永遠の名作『ロミオとジュリエット』と、語り継がれる四国の狸伝説が出会ったら! 美女に狸が恋をする? 歌とダンスとコメディと。楽しさ満載で綴る禁断の恋物語

永遠の名作『ロミオとジュリエット』と、語り継がれる四国の狸伝説が出会ったら! 美女に狸が恋をする? 歌とダンスとコメディと。楽しさ満載で綴る禁断の恋物語

 コメディミュージカル『吾輩は狸である』は、劇作家・演出家の是枝正彦による人気作品。もともとは四国・愛媛にある坊っちゃん劇場での上演のため、四国に多い狸やそれにまつわる伝説と、シェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』をモチーフに書かれた作品である。坊っちゃん劇場でのロングランに続いて、いろいろと演出を変えて上演され続けてきた。
 そんな笑いと楽しさに溢れた作品を、舞台俳優としての活躍に加えてテレビや映画といった映像作品にも数多く出演する赤西礼保と、先日劇団4ドル50セントを卒業し、ミュージカル女優として更なる飛躍する田代明を主演に上演する。ヒロインのジュリ絵を田代が、そのジュリ絵に惚れてしまう狸のロミ丸を赤西が務めるこの作品。主演のふたりに加えて是枝作品には欠かせない女優、振付の相原愛に話を聞いた。

―――まず主演のお二人に伺います。この『吾輩は狸である』の主役を演じるに当たっての抱負を聞かせてください。

赤西「もう楽しむだけですね。楽しんでこの作品を身体に馴染ませ、お客さんにしっかりと伝えていきたいと思っています。是枝さんの作品には今までにも何作か参加していますが、この作品は面白さが滲み出ています。実はミュージカルへの出演は4年半ぶりですから、気を引き締めてしっかり務めたいと思っています」

田代「私は生涯を通してミュージカル女優を目指してきました。さらに劇団4ドル50セントから卒業後初の作品でもあるので、既に思い入れが高まっています。それに台本を読んだらものすごく楽しいので、それをお客さん伝えたいです。ミュージカル女優を目指すようになったのは小学校3年生くらいからですね。故郷である札幌のミュージカル劇団に参加していました」

―――相原さんは今回、振付に加えて出演もされるそうですね。その抱負を今回のキャスティングを知ったときの気持ちも含めて教えてください。

相原「是枝さんの作品の中でも凄く好きな一作ですね。『ロミオとジュリエット』を下敷きにしていますが、さらに『シラノ・ド・ベルジュラック』とか色々な作品の要素が詰め込まれているんです。今までは振付だけで参加していましたが、出演するのは初めてです。物語の進行役となるストーリーテラーの役割です。今回のキャスティングを聞いたときにはまさにピッタリだと思いました。イケメンと美女の組み合わせですから(笑)」

赤西「本当に言葉がどんどんつながっていくというか、いろいろな伏線が張り巡らされているので面白いですよ」

―――赤西さんはシンガーとしての活躍もあるし、田代さんは東京藝大でクラシックを学ばれてきたわけですが、ミュージカルはだいぶ勝手が違いますか。

赤西「表現が全然違いますね。シンガーとしては自分の歌声ですが、ミュージカルは自分じゃない“演じる自分”が歌うので声の出し方も違ってきます。ミュージカル表現って面白いですね。劇場に来てくれた人がディズニーランドに来たみたいに楽しんでもらえればいいですね」

田代「小さい頃から歌いながらお芝居のようなことをして遊ぶ子供でした。こんなことができたらいいなと思っていたらそこにミュージカルがあったんです。それでいろいろ学んできた結果入った大学でしたから、全部ミュージカルにつながっているんです」

赤西「ところで、僕が狸でいるときのシーンは、どんな衣装になるのかがちょっと不安もあるんですが(笑)」

―――狸になる赤西さんというのも、ファンにはレアな体験になるかも知れませんね(笑)。ところでお二人は今回が初対面だということですが、お互いの印象を聞かせてください。

田代「ちゃんとしたイケメンがきたと思って(笑)。赤西さんには主役級のオーラがありますね」

赤西「それは僕も同じですよ。清楚で綺麗な方だと思いました」

田代「そんなぁ(笑)」

―――そんなお二人ですが、もしもロミオとジュリエットのようなシチュエーション、つまり障がいのある恋が巡ってきたらどうしますか。

赤西「そんなことがあったら素敵だなと思います。そして僕は正直なんで周囲がどうあれ相手を好きになってしまうでしょう」

田代「イケメンって壁を乗り越えてきますよね(笑)。でも私は周囲を気にする方なので、大胆にはいけないですね。もちろん向こうから来てくれたら嬉しいですね。人の優しさや愛情を向けられると、人一倍影響をうけてしまう方ですから」

―――恋愛経験豊富な相原さんはいかがです?

相原「性格的にB型なので猪突猛進ですね。自分からいっちゃいます(笑)」

―――楽しい作品になりそうですね。それではファンの皆さんへのメッセージをお願いします。

田代「とても楽しい作品ですから老若男女広く沢山の人に観て頂きたいです。最近いろいろと悩んでいる人に、この作品でまずは笑って下さいといいたいですね。私にとっては卒業後初のミュージカルですから頑張って務めます」

赤西「僕自身舞台が久々ですが、田代さんと一緒にしっかり楽しく務めあげたいです。物語の下敷きはロミオとジュリエットですが、それを越える新しい物語を感じさせられるように頑張ります。勇気や愛をお届けします」

相原「振付の立場からいえば2人の良いところ、そして周りのキャストの魅力を引き出したいと思います。実力のあるお二人を迎えて皆で頑張ります」

(取材・文&撮影:渡部晋也)

プロフィール

赤西礼保(あかにし・れお)
千葉県生まれ、東京育ち。2005年、17歳の頃から芸能活動を開始して下積みを重ね、2008年『飛行機雲 〜DJから特攻隊へ愛を込めて〜』で舞台デビューする。舞台を中心にテレビドラマや映画などに出演し、2016年からアーティストとしての活動も開始。シンガーとして楽曲を発表する。劇作家・演出家の是枝正彦によるパン・プランニング作品にも度々出演している。

田代 明(たしろ・あかり)
北海道出身。子供の頃からミュージカル俳優に憧れ、小学校3年生で地元札幌のミュージカル劇団に所属、経験を積む。東京藝術大学音楽学部声楽科に進み、クラシックの声楽を学ぶ一方、在学中に秋元康プロデュースの劇団4ドル50セントに参加。2022年に卒業の際には劇団主催初の卒業イベントが催された。今回が卒業後初の舞台となる。

相原 愛(あいはら・あい)
神奈川県出身。3歳からクラシックバレエとタップダンスを始め、13歳でミュージカル劇団にスカウトされヒロインとして舞台に立つ。並行してNHK教育TV『おーい!はに丸』で歌のお姉さん・すみれちゃんとして6年間レギュラー出演する。その後、人気漫画を原作としたミュージカル『ダンシングゼネレーション』で主役を務め、さらに数々の舞台にも出演する。またロサンゼルスに2年間留学し、スティーヴン・スピルバーグ監督映画にシンガーで出演するなど多彩な活躍を見せる。

公演情報

ミュージカル『吾輩は狸である

日:2022年10月5日(水) ~9日(日)
場:CBGKシブゲキ!!
料:A席7,500円 B席6,500円
  ※当日券は各+500円
  (全席指定・税込)
HP:http://www.punplanning.jp/
問:パン・プランニング tel:03-6915-0823

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