PaniCrew中野智行による原案・演出作品! 主演に元・超新星のソンモを迎え、音楽に生きる若者たちの絆を描く

 ダンスパフォーマンスグループ「PaniCrew」のメンバー・中野智行率いるBIGUPがプロデュースを手掛ける、MUSICAL『リフレインする君の声 ~encore 2023~』が1月に上演される。
 中野による原案・演出で、2021年4月にMUSICAL『アンコール』として初演。今作では主演に元・超新星のソンモを迎え、ビッグになることを夢見るボーカル・志音と難病を抱えるギタリスト・結弦を中心に、音楽を追求する奇跡の物語を描いていく。作品を代表して、ソンモと山田恭、松浦司、そして中野に意気込みを語ってもらった。

経験や感動、生きる力になったものを作品に残したい

―――まずは中野さんにお尋ねします。そもそもこの作品が生まれたきっかけをお聞かせください。

中野「自分自身が25年ぐらい同じグループでアーティスト活動をしておりまして、グループをテーマにしたミュージカルを作ってみたいと思ったのが1番のきっかけですね。
 僕はダンス畑ですけど、グループをやっていくにあたっていろんな葛藤があるじゃないですか。1人でやろうかなと思うこともあったり、仲間がいた方がいいなって思う時もあったり。自分で経験したものや感動できた事、生きる力になったものを物語として作品に残しておきたいと思いました」

―――音楽をメインに華やかな作品で、2023年の幕開けにぴったりですね。

中野「派手な作品なので、コロナ禍だった今までの事を忘れさせてくれるような作品にしたいと思っています」

―――キャストのみなさんに役どころについてお聞きしますが、まずソンモさんの持っている台本が通常の3倍くらい、とんでもない厚さになっていて釘付けです。日本語では初舞台出演ですか?

ソンモ「今年の4月に日本語のセリフで日本映画のお芝居をしたことはありますが、舞台に立つのは初めてです。映画はナマじゃないし普通に使っている言葉だったので難しいと思わなくて、でもミュージカルは言葉使いが違って何倍も練習しないといけないと思っています」

―――ソンモさんが演じる志音(しおん)は「ブラックアウト」のメンバーで、歌手であり作詞家で才能に溢れた役どころです。役との共通点や魅力をどこに感じていますか?

ソンモ「志音と僕、性格は似ていると思いました。僕もグループ活動をしていたことがあるので、(台本を読むと)そんなこともあったなと。メンバーを守りたい気持ち、自分の夢も含めて一緒に夢をかなえたいという気持ちとか、目標が僕と同じだと感じました。もっと深く勉強して練習して完璧に表現したいです。そして他の俳優さんのじゃまにならないように、日本語のイントネーションとか意味を伝えられるようにやっていきたいですね」

―――セリフを覚える方法として、一度母国語で入れてから変換していくのですか?

ソンモ「はい!」

一同「凄い……」

中野「意味が分からないと言霊にならないですからね」

ソンモ「例えば『おはようございます』のような(教科書にある)言葉ではなく、『言っただろう?』とか『よせ!』とか会話の言葉が多いので難しいです」

中野「確かに習っていないイントネーションですよね。普段使わない言葉が多いかもしれません」

ソンモ「普通は『言ったでしょ?』と使うのに『言ってんだろ!』とか」

松浦「もう使いこなしてる!」

中野「ソンモ君、最近口が悪いんです~と。終わるころにはヤンチャな日本語になっているかもしれない(笑)」

一同「(爆笑)」

ソンモ「今までめちゃ真面目な言い方を勉強してイメージを作ったのに、いつの間にか『うるせぇ』って(笑)」

中野「あははは! ソンモ君のイメージじゃなくてめちゃくちゃ面白い!」

―――そして山田さん演じる結弦(ゆづる)は「ブラックアウト」のメンバーで、作曲家兼ギタリストでありボーカルという多彩な役どころです。

山田「僕は初めてのミュージカル出演で嬉しい気持ちでいっぱいですが、本格的な歌もあるのでちょっと心配な気持ちもあり、今回は自分の殻をやぶってこの作品で新しい自分になりたいです」

―――結弦は志音と無二の友となるキャラですが、共感する部分はありますか?

山田「結弦の兄がライバルのグループにいたり、彼には複雑な背景があるんです。僕もグループ活動をやっているので、ライバルや対立など気持ちはわかります。さらに結弦みたいな役を演じることは初めてで、自分なりに表現していきたいです」

―――難病であったり背負っているものが多いキャラですね。

山田「色々な物を背負っているので結弦が発する言葉ひとつひとつにとても重みがあるんです。僕はお芝居でセリフを発する時に心がこもっていないのでは?と思うことがあって、しっかり読み取って結弦を自分の中に消化して自分の言葉として話せるように努力していきたいです」

―――松浦さんが演じる黒澤強志(くろさわ・つよし)は「ブラックアウト」のプロデューサーで父親的存在、愉快な関西人とのことですが、これは関西弁を開放ですね。

松浦「あはは! 開放します! 地元が大阪なので、その部分は近しく感じることはありますが、プロデューサーとしての立ち位置なので、破天荒なメンバーたちをどうまとめるのか。
 彼らの才能を見極めて支え、それぞれ問題を抱えているところに黒澤さんが言う一言だったり、コミュニケーション方法、そういうことは普通の人間関係でも誰か1人いるだけでチームがすごくまとまったりするじゃないですか。そういう大切なところを黒澤さんが担っています。彼がいたからこのグループがこうなったんだよと、物語が終わった後にそう思ってもらえるような存在になれたらいいなと思っています」

―――松浦さん的には支える役どころは貴重ですね。

松浦「プロデューサーというポジションの役はあまり無かったですね。大阪のいいおっちゃんじゃないけど自分が持っているものを生かして、僕ならではの味を出していけたら」

本当にあるグループに見えたら

―――この3人について期待していることや、演出について言えることはありますか?

中野「1人1人と会う機会があり、舞台上に立っている姿を事前に観れたので台本は守りつつ、それぞれの個性がちゃんと生きるようにしたい想いが1番ですね。舞台はナマものなので、どんな時にも対応できるように、支え合えるチームなっていけるように僕はサポートできたらと思っています。
 ソンモ君については、内から出る優しさのオーラだけじゃなくて、研ぎ澄まされた所も出てきたらかっこいいのかな、ファンの皆さんが普段見られない部分を見せることができたらとか考えています。そんな日本語使ったこと無かった!という話なんで、それが新しいカラーになったらと。
 山田くんは先日の舞台で凛としたキャラクターを演じられていて、今回はどちらかと言えば弟キャラなので、誰かにすがることで自分の新しい光を見出すみたいな、自分の活かし方みたいなものを発見してくれたら嬉しいですね。
 松浦くんは何度か一緒に舞台をやっているので安心しています。とにかく今回は弾けちゃってと思っていて、その楽しさがお客さまに伝わることが1番だと思っています」

―――音楽がポイントであり重要な作品だと思いますが、今の時点で見どころは?

中野「初めてミュージカルを観るお客さまでもミュージカルの面白さに気が付いてもらえるように、普通のミュージカルよりライブ寄りを意識して作っています。音楽もアーティストがライブで唄っていそうな曲を意識していて、グランドミュージカルのような感じの楽曲では無く、ライブっぽく楽しめるように。みんなはどう感じているの?」

松浦「僕は台本を見た時、作品の中のグループだけどお客さまが、このままデビューしたらいいやん! 現実世界に存在したらいいのに!って思っちゃうくらいの感情が生まれたら正解なのかなって思っていて。それには歌の力も大きくて、それがこの作品が伝えたい素敵な部分なのかなと感じています」

中野「本当にあるグループに見えたら、そうだよね」

―――山田さんはギターも弾くそうですね。

山田「はい、ギターを以前からやっていたので嬉しいです。ギターをやめるか続けるかのFコードの壁は乗り越えました(笑)楽器を弾きながら歌う事も夢だったので頑張ります!」

中野「弾けると知って弾き語りのシーンをもっと追加しようかと。志音と結弦2人で作曲するシーンがありまして、台本では片方だけですが、ちょっと想像が膨らんでいます」

ソンモ「僕は初演よりもっとパワーアップしたところを見せたいです。僕が切なく唄うシーンをうまくできないと、そのシーンを無くされてしまうから(笑)」

一同「(笑)」

ソンモ「たくさん練習して見どころをどんどん作って、楽しみにしていてくださいと言いたいです」

中野「みんなと話していると頭の中でイメージがどんどん膨らんで早く稽古したいですね」

―――ライブと演技の歌唱は違いますよね

ソンモ「自分もそうですが、ファンの皆さまが楽しみにしているのは、初めて日本語でするお芝居と歌。それもナマで唄うことだと思います。そこが大きな見どころだと思っています。
 自分のソロ曲を唄う時はあまり緊張しないんです。でも演技を続けながら感情を持って唄う、歌が終わってもその感情でお芝居をする、それはとても難しいことだと思います。
 自分1人ではできないことだし、みんなの感情も感じながら演技をするので大きな挑戦です」

ソンモ君に出逢っていなかったら、この公演を打たなかった

―――本作は再演ですが、タイトルが初演から変化しています。それはなぜでしょうか?

中野「それは初演に囚われたくない想いからです。僕はソンモ君に出逢っていなかったら、この公演を打ちませんでした。以前からずっと自分のイメージに合う人が見つかるまでこの公演を打たないと決めていて、そんな中で出逢えて、どうしてもこの舞台をやりたいんだと伝え良い返事を貰えました。それで僕も覚悟を決めまして、ゼロから作るぐらいの気持ちでタイトルを決めました」

―――新作に挑むくらいの覚悟ですね。

中野「今回出演してくれるみんなの記憶に残る作品にしたいと思っています。そしてミュージカルが苦手なお客さまにも『こんなミュージカルだったら観たい』と言わせたい、そんな覚悟でみんなと一丸となって挑みたいです。観て楽しい、音楽で楽しい、物語も素敵、キャラクターたちがちゃんと生きている作品にできたら」

―――本番を含めて楽しみにしていることは?

山田「皆さんと会うまではとても緊張していましたが、いざお話したらとても明るくて楽しくて、これは本番も絶対に楽しくなること間違いないと今からワクワクしています。このメンバーで作品を作れることが幸せですし楽しみです」

松浦「年末から年をまたいでずっと稽古のことを考えている経験が今まで無く、今回はミュージカルの頭になって贅沢な時間を過ごせると思っています。この作品で自分自身が成長する年の変わり目を迎えることができそうで来年が本当に楽しみです」

ソンモ「ファンミーティングやしなければいけないことが多くて、悩みとか不安感が正直ありましたが、皆さんと会っていろいろお話をして皆さんとならいけると安心しました。今から本番まで頑張ります」

中野「いま彼らの言葉を聞いて自分も改めて身が引き締まる思いです。この作品に挑めることがまず幸せです。舞台には舞台の良さがあって、その中でもミュージカルは音楽で紡ぎながら物語を魅せていきます。今までとは違う音楽の感じ方をまずお客さまに受け取って欲しいです。
 あとはみんなをどれだけ僕が活かせて、みんなが笑顔になれる作品ができるか。2023年一発目、この作品が1番元気になったよねって言ってもらえるように挑みます。ぜひ観に来てください」

(取材・文&撮影:谷中理音)

プロフィール

ソンモ
1987年6月15日生まれ、韓国出身。男性アイドルグループ「超新星」のメンバーを経てソロデビュー。映画やドラマなど幅広く活躍中。2009年9月9日に日本でもアーティストデビューをしている。モデル並みのスタイルと甘いマスクに加え、実力派のダンスと歌で評価を得ている。2023年には主演映画『ランサム』をはじめ、日本の作品に俳優としても参加を予定している。

山田 恭(やまだきょう)
2000年9月27日生まれ、石川県出身。パフォーマンスユニット「円神」のメンバー。俳優・歌手としてライブや舞台などで活躍中。近作に、円神 Second Stage『nonagon 〜2つの歌~』、舞台『ハイスクール・ハイ・ライフ』、主演を務めた舞台『フゴッペ洞窟の翼をもつ人』などがある。

松浦 司(まつうらつかさ)
1988年3月15日生まれ、大阪府出身。舞台を中心に活躍中。主な作品に、ミュージカル『るろうに剣心 京都編』、『ALTAR BOYZ』シリーズ、『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stagesシリーズ、地球ゴージャス25周年祝祭公演『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』など。2023年2月には『サラリーマンナイトフィーバー』が控えている。

中野智行(なかのともゆき)
1974年3月14日生まれ、大阪府出身。ダンスパフォーマンスグループPaniCrew(パニクルー)を1998年に結成、2000年にデビュー。サブリーダーを担当している。株式会社BIGUP代表取締役の傍ら、舞台やライブの脚本・演出などで活躍中。近作に、舞台『リセット』、ミュージカル『モンブラン~黄昏のROUTE69~』、ミュージカル『VOICE』などがある。

公演情報

MUSICAL『リフレインする君の声 〜encore 2023〜』

日:2023年1月19日(木)~22日(日)
場:六行会ホール
料:Special先行[非売特典付]10,000円
  先行[非売特典付]9,000円
  一般6,500円(全席指定・税込)
HP:https://musical-encore2023.amebaownd.com/
問:BIGUP mail:bigupstage@gmail.com

限定インタビューカテゴリの最新記事