太鼓✕殺陣✕芝居のアクションエンターテインメント 架空の日本を舞台に繰り広げられる、太鼓が鳴り響く一大スペクタル作品

太鼓✕殺陣✕芝居のアクションエンターテインメント 架空の日本を舞台に繰り広げられる、太鼓が鳴り響く一大スペクタル作品

 元お笑い芸人で、ドラマ『半沢直樹』などの脚本を務めてきた金沢知樹氏による作・演出のオリジナル作品、舞台『ジパング!』がいよいよ開幕する。別の時代・別の世界のジパングと呼ばれる倭の國を舞台にしたアクション活劇で、剣士たちの成長と人間ドラマを描いていく。
 作品を代表して、主人公の阿図(あず)役・佐藤信長と、阿図を慕う少年クク役・田中雅功、阿図の仲間の摂津(せっつ)役・髙田彪我の3人に稽古場にて話を聞いた。

大太鼓の鼓動を体感せよ!

―――稽古も佳境ですが、稽古場はどんな雰囲気ですか? 今の手ごたえはいかがでしょうか。

佐藤「やっと全貌が見えてきたところです。ひとりひとりのキャラクターが濃くて面白くて、キャストの皆さんもすごく面白い。まだまだこれから詰めていくところですが、さらに個性やいろんなものが出てきて面白くなるのではと思っています」

髙田「僕の役は太鼓は無く殺陣がメインですが、たまに稽古場に早めに入ると、阿図(佐藤)と紫螺(仲美海)が一生懸命に太鼓を叩いている姿を目にすることがあって、殺陣だけで自分はすごく腕が疲れているのに、その上太鼓までやってすごい体力だなって。信長さん本当にすごいと思っています」

佐藤「いやいや! もうね、なったことが無い場所が筋肉痛になって、本当にはじめの1週間ぐらい大変でした。病院では筋肉痛って言われたけど、日常生活に支障をきたすくらい痛くて、普段いかに怠けているか(笑)。太鼓の方が腕を使いますね」

髙田「筋肉痛レベルじゃないと。太鼓奏者のプロの方って体格が違いますよね」

佐藤「僕が初めて太鼓の稽古をした時、仲さんは太鼓を10年くらいやっていて、僕だけ初心者で。太鼓レッスンあるあるですが、ずっと長く叩き続けるんです。仲さんまだやるの? まだいけんの?と横を見ながら一生懸命叩いていました。力の配分がわからず、音を出そうとするとどうしても力が入ってしまうんです。力を抜いていかに音を出すか、色々なコツがあるみたいで習得中です」

田中「僕は殺陣が初めてなので、殺陣をメインに稽古中ですが、果たしてこれが合っているのかどうか不安と闘っています。そんな中でも振付のおおたけさんが、とてもわかりやすく指導してくださって。できなくても怒らず最後には褒めてくれるので頑張れています!」

―――ほぼ初共演の方々ばかりのようですが、まだまだコロナ禍なところ、距離の縮め方はどのようにされていますか?

佐藤「“稽古場で無駄に喋る”ですね(笑)」

一同「(笑)」

佐藤「時間も被らない事が多いので、いかに少しの時間でコミュニケーションをとるか。(コロナ禍の前なら)昨日ご飯に行った仲の良さで次の日の稽古は遠慮なくできるんですけど、今はそれができないのでね」

田中「それで言うと、仲さんのコミュ力が凄いなって思いました」

佐藤「確かに! 気が付いたらみんなの事をニックネームで呼んでました」

髙田「凄いよね、仲さんが人と人を繋いでいる!」

読むだけでも、演じていても楽しい台本

―――台本を手にした最初と今では印象がだいぶ変わったのでは?

佐藤「台本をいただく前に役のプロット(人物の設定や背景が書かれている資料)を読ませていただいて、最初は難しそうと思いました。でも、いざ台本を持って立ち稽古をやっていくと難しくはなく、キャラクターの個性が立っているなと感じます。今回ペアの組み合わせが多いので、それぞれの関係性とかも深めていけたらいいなと思っているところです。
 例えば、僕と慈陀(じだ/演:寺西拓人)は本当の兄弟ではないですが、2人のシーンではその関係性をみせていきたいですね。あと阿図×摂津ペアの方が兄弟みたいな感じなんです」

髙田「阿図×摂津コンビで和気あいあいとしている感じが見どころです」

佐藤「2人は修行を一緒にしていて、摂津が弟分になるのですが、2人の時は敬語をやめようみたいなシーンがあるんですけど、そんな関係性がいいよね。台本は最初の印象から全然変わりましたね」

髙田「久しぶりの舞台で、本を手にした時は継承争いのお話の印象でしたが、意外とクスっと笑えるポイントもあって、それも元芸人だったこともある金沢さんらしさなのかな。読むだけでも、演じていても楽しい台本です」

佐藤「摂津はアドリブシーンが見どころです」

髙田「あははは! そうなんです!」

―――もしや日替わりで?

田中「やってくれると思っています!」

髙田「うわ~~ハードル上げてる~~」

佐藤「そのアドリブを受けるのは僕なので、面白くなかったら引きつっていると思います」

髙田「やめて~~~(笑)! アドリブ力を鍛えます!」

―――田中さんはいかがですか?

田中「舞台出演がめちゃくちゃ久しぶりなのでとても心配でしたが、金沢さんが読み合わせの時から、ネクラの僕をそのまま役に投影させてやってほしいと言ってくださって。僕が演じるククは、結構引っ込み思案なタイプで僕と似ているんです。金沢さんがその感じをくみ取ってくださったのかと、演じてみて思いました。以前は役作りで違う自分を出すことに一生懸命でしたが、それぞれ自分が持っているものを出せる作品なのかな」

まだまだ及ばないという気持ちが阿図と重なって、やってやる!という気持ちになる

―――田中さん演じるククは、阿図を救い、阿図に剣技を習って、のちに屈強な戦士となっていくそうですが、この3人の中で1番成長する役になりそうですね。

田中「そうですね。きっと阿図や摂津と出逢ってなかったら、日の目を見ることなく静かに暮らしていたのかな。出会いによって人生が変わるのですが、不思議な運命を持っている男の子です。
 劣等感を感じているところからスタートするので、そこからどんどん光を浴びて育つように、人のあたたかさに触れて大きくなっていく感じは演じていて面白いです。
 自分の内側へ内側へ向いてしまう性格の子なので、無理に張りつめずに普段の自分の深い部分を出していけたらと思います」

―――髙田さん演じる摂津は、阿図と共に修行をした弟分でもあり仲間で、底抜けに明るく天然とのことです。

髙田「人一倍感情がわかりやすいキャラクターです。笑う時は誰よりも笑うし、仲間を想う時も人一倍、とても素直な存在でムードメーカーです。緊迫した空気をコロッと変えるようなセリフがあるのですが、この作品の雰囲気をも変える存在なのかなと思っていますね。
 僕がネクラで普段は感情を出さないタイプでして、そのギャップを意識して演じていけたらと思っています」

―――普段のクールさとは逆のギャップですね。……何故か同じ『さくらしめじ』として、よく高田さんのことを知る田中さんが笑っています。

髙田「あはは! クールではないです(笑)。陰キャなだけです。だからこそ誰よりも感情を出す訓練をしていこうかと。普段とは違う僕が見どころです」

―――そして佐藤さん演じる阿図は、王子として試練を背負い、どんな窮地でも決して諦めない心を持つ強い人物です。

佐藤「一言でいうと、伸びしろのある奴と思っています。『戦鼓も剣もまだまだ兄上には遠く及びません』というセリフがあるのですが、一般からすれば兄上が凄いので阿図は高いレベルにはあると思います。真っ直ぐな心と他人を想う心がある人。僕と共通点があり、気持ちがわかる部分が多いです。
 僕も陰の人なのですが(笑)、阿図は陽のキャラクター。人に優しく、自分の想いを貫き通す強さ、守るべき人を守る芯の強い男です。
 僕は普段よく、怒ることはあるの?と言われるのですが、そういうところは阿図としてそのまま出せるのかなと。それでも自分が持っていない部分をたくさん阿図が持っているので、そこを引っ張り出すことを意識して演じていけたら。強羅(ごうら)役の宮地大介さんに『カラを1つ破っていけば、役としてやりやすい』と言われて、もっと自分の中のカラを破って、新しい自分としての阿図をみせていきたいです」

―――本番までにまだまだ色々な影響を受けそうですね。

佐藤「いま僕と殺陣をすることが多いのが寺西(拓人)くんと松本(幸太)さんで、本当に凄いよね! 稽古はまだ少ないのに覚えるのは早いし綺麗だし、自分はまだまだ及ばないという気持ちが阿図と重なるところがあって、なにクソやってやる!という気持ちにはなりますね」

今までの出演作品で殺陣と太鼓のボリュームが1番多いかもしれない

―――田中さん、髙田さんから見た佐藤さんはどんな人ですか?

髙田「僕らとは比にならないくらい稽古スケジュールが多くて、そんな中でも一生懸命取り組んでいる姿を凄く見ています。『阿図様!』と役柄同様に慕ってしまうくらいの魅力がある方ですね!」

佐藤「ありがとうございます!」

―――では佐藤さんから見たお2人はいかがですか?

佐藤「21歳だよね、僕が初舞台を踏んだ歳で、自分が21の時に殺陣をやれと言われたら無理無理~ってなってる。それより前から2人で活動されて色んな経験を重ねているから大人っぽくて羨ましいです。僕の21歳の頃と全然違う」

田中「あははは! そう言いますけど、信長さんはめちゃめちゃ優しく、常に優しいオーラが出ています。稽古場で誰かと話したいとなったら、自然と信長さんの優しいオーラに吸い寄せられます」

佐藤「ありがとうございます!」

―――自分のキャラで見どころだと思うところ、全体で「気になっている」「楽しみにしている」「早くステージで見せたいシーン」を教えてください。

田中「ククはやはり成長ですね。感情を表に出すタイプではないですが、物語が進むにつれて、ククの想いがわかるポイントがいくつか出てくるので、ククの感情を探すのも楽しいかもしれません。そこは見ていただきたいですね」

―――戦国好きの田中さんとしては、演じること以外にも楽しみがありそうですね。

田中「そうなんです! やはり言葉使いは現代と全く違うので、異世界の物語ではありますが演じながら時代劇を見ているような楽しさはありますね」

髙田「僕はやはりアドリブですね! ここは是非とも注目していただきたい!」

佐藤「自分でハードル上げてる!」

田中「彪我のアドリブはすごいっすよ!」

髙田「あはははは! ふりますからね」

佐藤「え~~~」

髙田「そこも含めて、もちろん殺陣も見どころですが、摂津の明るさ、太陽のような姿をぜひ観ていただきたいです」

佐藤「僕はまず殺陣と太鼓ですね。僕の出演作品で殺陣と太鼓のボリュームが1番多いかもしれないです。剣と太鼓により磨きをかけたいですね。自分ではできていると思っていても、やっている人から見たらまだまだに見えると思うんです。
 お客様を納得させるような動きができるように、そしてお話も面白いのでお芝居も頑張りたいです。芝居の掛け合いをするのが楽しみで! もっと仲良くなって早く身体に馴染ませて、みんなも僕も色んな事を試すことが楽しみです。
 ほぼ初共演の皆さんの中で作りあげている段階ですが、こんなに殺陣も太鼓も芝居もガッツリやる舞台は今まで無かったと思っています。普通の舞台を観る気持ちで来たらびっくりすると思います。みんなで作り上げていくお芝居でどこまで暴れまわるのか。その到達点を観に来て欲しいです」

(取材・文&撮影:谷中理音)

プロフィール

佐藤信長(さとう・のぶなが)
1995年3月30日生まれ、宮崎県出身。パルコ・プロデュース2016『露出狂』で初舞台。特技のバレーボールを活かし、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』シリーズで白布賢二郎役を演じ、注目を集める。舞台を中心に活躍中。代表作に、舞台『フランケンシュタイン -cry for the moon-』、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ、ミュージカル『DREAM!ing』など。

田中雅功(たなか・がく)
2002年1月24日生まれ、東京都出身。フォークデュオ「さくらしめじ」として活動の傍ら、俳優・小説家としても活躍している。近作に、舞台『PINK』、日本テレビ『FAKE MOTION -卓球の王将-』など。GMOプリ小説にて『302の音』、『AI』を連載。新連載『ヒミツをどうぞ』(全23話)毎週木曜日配信中。

髙田彪我(たかだ・ひょうが)
2001年10月23日生まれ、東京都出身。フォークデュオ「さくらしめじ」として活動の傍ら、俳優としても活躍している。主な出演作は、舞台『PINK』、CX『5→9~私に恋したお坊さん~』、TBS『家族ノカタチ』、NTV『FAKE MOTION -卓球の王将-』、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』など。

公演情報

舞台『ジパング!』

日:2022年11月16日(水)~20日(日)
場:草月ホール
料:SS席11,000円 S席9,900円 A席8,800円
  (全席指定・税込)
HP:https://www.zipang-stage.jp/
問:オフィスインベーダー
  mail:info@inveider.com

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