明 監督作品 「生きる」(脚本:黒澤 明 橋本 忍 小國英雄)
作曲&編曲:ジェイソン・ハウランド
脚本&歌詞:高橋知伽江
演出:宮本亞門
美術:二村周作
照明:佐藤 啓
音響:山本浩一
衣装:宮本まさ江
ヘアメイク:小沼みどり
映像:上田大樹
振付:宮本亞門、前田清実
音楽監督補:鎭守めぐみ
指揮:森 亮平
歌唱指導 板垣辰治
稽古ピアノ兼音楽監督補助手:村井一帆
稽古ピアノ:安藤菜々子
演出助手:伴 眞里子
舞台監督:加藤 高
主催:ホリプロ/TBS/東宝/WOWOW
後援:TBSラジオ
特別協賛:大和ハウス工業
企画協力:黒澤プロダクション
企画制作:ホリプロ
■ストーリー:
定年を間近にした役所の市民課長、渡辺勘治。
早くに妻を亡くした彼は息子夫婦と同居しているが、心の距離は遠い。
そんなある日、渡辺は、自分が胃癌であり残りの命が長くないことを知る。
自暴自棄になった彼は、居酒屋で出会った売れない小説家と夜の街に繰り出し、人生を楽しもうと試みるが、心が満たされることはなかった。
翌朝、市民課で働く女性・小田切とよに偶然出会う。太陽のように明るい彼女に惹かれ、頻繁に誘うようになる渡辺は「残りの人生を、1日でいいから君のように生きたい」と本音を語る。そして、とよが何気なく伝えた言葉に心を動かされ、渡辺は人生をかけた決意をするのだった。
■来場者キャンペーン実施決定!
渡辺勘治&小説家コンプリートキャンペーン
東京公演期間中、渡辺勘治・小説家それぞれのダブルキャストをS席にてご観劇のお客様にシークレットムービーをプレゼント!
【対象出演者】
①渡辺勘治コンプリート:市村正親、鹿賀丈史
②小説家コンプリート:平方元基、上原理生
シークレットムービーは①と②それぞれ一つずつになります。
【対象席種】S席
【受取方法】劇場の特典引換所にて、コンプリート該当公演のチケット券面をご提示の上、お受け取りください。
※チケットに済印を押させていただきます。
※該当公演が中止の場合はチケット払い戻しをさせていただくとともに特典のお渡しはございません。