嘘のない“真実の芝居”の追求、観客と演者が共鳴し、魂を揺さぶる瞬間の創造を目指す劇団狼少年が、結成10周年を契機に、連日キャンセル待ちの大反響を生んだ珠玉の名作を、演劇の聖地・下北沢の本多劇場で初上演する。
様々な境遇を背負った人々が集う夜間中学を舞台に、絆を紡ぐ尊さと、コミュニティのあり方、他者を想い行動することの普遍的価値を問う物語は、新たなキャストを迎え、どんな景色を見せるのか? 劇団初出演となる山本亨と主宰の奥津裕也に話を聞いた。
山本「奥津くんとは他団体での共演を機に仲良くなりまして、何か一緒にできたらいいなと思っていたところ、彼の劇団で公演があることを知り、是非!とお願いして快く引き受けてくれました。本当に良いタイミングだったと思います。脚本を一読したところ、強面の奥津くんからは想像がつかないと言ったら大変失礼ですが(笑)、すごく温かく繊細な印象を持ちました。夜間中学を舞台に、年齢も事情も異なる人たちがそれぞれの目標に向かい、再チャレンジをする姿を描く素敵な作品です。
私はこれまで立ち回りがある作品への出演が多かったので、自分にとっても挑戦ですね。実は私の父も教師をしていたので、何か不思議な縁を感じています。奥津くんの本作にかける熱量は言葉に表せないものであり、きっと皆様が共感できる瞬間が多く詰まった作品になるはずです。是非、奥津くんが描く素晴らしい世界を体験してください」
奥津「コロナ禍からの再スタートを含め、この10年、色々な事がありました。沢山の方に助けてもらい、作品を通じてその恩返しをしたいという思いと、演劇の聖地・本多劇場で公演を打ち、1つの通過点にしたいという思いがあり、反響が大きかった本作の再演を決めました。夜間中学を舞台に、失敗しても、立ち止まっても、再スタートを切って歩き始めること、行動することが大切だよという大きなテーマを込めています。加えて、色んな正義が振りかざされて価値観がぶつかり合う現代において、いかに自分の曇りない心で世界を見て判断し、人とどう接するかというテーマも込めました。
ずっとご一緒したかった山本亨さんをはじめ、たむらもとこさん、及川奈央さん、祐真キキさんら、各界で活躍する豪華キャストの方が揃ってくださり、新たな『晩カラ学校』が生まれることは間違いないです。是非、劇場で体験してください」
(取材・文:小笠原大介 撮影:平賀正明)
プロフィール
山本 亨(やまもと・あきら)
1961年生まれ、滋賀県出身。1979年にJAC(ジャパンアクションクラブ)へ入団して以降、坂東玉三郎演出舞台作品や、つかこうへい作品などで主演級を演じ続け、劇団☆新感線・パルコ・新国立劇場など多くの舞台・映像で活躍。主な出演作に、ドラマ『半沢直樹』、『ブラックペアン』、NHK 連続テレビ小説『おかえりモネ』など。
奥津裕也(おくつ・ゆうや)
1984年生まれ、宮城県出身。2023年、主演を務めた映画『曖昧な楽園』が第36回東京国際映画祭 コンペティション部門にノミネート。また、新藤兼人賞 金賞を受賞するなど輝かしい実績を残す。主な出演作に、映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』、『ピストルライターの撃ち方』、韓国ドラマ『愛のあとにくるもの』など。その他にも、近日公開の出演作が多く控えている。
公演情報
劇団狼少年 第15回公演『晩カラ学校』
日:2026年2月19日(木)〜23日(月・祝)
※他、大阪・宮城公演あり
場:下北沢 本多劇場
料:VIP席[特典付]11,000円 一般席6,800円
世田谷区民割5,800円 学生割3,800円
※各種割引は要身分証明書提示
(全席指定・税込)
HP:https://www.ohkamishow.com/stage15
問:劇団狼少年制作 mail:stage@ravencom.jp