結成20周年の劇団TipTapが『星の数ほど夜を数えて』を再演 今井清隆、白木美貴子ら初演キャストに新メンバーを迎えWキャスト上演

 作・演出の上田一豪を中心とし、オリジナルミュージカルを上演する劇団TipTapが今年20周年を迎え、記念公演を行う。その第1弾は2023年初演の『星の数ほど夜を数えて』。認知症の妻と彼女を支える夫による、深く心を打つ愛の物語だ。今回の再演はWキャスト制で実施される。初演メンバーの今井清隆・白木美貴子、そして上田に再演に向けての想いを聞いた。

上田「今井さん・白木さんをお迎えし、おふたりにふさわしいものを作っていこう、というところからスタートした、我々にとってとても大切な作品です。初演は自分たちのできうる最高の作品、と自信を持って言えるものとなりました。今回、記念公演を上演するにあたり、もう一度おふたりとこの作品を作りたいと思ったのです」

今井「稽古をしていく中で作品ができあがっていったので、演者全員でものすごい集中力を発揮して臨んだことを覚えています。身近なテーマということもあり、芝居ではなく現実を突きつけられているような感覚がありました。そしてこのような作品をお届けしていくということの大切さも改めて実感しましたね。多くの方に観ていただきたいと思っていたので、再演できることがとてもうれしいです」

白木「当て書きのような作品であり、私たちの演技や歌唱をもとに、台本・音楽ともに練り直しながら完成させて下さいました。俳優として本当に幸せな経験でしたね。これまで数回出演させていただきましたが、TipTapの公演は台本・音楽が一体となり、上田さんの見ている景色へと連れて行っていただける感覚があります」

今井「⼩澤時史さんの音楽も感情をすごく揺さぶってくれますよね。そして、劇の最後の展開には私自身も驚かされました」

白木「演じる中で本当に作品を“生きている”感覚があります。お客様からたくさん実体験に基づいたご感想をいただいたことも印象深かったですね」

上田「会場一体となって感情を共有して涙し、浄化されるような舞台になったことがとてもうれしく、今回はさらに多くの方にこの作品をお届けしたいと思い、Wキャスト制をとらせていただきました。2組での公演を行うことで、新しい化学反応も起こると思います」

 最後に上田はいつか「実際の星空の下で上演したい」という想いも語ってくれた。ドラマ性が強く、映画など映像化にも向いた作品であり、今後さらなる展開が起きることに期待したい。

(取材・文:長井進之介 撮影:平賀正明)

ここ一番!という時にとる勝負メシは?

今井清隆さん
「日頃から平常心を心掛けているので、余り勝負飯とか考えた事はないのですが、歌う時はエネルギーを使うので、昔よく歌の師匠から本番前は、肉を食べろと言われていました! 肉は、魚や野菜よりも攻撃性が出るというので、敢えて無理して食べていたのですが、今は無理をすると胃がもたれてしまうので、なるべく消化の良いものをとっている様に思います!」

白木美貴子さん
「『玄米の塩むすび』
圧力鍋で炊いた無農薬玄米に国産の海塩をつけて握るシンプルなお結びです。美味しくて腹持ちが良く力が出ます。小さく握っていざという時にパクリ。そして良く噛みます。どんなコンディションの時もこれを食べれば元気が出て大丈夫!と自分に魔法がかかる私の勝負メシです」

上田一豪さん
「ここ一番!の時ってなかなかきちんと食事を取れるタイミングじゃないことが多いのですが、食べると元気を貰えたりやる気が出る食べ物といえば妻が作ってくれる『サツマイモの手作りコロッケ』です。一緒に暮らし始めた頃によく作ってくれた料理で、稽古で疲れてる時に元気を貰ってました。今では子供達も大好物で家族のご馳走になっています」

プロフィール

今井清隆(いまい・きよたか)
劇団四季で数々のステージに出演し、退団後もミュージカル『ミス・サイゴン』など、多くの舞台に出演。ミュージカル『レ・ミゼラブル』ジャベール役で1991年に第17回菊田一夫演劇賞、1996年に第4回読売演劇大賞 優秀賞を受賞。近年では、『デスノートTHE MUSICAL』夜神総一郎役の演技も話題を呼んだ。

白木美貴子(しらき・みきこ)
劇団前進座で活躍後、ミュージカル『レ・ミゼラブル』日本初演にエポニーヌとして出演。その後コゼットも演じるなど、数多くの主要な役どころを演じる。ミュージカル『CATS』グリザベラ、『リトルマーメイド』アースラなど、劇団四季での客演も注目を集めた。現在は、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』にマクゴナガル校長役で出演中。

上田一豪(うえだ・いっこう)
2006年、早稲田大学在学中に同大学ミュージカル研究会OB・OGを中心とする劇団TipTapを旗揚げ。これまで上演してきた全作品の脚本・演出を務めている。また東宝株式会社演劇部に所属し、ミュージカル『この世界の片隅に』では脚本・演出、また『四月は君の嘘』、『笑う男』などでも演出を務め、高い評価を得ている。

公演情報

TipTap20周年記念公演
第1弾 ミュージカル『星の数ほど夜を数えて』

日:2026年3月5日(木)〜15日(日)
場:すみだパークシアター倉
料:9,500円(全席指定・税込)
HP:https://tiptap.jp
問:劇団TipTap mail:tiptap0153@gmail.com

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