青山季可× 清瀧千晴のプリンシパルペアで贈る不朽の名作 4年ぶり全幕上演! 牧阿佐美バレヱ団の新年第一弾東京公演『白鳥の湖』青山季可× 清瀧千晴のプリンシパルペアで贈る不朽の名作

 牧阿佐美バレヱ団の2022年第一弾東京公演は、チャイコフスキー三大バレエのひとつ『白鳥の湖』。本公演での全幕上演は4年ぶりで、プリンシパルの青山季可と清瀧千晴が主役を踊る。

清瀧「季可さんと本公演で『白鳥の湖』を踊るのは初めてです。季可さんは音の解釈や顔の僅かな角度まで考え、舞台全体の見え方を追求していく。それにより印象も全く変わり、いい作品作りになっているのを感じます」

青山「全体の見え方はやはり意識します。特に難しいのが2幕。そこで二人が揃えば一体感が生まれ、感情も伝わると思います。千晴くんは優雅で呼吸も合い、凄く踊りやすいです」

 『白鳥の湖』といえばいわずとしれた古典バレエの金字塔であり、両者にとっても特別な作品だと語る。

青山「初めて主演したのはバレエ団50周年記念公演でした。代々のプリマが踊ってきた作品で、私にとっては主演デビュー作であり、当時も今も大切な作品です」

清瀧「王子デビューは4年前の本公演。三大バレエの中でも『白鳥の湖』は王子を軸に物語が進み、成長する過程を表現しなければならない。他の王子とは違う難しさがありました」

 古典の役をどう演じるか。踊り手により表現も違い、見せ場でもある。

清瀧「王子は古典的な動きが多いので、まず基礎が求められる。いかにキレイなラインをみせられるか、それが王子らしい型や品に繋がると考えていて、普段の稽古や立ち居振る舞いから意識するようにしています」

青山「オデットは人間らしさと白鳥のバランスが難しい。私は感情を前面に押し出すというよりは、2幕初めは白鳥で、アダージョを経て少しずつ人間らしさや王子との関係性を出していけたらと考えています。黒鳥は目線で王子を引っ張り、駆け引きをする。“オデットとは違う魅力的な自分を見て”という気持ちで踊っています」

 バレエ団を背負う二人が挑む不朽の名作。そこで目指すものとは?

清瀧「踊るにつれ課題が増えていて、一つずつそれを消化していけたらと。そして自分たちにできる一番いい踊りをお見せできたらと考えています」

青山「すべきことは沢山あって、一瞬たりとも気が抜けないし終わりはない。ただ千晴くんとだからできることがあるはずで、気持ちを合わせていい舞台にしたいと思います」

(取材・文:小野寺悦子 撮影:間野真由美)

新年を迎えるにあたり、まっさらな気持ちで書初め! ……をするとしたら、どんな想いを込めて、何と書くか教えてください!

青山季可さん
『柔軟な心』
「こだわることが大切なときもあると思いますが、こだわりすぎると立ち往生したりすることも。年を重ねると共に、視野を広く持つことの大切さやメリットを感じています。柔軟な心と身体で、日々を過ごしていきたいと思います。」

清瀧千晴さん
『心身一如』
「2021年はコロナ禍の影響で “舞台で踊れないかもしれない”という不安を抱えながら活動してきました。そんな状況だったからこそ、改めて自分の身体や心の状態を見つめ直す時間も多かったように思います。バレエ以外のトレーニングや新しい治療を取り入れるきっかけとなった年にもなりました。
2022年は前年に感じた心身のバランスの乱れを自分なりに整えて、良い舞台創りに繋げたいと思い『心身一如』を書き初めにしたためようと思いました」

プロフィール

青山季可(あおやま・きか)
大阪府出身。3歳で川上恵子バレエ研究所にてバレエを始める。A.M.ステューデンツ 第18期生。橘バレヱ学校、英国ロイヤルバレエスクール、ジョン・ノイマイヤー・ハンブルクバレエスクールで学び、2001年牧阿佐美バレヱ団入団。主なレパートリーに、『眠れる森の美女』オーロラ姫、『くるみ割り人形』金平糖の精、『ドン・キホーテ』キトリ、『ジゼル』ジゼルなど。

清瀧千晴(きよたき・ちはる)
群馬県出身。3歳よりバレエを始め、石井はるみバレエスタジオで学ぶ。A.M. ステューデンツ第24期生。モスクワ・ボリショイバレエ学校留学、橘バレヱ学校卒業。2007年牧阿佐美バレヱ団入団。2008年文化庁芸術家在外研修員としてモスクワ・ボリショイバレエ団へ留学。主なレパートリーに、『くるみ割り人形』王子、『ドン・キホーテ』バジル、『ロメオとジュリエット』ロメオなど。

公演情報

牧阿佐美バレヱ団 白鳥の湖(全幕)

日:2022年2月5日(土)15:00開演・6日(日)14:00開演 ※開場は開演の1時間前
場:なかのZERO 大ホール
料:S席11,000円 A席7,000円 B席3,000円 学生券2,000円(全席指定・税込)
HP:https://www.ambt.jp/ 
問:牧阿佐美バレヱ団 tel.03-3360-8251(10:00~18:00/土日祝休)

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