クリスマス・シーズンのひとときを、美しく艶やかな歌声と共に ジョン・健・ヌッツォが贈る、スペシャルなコンサート

 美しいリリック・テノールで聴衆を魅了するジョン・健・ヌッツォ。毎年クリスマスの時期に開催するクリスマス・コンサートも今年で11回目。ファンにとって恒例行事になっているようだ。

 「客席を見ると、いつもお越しくださるみなさんがズラッと(笑)。もともとはクリスマスに素敵な場所で聴きたいというご意見から始まりました。アンケートには『次はこの曲を』という声の他に、『このホールで歌ってほしい』というご意見もあります。みなさん好きなホールがあるんですよ」

 今回の会場は、TOPPANホール。クラシック向けのホールとして超一流だ。

 「僕の歌い方は、肩の力を抜いて会場の空気に乗せて響かせるスタイルです。決して力任せな歌い方ではありません。だから自然と会場は決まってきます。TOPPAN ホールは2回目ですが、歌いやすいホールだと思います。ここは最初にウィーン・フィルのメンバーが僕に教えてくれたんですよ」

 そんなジョンにとってのクリスマス・シーズンの想い出を尋ねると。

 「子どもの頃は家族で過ごしていました。大きなツリーを買ってきて、みんなで飾りつけをする。それでターキーとかを食べてね。学生時代は“クリスマス=歌うこと”でした。アルバイトで、あちらこちらの教会で歌うんです。カトリックもプロテスタントも。ゴスペルだって歌いましたよ(笑)」

 当日の選曲はこれからということだが、クリスマスにちなんだ曲が多くなるはず。彼の歌声をピアニスト・丸木かすみがサポートし、さらにシアトルに拠点を置くヴァイオリニスト・橋森ゆう希がゲスト出演する。

 「丸木さんは、その時の感情、声の状況、さらには会場との間で変化する僕のスタイルにすぐに合わせてくださいます。橋森さんは以前、僕が『カルミナ・ブラーナ』を歌ったときのオーケストラでコンサートマスターをされていてご一緒しましたが、ソロ奏者としては初共演です。シアトルにお住まいで、アメリカのクリスマスも知っているから話も合う。何を投げかけても大丈夫かなと思います」

 聴衆はもちろんだが、ジョン自身が楽しみにしているこのクリスマスコンサート。最後に読者へのメッセージをお願いした。

「“I love you everybody.”そして“Merry Christmas,Pray for the family,Pray for the World.”ですね」

(取材・文:渡部晋也 撮影:間野真由美)

プロフィール

ジョン・健・ヌッツォ(じょん・けん・ぬっつぉ)
2000年にウィーン国立歌劇場デビューし、オーストリア芸術新人大賞受賞。ウィーン・フォルクスオーパー、ザルツブルグ音楽祭に出演。2003年にメトロポリタン歌劇場に出演。「NHK 紅白歌合戦」への出演やNHK 大河ドラマ『新選組!』メインテーマの歌唱など、クラシックファン以外にも知名度を誇る。上皇上皇后両陛下とローマ教皇に歌声を披露した経験を持つ他、MLB、NFLやサッカー国際試合で国歌斉唱も務める。グルベローヴァ、ゲオルギュー、ブルゾン、ヌッチなどの世界の名歌手や、国内外のオーケストラへ客演。近年は、ドミンゴと歌劇『真珠とり』の二重唱や、世界的ホルン奏者 バボラークとブリテンの珠玉の名作を共演し称賛を得る。2024年に沖縄・中城城跡で野外オペラ『ラ・ボエーム』、2025年は、ピラミッドを背景にエジプト・日本交友公演へ出演。歌曲「詩人の恋」や「日本の歌」、さらにはJAZZLIVEやテレビ番組「SONG vs DANCE」に出演するなど、ジャンルを超えて精力的に活動している。

公演情報

第11回 ジョン・健・ヌッツォ クリスマスコンサート

日:2025年12月20日(土)14:00開演(13:30開場)
場:TOPPANホール
料:6,800円(全席指定・税込)
HP:https://www.jkn-tenorissimo.com
問:東京アーティスト協会 tel.03-6261-4348

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