
井脇幸江が、踊り手たちの魅力を多角的に引き出してきた『Ballet Gala』。今回はどのような趣向になるのか。
井脇「IBCメンバーは様々な舞台で経験を重ね、各々が個性を持ち、自信を持って踊れるように成長しました。今回は、私がバレエ界で40年間踊ってきた中で培ってきたことを分け与えている団員たちを中心に、自己を表現する機会を作りたいと考えました。私は関あさみさん振付の新作『紫成』と、キミホ・ハルバートさん振付の『PATH 道』を踊ります」
IBCメンバーの髙橋ナナ・立山澄・長野ななみに、作品について聞くと。
井脇「長野の『Apfelstrudel』は、振付が音楽にマッチしていたので主役の男女を入れ、ダンサーを増やしてパワーアップ。女性プリンシパルを髙橋が務めます。
立山はダンサーとしてバレエとコンテで、同一人物とは思えないほど変化します。作品創りに長けた彼女が自作自演するとどうなるのか、楽しみです」
立山「『A Minha Casa』はポルトガル語で“我が家”。観た方に何かを受け取ってもらえるような作品にできればと考えています。創る側に立ち、緻密に世界を作る難しさと楽しさを味わっています。お客さまと私たちのエネルギー交換の場になるよう、パワーを出し切りたいです」
長野「作品には、大好きなシュトラウスの音楽から『こうもり』の序曲を選びました。音に1つずつ動きを入れたので体力勝負ですが、明るく楽しい音楽が助けてくれると思います。私はグラン・パ・ド・ドゥを含め3曲関わりますが、プレッシャーをエネルギーに変えて楽しみます」
髙橋「(長野)ななみちゃんの作品はハードですが、クラシックバレエらしからぬ動きも多く、踊っているみんなと目線を合わせられて楽しいです。タイトルはお菓子の名前なので、甘さの中にもスパイスが効いたパ・ド・ドゥになれば。個々や全体の輝きをお客さまに届けたいです」
3人にとって、井脇はどのような存在なのか尋ねてみた。
立山「クラスでは、どうやってその振りが出てくるの!?という意外性に満ちていて、刺激を受けます」
長野「“母”のような存在です。優しく見守ってくださり、やりたいことを素直に伝えられます」
髙橋「一文字で表すと“愛”。団員を温かく受け止めてくださる、有難い存在です」
井脇「彼女たちがのびのび踊り、笑っていてくれると嬉しく、幸せを感じます。舞台までの時間を充実させ、本番で出し尽くしてもらえたら」
(取材・文:木下千寿 撮影:間野真由美)

井脇幸江さん
「たくさん思い当たるので困りました! 窓の下に大きな桜の木が見えるのですが、葉が色づいていくのを見て“日本はいいな”と。朝、その日1日の食事の支度をするのですが、完成するとかなり満足して“よし!”。毎朝の、お風呂上がりのしっとりしたお肌にメイクをして身だしなみを整えると“よっしゃ!”。そして、Iwaki Ballet Companyのダンサーたちが元気にバレエ団に集まってくる時、何よりも嬉しい“いいね!”になります」
髙橋ナナさん
「“天気が良い”、“夫と過ごす時間”、“落ち葉を踏む音”、“好きな音楽を聴く”など何気ないことが私にとっての“いいね!”です。小さな幸せを幸せと思える心でありたいと思っています」
立山 澄さん
「最近“いいね!”と思ったことは、怖いことに立ち向かうことです。私は臆病者なので(笑)。きっかけは、ある女性がスカイダイビングをする映像を見たことです。ダイブする前に、サポーターから『今、どんな気持ち?』と聞かれ、その女性は『この5年間はほんとうに最悪だった』と話し始めます。そこから大事な人のために心を前向きに『新たなスタートを切る!』と勇気を出して、ダイブまでの5秒をカウントダウンします。1でついに飛び込んで、無事スカイダイブするのですが、その瞬間に『信じられない! すごく幸せ!』と涙しました。私も、何かに飛び込むまでは怖いですが、自分を疑わずに飛び込む勇気を持とうと思いました。スカイダイビングもいつかしたいです(笑)!」
長野ななみさん
「幸江さんに入館券をプレゼントしていただき、IBCの仲間とリハーサル終わりに都内の温泉施設に行きました。色々な温泉に入って温まり、お喋りしながらご飯を食べて、岩盤浴でじっくり汗を流し、心も身体もとても良いリフレッシュになりました」
プロフィール

井脇幸江(いわき・ゆきえ)
Iwaki Ballet Company 芸術監督。東京バレエ団ではプリンシパルとして数多くの公演に出演。類まれなる表現力とテクニックで、世界的に高い評価を受ける。2012年、Iwaki Ballet Company を設立。オリジナル作品を上演するなど、意欲的な活動を続けている。

髙橋ナナ(たかはし・なな)
2015年、IBC『眠れる森の美女』に外部から出演。研修生を経て2019年より団員として活躍。現在はIBCを代表するダンサーとして、主要な役どころを担っている。

立山 澄(たてやま・さやか)
2019年に準団員としてIBCへ入団。翌年より正団員となり、ソリストとして活躍。コンテンポラリーの振付家としても活動し、今回は初の自作自演での出演となる。

長野ななみ(ながの・ななみ)
谷桃子バレエ団で活動後、2020年にIBCに入団。入団後は全ての公演に出演し、存在感を高めている。作品を創ることにも才能があり、本公演では『Apfelstrudel』を上演する。
公演情報
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井脇幸江 舞踊生活40周年記念公演『Ballet Gala 2026』
日:2026年2月8日(日)15:30開演(14:45開場)
場:新宿文化センター 大ホール
料:SS席10,000円 S席9,000円 A席7,000円 B席5,000円(全席指定・税込)
HP:https://ibc.yukie.net
問:Iwaki Ballet Company tel.03-6274-8477
