小出恵介6年振りの舞台主演! 小栗了演出で贈る注目作 兄弟の愛と憎悪のドラマを通し人間の変わらぬ本質を描く

 ドイツの文豪・シラーの戯曲『群盗』を小出恵介主演、小栗了演出で舞台化。2人は小栗の弟・旬を介した旧知の仲で、本作で小出が舞台復帰を果たす。


小出「舞台は6年振りで、また演劇に向き合えて幸せです。ただ初日から張り切り過ぎて、本読みですでに声が枯れました(笑)」

小栗「小出くんが受けてくれた時点で、もう大丈夫だろうという想いが僕の中にありました(笑)。彼は良い意味で色を持たずに役に臨んでくれていて、アメリカ留学での確かな進化を感じます」

小出「アメリカで沢山のエンタメに触れ、学校に通い、自分が“演劇ってこういうものだ”と考えていたものが変わりました。“こんな芝居があってもいいよね、だってそれが成立してるのを観てきたから”と思えるようになった。それを今ここでようやく生かせる気がします」

舞台は18世紀ドイツ。伯爵家の長男・カールは弟の策略で家を追われ、盗賊に身を落とす――。

小栗「18世紀の作品だけど、今も上演されているのは人間の本質が変わってないから。この登場人物はみんなすごく揺れていて、誰に感情移入するかで物語の見方も変わると思う。中でもカールの生き様をきちんとみせられるよう意識して書きました」

小出「僕はカールを演じますが、彼の言動には若さがあって、そこは自分にはないところ。ただ僕はあまり自分に役を寄せずに遠くから眺めるタイプ。周りがイメージするカール像を見ながら稽古で探っていきたい。何より了くんの現場はみんなが分け隔てなくどんどん発言できる空気があって、またそこで生まれてくるものがあると思うんです」

小栗「ひとりの人間が考えられる領域ってわずかだから、僕ひとりで作りたくないと思っていて。役者が自由に意見を交わし、それをまとめるのが僕の仕事。若い役者も良いアイデアはあるし、みんなが萎縮せずにいられれば、同じ方向を向けるはずだから」

両者の記念すべき初タッグであり、新たなスタートとなる本作。舞台にかける想いを聞いた。
小出「ただ真摯に向き合いたい。アメリカでの経験が自ずと舞台にも出てくると思うので、劇場で見届けて頂けたら嬉しいです」

小栗「僕の中の一番のテーマは、古典は難しくないよと伝えること。これを観た方がまた古典を観たいと思って頂ける作品にできたらと。劇場という異空間で登場人物たちと共に心動かし、涙してもらえたらと願っています」

(取材・文:小野寺悦子 撮影:平賀正明)

ちょっと疲れた時、気持ちを切り替えたい時におすすめなリフレッシュ方法を教えてください!

小出恵介さん
 「ついついネットショッピングしちゃうことですね。ああいう時間が意外とリフレッシュになっているかもしれないですね。ちょっとした撮影の間にポチッとしてしまったり……。最近は稽古場に弁当を持ってこようと思っていて、まずは風呂敷を買い集めています(笑)」

小栗 了さん
 「最後まで観切れないなと分かりつつも、夜中にソファで映画を観ることですかね! やっぱり途中で寝落ちするのですが、どこまで観たか分からなくなって、それでまた明日仕事して帰ってきて、夜観ようってなる。それが活力になっているときがありますね!」

プロフィール

小出恵介(こいで・けいすけ)
1984年2月20日生まれ、東京都出身。慶應義塾大学文学部卒業。2005年、日本テレビ系ドラマ『ごくせん』でデビュー。同年、映画『パッチギ!』に出演し注目を集める。以降、TBS系ドラマ『ROOKIES』、フジテレビ系ドラマ『のだめカンタービレ』、TBS系ドラマ『JIN-仁-』、NHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』、映画『僕の彼女はサイボーグ』、映画『風が強く吹いている』など様々な作品に出演。

小栗 了(おぐり・りょう)
1976年9月5日生まれ、東京都出身。1995年、映画監督を目指し渡米。2001年帰国、蜷川幸雄の舞台やスティーヴン・セガール主演の映画に出演。2006年、俳優引退と同時にオペラ制作会社アートクリエーションに入社。2007年、イベント制作会社NACの取締役に就任。2007年よりシルク・ドゥ・ソレイユシアター東京の立ち上げに携わり、日本スタッフ代表を務める。その後、企業イベントの企画・演出・制作・進行からアクロバットショー・格闘技・演劇・クラシックコンサートの演出などジャンルレスに活動。

公演情報

舞台『群盗』

日:2022年2月18日(金)~27日(日)
場:富士見市民文化会館 キラリ☆ふじみ メインホール
料:S席9,000円
  A席6,500円(全席指定・税込)
HP:https://www.mizuhodai-warehouse.jp/
問:群盗実行委員会(合同会社VOLTEX)
  tel.049-275-0022(平日10:00~17:00)

インタビューカテゴリの最新記事