30歳で夭折したアメリカの詩人・小説家 シルヴィア・プラス。秘めた激情を率直な筆致で記した詩や小説は、死後にやっと評価されるようになった。彼女が残した言葉や詩に音楽を加えた、ミュージカル『シルヴィア、生きる』で主演を務める平野綾は、本誌の撮影で凛とした佇まいの中に意欲溢れる表情を見せ、シルヴィアのイメージを体現してみせた。
「役を演じる上で参考文献を読むようにしていて、今も色々とシルヴィアの作品に触れています。波乱万丈な彼女の人生に対してヘビーな印象を持つ方もいると思います。けれど、このミュージカルは彼女が“やり直す”、“生き直す”ことをテーマにしていて、彼女が最後まで『いかに生き抜くか』しか考えていなかったのかを強く感じました。そこをしっかり伝えていきたいです」
演出を手掛けるのは、藤岡正明。キャスティングは藤岡からの指名だったそう。
「10数年ぶりにご一緒させていただくのですが、こうしてお声がけいただけて嬉しいです。藤岡さんから『この作品は絶対に綾ちゃんの代表作に、シルヴィアは綾ちゃんを代表する役になるから』と心強いお言葉をいただきました。私の知らない面をどんどん引き出していただきたいなと、ワクワクしています」
本作のミュージカルナンバーはかなり手強いと平野は笑う。
「非常に難解なメロディーをいとも簡単に歌っているように見せなければならないので、稽古ではたくさんの試行錯誤があると思います。またシルヴィアをはじめ“才能ある者たち”の物語なので、各々の感情の流れがとてもスピーディー。お芝居をし、歌いながら、決してお客様を置いていくことなく『彼女たちを理解したい』という気持ちに繋がるよう働きかけたいです」
ザ・ポケットという小劇場の舞台に立つのも大きな挑戦だ。
「3週間強、シングルキャストで主演させていただくというのは貴重なチャンス。小劇場では、舞台に立つ人間の全てがお客様に見え、届きます。シルヴィアが作品で己の全てをさらけ出したように、私も自分をさらけ出す覚悟で臨みます。大千穐楽までどのように役を演じ切るかを見守っていただけるのもシングルキャストの醍醐味だと思うので、再び足を運んでいただけるよう頑張ります」
平野がより熱を込めて語ったのが、ラストの演出について。
「藤岡さんから構想をお聞きし、肩に乗っかっていたものがふわっとなくなるような、本当に前向きになれる終わり方だなと感動しました。私が受け取った感覚を、お客様の中に残せたらという気持ちです」
(取材・文:木下千寿 撮影:間野真由美 メイク:中山麻美 スタイリスト:鈴江英夫 越田真奈)
「これはもう即答で、ニューヨークのタイムズスクエアです! 留学から帰国後、年に2度は半月ほど滞在してレッスンに通っていましたが、コロナ禍以降なかなかタイミングが合わず、今は少しでも時間があったら弾丸でも飛んで行きたいくらい、NYが足りていません。自分の大好きなブロードウェイ三昧でモチベーションを上げて、その扉に鍵がついていたら呼び戻されないように鍵をかけてしまうかもしれませんが笑、幼少期に暮らしていた第3の故郷でもあるので(第1は名古屋、第2は横浜)、自分のルーツを知る為にも、原点に戻れる場所があるのは良いことだなと思います。世界が大きく動いている今、本場のエンターテインメントから時代の流れを学びたいです」
プロフィール
平野 綾(ひらの・あや)
1998年より、子役としてテレビドラマやCMなどに出演。2006年、アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の声優でブレイクを果たし、歌手としてもソロデビュー。近年は舞台を中心に活動し、ミュージカル『レディ・べス』レディ・べス役、『レ・ミゼラブル』エポニーヌ役などで鮮烈な印象を残す。2026年にソロデビュー20周年、声優デビュー25周年、ミュージカルデビュー15周年を迎える。
公演情報
Litera Theater vol.2
ミュージカル『シルヴィア、生きる』
日:2026年4月2日(木)~26日(日)
場:中野 ザ・ポケット
料:S席11,500円 A席9,500円 B席7,000円(全席指定・税込)
HP:https://consept-s.com/reborn/litera2/
問:conSept mail:info@consept-s.com