舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』座談会

カンフェティスタッフによる不定期連載企画
「カンフェティ エンタメ盛り上げ隊」

ロングラン公演中で、いよいよ2026年12月の終了が発表された舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』
今回はその魅力を、カンフェティスタッフたちが ネタバレ上等・熱量マシマシで語り合いました!
終わってしまう前にぜひご覧ください!

※作品のネタバレを含みます。

座談会トピックス≫
#1 原作を知らなくてもハマる!
#2 ハリー・ポッターとドラコ・マルフォイの息子が親友に!
#3 タイムスリップという構造の面白さ
#4 父親としての苦悩を描く
#5 演劇らしさもアトラクションっぽさも味わえる
#6 舞台ならでは! キャストによる違い
#7 スコーピウス愛を語る
#8 観に行く前にこれをチェック!

<参加スタッフ>
スタッフS(30代女性)
宝塚歌劇やグランドミュージカルをよく観る

スタッフO(20代女性)
小劇場より小さい演劇をよく観る

スタッフY(20代女性)
心に傷を負う舞台が好き


#1 原作を知らなくてもハマる!

――皆さんは「ハリー・ポッター」という作品を元々よく知っていたんですか?

私は完全に直撃世代です。小学生の頃はみんな読んでる、観てるのが当たり前で。魔法の呪文を頑張って覚えたりもしてましたね!
 だから舞台を観たとき、あの世界が目の前に広がっている!というのが、童心に帰ってワクワクしました。

私は映画は全部観ていて、小説もいくつか読んだという感じですね。
 舞台を最初に観たときは、ロングラン公演ならではの作り込みに感動しました! 劇場に入った瞬間から、ハリー・ポッター仕様の絨毯や装飾とか、独特な雰囲気も楽しくて。

私は小説も映画も観たことがないんです。母が好きな俳優さんが舞台に出ていて観に行くって言うので、試しに一回観てみようかなってついて行ったんです。そしたらハマってしまって……気づいたら、9回観てました

――え、原作を知らずに9回も!?

そうなんです、たぶん稀な存在だと思うんですけど(笑)。でも、登場人物の関係性は舞台だけでも大体わかります。それに演劇としての完成度が高いので、純粋に一本の演劇として面白いなと思いました。映画も観ます!!

――原作を知らなくてもそんなにハマれるんですね……!

#2 ハリー・ポッターとドラコ・マルフォイの息子が親友に!

――この作品のストーリーを教えてください。

「ハリー・ポッターと死の秘宝」から19年後の話で、ハリー・ポッターの次男、アルバス・セブルス・ポッターが主役です。ドラコ・マルフォイの息子、スコーピウス・マルフォイと出会って、この二人がホグワーツに入学して友達になるんです。

――息子の話なんですね。ドラコはどんな人ですか?

憎まれ役ではありますが、ファンはみんな好きですよね。ハリーに何かと突っかかってくるんですけど、根っからの悪人というよりは素直になれない少年という感じで。

出会い方が違ったら、ハリーとドラコも仲良くなれたんじゃないかとも思うんですよね。それが息子の代で実現する、というのがもう熱くて!

わかる! しかも、二人とも学校でちょっと孤立しているんですよ。アルバスとスコーピウスは、お互いしか友達がいないっていう。


ハリーは魔法界で有名人で、伝説みたいな存在なので、アルバスはその息子ということで変に期待されたり注目されてしまうんです。でもうまく周りと馴染めなくて。

スコーピウスも、出生に関して悪い噂が立って周囲から浮いてしまっていて。そんな境遇の二人が出会って仲良くなるんです。

――なんだか、ちょっとリアルな学校生活の話ですね。

そうなんですよ。ハリーの場合は最初、突然魔法界に招かれて、有名人として注目されて、魔法も使えて空を飛ぶ才能もあって、みたいなところから始まったと思うんですけど、息子たちの話はそこからちょっと一歩踏み込んでいるというか。
 「友達がたくさんいることが大事なわけじゃない」とか、「人に注目される能力があることがいいわけでもない」とか、そんなことも感じられて。

ファンタジーだけど、普遍的な話だったりもしますよね。共感できるところが結構ある。

それと、大人になったハリーやジニー、ロン、ハーマイオニーも出てくるので、「こういう夫婦になるんだ」「こんな大人になるんだ」という未来の姿が見られるのも、原作を知っている人には楽しみの一つだなと思います!

#3 タイムスリップという構造の面白さ

ストーリーの本筋としては、セドリック・ディゴリーのお父さんがハリーのもとにやってきて、「息子を返してほしい」とお願いしに来るんです。タイムターナーという時間を戻せる魔法のアイテムがあるから、過去に戻って息子を救ってほしいって。

――セドリックというのは?

ハリーの学生時代に、ハリーのせいとも思われてしまうような形で死んでしまったキャラクターで。

セドリックのお父さんとハリーの会話を偶然アルバスが聞いてしまって、「パパの間違いを正したい」と、スコーピウスを誘って何度もタイムスリップするっていう展開になります

そこがすごくよくできていて。最初の方に、失敗して「何回でもやり直せばいいんだ」みたいなセリフがあるんですけど、それが全体の伏線になっていて、その回収の仕方にものすごく感動しました。

うまいなと思うのが、スコーピウスが歴史オタクという設定なんですよね。だから元々過去にあったことをしっかり説明してくれる! 不自然でもなく、歴史オタクだからついしゃべりすぎちゃう、みたいなところが可愛い。

私もそのおかげで「なるほど」って(笑)。

タイムスリップで、「あの人が本当は生き残っていたら」「本当は死んでいたら」という世界線がいくつも見られるのも面白いし、続編をやる意味みたいなものもすごく感じられます。

#4 父親としての苦悩を描く

ハリーの父親としての葛藤も印象的で。ハリーは幼いときに両親を亡くしているから、「良い親を見て育ったわけじゃないから、どんな父親でいればいいかわからない」って言う場面があって。

うまくいかないのを描くのがいいですよね。ハリーが迷う一方で、ドラコは父親としてのスタンスを持ってる感じ。親がいたとはいえ、恵まれていたわけではないので、そこに至るまでにドラコも色々あったと思いますけど。
 二人とも、子供時代にやってもらえなかったことも多い中で、それぞれ全力で息子に向き合おうとしてますよね。

私はハリーとドラコが息子のために大喧嘩するシーンが好きで! ドラコが「息子が泣いているぞ」ってハリーのところにやってきて、魔法を使って派手に戦う。その演出も楽しいんですけど、何よりも二人とも息子のために喧嘩しているという。

乗り込んでくるドラコ、良いパパですよね(笑)。

結局アルバスとハリーって、最後までぎこちない親子関係なんですよ。仲が悪いわけじゃないけど、良くもならない。なんとなくやっていく、みたいな。そこがすごくリアルで、ファンタジーで楽しい!で終わりじゃないんですよね

#5 演劇らしさもアトラクションっぽさも味わえる

——演出についても聞かせてください。一番の見どころは魔法の演出でしょうか。

魔法もすごいんですが、アナログな演劇らしさが好きです。人力の演出が多いというか。
 大きな階段が何度も出てきて、何人もの出演者で動かすんですよね。噂が広がるシーンや、アルバスがスコーピウスと仲たがいするシーンで、すれ違いを階段で表現したり。心理的な距離を実際の物理的な距離で表すというのがすごく演劇っぽいなと思って。

ホグワーツの階段って映画でも印象的で、魔法で動くんですよね!

――それが心情の演出として活かされるのは、舞台らしい表現で面白いですね。


怖い場面の演出もすごくて。ディメンターという、幸福感を奪う存在が物理的に天井から降りてくるんですよ。初めて観た時に素直に怖くてびっくりして! その恐怖感も、なんだか子供の頃の感覚に帰るような感じでした。

ロンとハーマイオニーがディメンターに連れ去られるシーンがあるんですが、かなり高いところまで本当に連れ去られていきますよね。映像とかではないのがすごいですよね。

舞台の床の下から俳優さんがびしょ濡れで上がってきたりもして。

1列目だと普通に水がかかります(笑)。

――えっ、お客さんにまでかかるんですね!

アトラクション感がありますよね! 魔法の演出は、何回見ても仕掛けがわからないものばかりです! 電話ボックスから出てきたりとか、本棚に吸い込まれるとか。

変身薬を飲んで、一瞬で違う役者さんに入れ替わったり。どうなっているか全然わからない。

怒涛の魔法だらけで。公式で「3分に1回魔法がある」という宣伝文句がありましたが、本当にそんな感じです

ホグワーツ特急の列車のシーンも好きです! 煙が出るお菓子を食べたり、怖いお菓子売りのおばさんに追いかけられたり、最後は列車から飛び降りたりして、ワクワクします。

ハリーたちが学生の時は列車に乗り遅れて、必死に追いかけるシーンがあったんですけど、息子たちは逆に飛び降りるんですよね。学校に行きたい父世代と、行きたくなくて飛び降りる息子世代という。

ハリーたちはホグワーツが好きで、学校に行ってから始まる冒険が中心だったけど、息子たちは学校に馴染めていないから、逃げ出すところから冒険が始まる。ある意味ちょっと今の時代に合ってるような。

元の話からの反転という感じが、ストーリー的にも面白いなと思いました。

#6 舞台ならでは! キャストによる違い

——キャストについてはどうですか?

私は映画を観ているから「ハリーはダニエル・ラドクリフ」というイメージがあったんですけど、舞台で日本人の方が演じるハリーを観ても全然違和感がなくて。「ハリーってあの頃から変わってないな」みたいな気持ちでそのままのめり込んでしまいました(笑)。

演じる人によって印象が変わるのが面白くて。私は平方元基さんと吉沢悠さんのハリーを観て、平方さんは舞台慣れしたセリフ回しや、背負っているものの重さに苦悩する姿が印象的でした。吉沢さんは優しそうなパパなんだけど、葛藤があってつい厳しくなってしまうというのが伝わってきて。どちらもすごく好きでした。

——同じ役なのに全然違うんですね。

アルバスとスコーピウスも、組み合わせによって全然印象が違います! 渡邉 蒼さんのアルバスと西野 遼さんのスコーピウスは少年漫画みたいな熱い友情って感じで。中にはより親密な、まるでラブストーリーのような雰囲気の瞬間があるコンビもいたりして。
 持ち味や身長とかも皆それぞれなので、キャストによって二人の関係性の見え方が全然違うのが面白いんです。

映画では一つの役を演じる人は基本的に一人しかいないけど、舞台では色々な人が演じるのが観られる。自分のお気に入りの組み合わせを見つける、という楽しみ方もありますよね。

驚いたのが、ダンブルドアとスネイプを同じ方が演じるんですよね。どちらも超重要な役なのにいいの!?と思ったんですけど(笑)。ちゃんと全然違う人に見えて、役者さんってすごいなって。

不思議とどの役も、どのキャストで観てもぴったりですよね!

#7 スコーピウス愛を語る

キャラクターの中で誰が好きか、という話になると、やっぱりスコーピウスになりますよね……。

みんなスコーピウスが好きですよね(笑)。

スコーピウスを好きにならずには帰れない(笑)

——どんなキャラクターなんですか?

本当にいい子すぎて。どんな目に遭ってもずっとアルバスのそばにいて、信じ続けていて。こんな親友が一人いたら生きていけるよな、って思います。
 最初にちょっと言いましたけど、友達ってたくさんいる必要はないんだなというか。

アルバスは思春期らしくひねくれているところもあるんですけど、スコーピウスはとにかく素直でまっすぐで。どこまでもアルバスについていくんですよね。
 なんかお母さんみたいな気持ちになるというか(笑)。ついて行っちゃうから心配で。

でも、お互いが肩書きを気にせずに話せる初めての相手、という見方をすると、確かにそうだよなって。アルバスとスコーピウスが出会う最初のシーンが本当に好きなんです!

スコーピウス自身はすごくいい子なのに、噂のせいでなかなか人と仲良くなれないところから、親友になるんですもんね。

#8 観に行く前にこれをチェック!

——これから観に行きたい人に向けて、予習した方がいいことなど、伝えたい情報はありますか?

私は映画も1本も知らずに観てこんなにハマっているので、全く知らなくても大丈夫です!

手軽に予習するなら、1作目の「賢者の石」でホグワーツと魔法界の基本を履修して、4作目の「炎のゴブレット」でセドリックのことを知っておくと、より物語が深く楽しめると思います

USJに行ったことがある人なら楽しめると思います。アトラクション的な部分もあって。

あと劇場内のフードも美味しいので、それも楽しみの一つで。ソフトクリームとかビーフシェパーズパイ、ドリンクとかも美味しいです!

——最後に一言お願いします!

原作ファンはもちろん、普段演劇を観ない方もぜひ。魔法の仕掛けやセットを見て楽しんでもいいし、ストーリーの深いところまで楽しんでもいい。誰でも楽しめる作品だと思います

話していたらまた観たくなってきました(笑)。演劇として純粋に面白いと思います。「ハリー・ポッター」を全然知らなくても楽しめるし、むしろ先入観がない分すんなり入れた部分もありました。

まず、原作が好きな人は絶対に観た方がいい! 知らなくても親子の話・友情の話として刺さる部分がたくさんありますよね。私も終了前にもう一度観に行きたくなりました!

公演情報

舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』

上演中~2026年12月27日千秋楽

会場:TBS赤坂ACTシアター
〒107-8006 東京都港区赤坂5丁目3-2 赤坂サカス内

※カンフェティではSプラス席またはS席のみの取扱い

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