結成10周年の挑戦。珠玉の代表作が再演! 年齢・性別・人種・過去を超えて夜間中学に集う人々の絆を描く物語

結成10周年の挑戦。珠玉の代表作が再演! 年齢・性別・人種・過去を超えて夜間中学に集う人々の絆を描く物語

 嘘のない“真実の芝居”の追求、観客と演者が共鳴し、魂を揺さぶる瞬間の創造を目指す劇団狼少年が結成10周年を機に、連日キャンセル待ちの大反響を生んだ珠玉の名作を再演する。演劇の聖地・下北沢 本多劇場での初公演を皮切りに待望の映画化、そして地方公演として仙台と初の大阪公演も組まれた。
 様々な境遇を背負った人々の絆が集う夜間中学を舞台に、絆を紡ぐ尊さとコミュニティのあり方、他者を想い行動することの普遍的価値を問う物語は、新たなキャストを迎えどんな景色を見せるのだろうか? 出演だけでなく演出も手掛ける、劇団狼少年 主宰の奥津裕也と、出演する祐真キキの2人に話を聞いた。


―――劇団結成10周年おめでとうございます。奥津さんにお伺いしますが、振り返るとどんな10年だったでしょうか?

奥津「振り返ってみると、この10年は色んな人たちとの出会いと別れの繰り返しだったなと思います。個人的なことになりますが、大切な友人を突然亡くしたことが本作を書くきっかけとなりました。とてもショックを受けたと同時に、時間は有限だなと痛感し、その瞬間をどう生きるかという問いと亡き友への思いも含めた芝居をつくりたいと思いました。
 自分の作品は社会からドロップアウトした人達を描くことが多く、それぞれ事情を抱えながらも再スタートや目標に向かって挑戦する人達が集まる夜間中学を舞台に選びました」

―――初の本多劇場公演に、本作を選んだ理由も教えてください。

奥津「これまで一度も再演をしたことがなかったのですが、過去作の中で特に反響の大きかった本作を、自分も経験を重ねた今、改めて脚本と向き合い、書き直し、皆さまに提示してみたいと思うようになりました。
 自分は、演劇を通して人と人の”和”をつないでいくことに使命感を持っています。小さな下北沢から日本各地、世界中へとその和を広げていけたら世の中が変わるのではないかと思っています。芝居をやっている人間にとって本多劇場は、長い歴史があり聖地のような場所です。”何か”が宿っているその空間で、より多くの方々にその和を感じ、一部になっていただきたい。そのために力のある本作を上演しようと決めました」

―――再演の新キャストに、ハリウッドでも活躍された祐真キキさんを起用されましたね。

奥津「元々、養成所時代からすごい素敵な子だなと思っていたので、いつか一緒にやってみたいなと思っていたので、今回、タイミングが合って是非!とお声がけしてもらいました。本作ではかなりパンチの効いた役どころを演じてもらいます」

祐真「養成所時代の先輩で、仲良くさせてもらっていました。お互い何かやりたいねと言っていて、彼が劇団をやっているのは知っていたので、今回それが実現するので楽しみです。
 本作の初演はまだ観たことがないのですが、狼少年さんは『嘘つきたちのアモーレ』は観させてもらって、すごい圧倒されました。エネルギーがすごくて、奥津さんの舞台に出たいと思っていたので、それがようやく叶ったという感じです」

―――物語にどのような印象を持ちましたか?

祐真「これから台本を読み込むので、まだイメージでしかないですが、様々な事情で義務教育(中学校)を修了できなかった人たちが、決意して夜間中学に通う姿は1つのチャレンジのように思えます。
 私自身にとっても舞台出演は久しぶりで、今まであまり経験のない突っこみ役という部分も相まって挑戦という感覚があります。一方で強がっているところとか、小・中学時代の自分と重なる部分もあるので、そこを掘っていけば面白いかなと思います」

―――祐真さんは、演劇の舞台はお好きですか?

祐真「舞台はめっちゃ好きです!と言いながら、実は今回で3回目なんですけど(笑)。その瞬間瞬間で感じられる空気感がとても好きで、シーンごとに細かく区切られて、完成するまで全体像が分からない映像作品とはまた違った魅力があると思います。演じるという意味では一緒ですが、舞台はライブ感が面白いですね。
 芝居をする上で限られたルールの中でいかに自分の自由を表現できるかを追求していて、舞台だと映像より出来るんじゃないかと感じています。映像として残らない分、心が自由になる感覚がありますね」

奥津「キキに演じてもらうキャラクターはまた初演時とは大きく変わると思います。今回、キキがやるならばどんな感じになるかを考えて演出しますし、この役はこうだからこうして!と押し付けるのは好きじゃない。勿論、キャラクターの軸は守りますが、演じる人間が違えば全然違ってくる。お互いそれに合わせて創っていければいいなと思います。
 そういう意味では、キキはすごいハングリーだし、抜群に芝居が好き。自分の主張もしっかり持っている。またハリウッドで長い時間やっていたというカルチャーは彼女しか持っていないもの。そこに長年、日本の演劇界でやってきたベテランの役者さんが加わることでまた新たな化学反応が起きる気がします。一人ひとりが色んな球を投げ合いながら、面白いコントラストを描けたらなと楽しみにしています」

―――本作が今後のキャリアの1つの転機になりそうですね。

祐真「そうですね。これから舞台出演を増やしていきたいなと考えていたりします。でも私も欲深くて、創りたいなと思っている部分も正直ありますね。だから奥津さんをしっかり観察して学びたいと思います!」

奥津「でもきっといつか一緒に創るでしょうね。それは分かっています。彼女はやる人なので」

―――最後に読者にメッセージをお願いします。

祐真「是非、皆が役として生きている姿を観に来て欲しいです。劇場でお待ちしています!」

奥津「板の上で躍動する人間の熱量は演劇の醍醐味ですし、ライブでしか感じられないものです。初演を上回るものにしますので、是非ご来場ください!」

(取材・文&撮影:小笠原大介)

プロフィール

祐真キキ(すけざね・きき)
1989年生まれ、京都府出身。主な出演作に、アメリカ・NBCドラマ『HEROES REBORN / ヒーローズ・リボーン』、『The Terror: Infamy』など。

奥津裕也(おくつ・ゆうや)
1984年生まれ、宮城県出身。主な出演作に、映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』、『ピストルライターの撃ち方』、韓国ドラマ『愛のあとにくるもの』など。

公演情報

劇団狼少年 第15回公演『晩カラ学校』

日:2026年2月19日(木)〜23日(月・祝)
  ※他、大阪・宮城公演あり
場:下北沢 本多劇場
料:VIP席[特典付]11,000円 一般席6,800円
  世田谷区民割[枚数限定]5,800円
  学生割3,800円 ※各種割引は要身分証明書提示
  (全席指定・税込)
HP:https://www.ohkamishow.com/stage15
問:劇団狼少年制作 mail:stage@ravencom.jp

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