関西発、十人十色の少年たちが魅せる最高の“米ディ” 新たな旅立ち 現メンバーでの最後の公演「寂しさが吹き飛ぶほどの笑顔を届けたい」

関西発、十人十色の少年たちが魅せる最高の“米ディ” 新たな旅立ち 現メンバーでの最後の公演「寂しさが吹き飛ぶほどの笑顔を届けたい」

 関西で育った10代の少年たちで結成された演劇ユニット 神戸セーラーボーイズ(以下、神戸セラボ)。定期公演vol.4 RICE on STAGE『ラブ米』~Golden wheat~を最後に、中川月碧・明石侑成・奥村頼斗の3人の卒業が発表された。現メンバーでのラスト公演は、お米を擬人化した、ちょっとシュールで笑い満載のハートフルなエンターテインメント“米ディ(コメディ)”。
 「家族よりも、学校の友人よりも、一番長い時間を一緒に過ごした」という彼らは、一体いま、どんな思いで公演に臨もうとしているのか。卒業する中川月碧とそれを見送る細見奏仁に、卒業と神戸セラボへの思い、そして公演に対する意気込みを聞いた。


―――中川さんは、『ラブ米』を最後に神戸セラボを卒業されるとのことですが、今どんなお気持ちですか?

中川「それが全然実感がなくて。去年、(塚木)芭琉くんが卒業したんですけど、1人抜けただけで大きく空気が変わったのを実感したので、来年度から一気に3人抜けてしまうってなると、どうなるんやろうっていう心配と期待と……色々な感情があります」

―――神戸セーラーボーイズで過ごした時間は、中川さんにとってどんな時間でしたか?

中川「俯瞰してみると、”これは本当に現実なのか”っていうような思い出がいっぱいです。SNSとかも、自分の投稿を見返してみると、この1~2年の出来事とは考えられないほどぎゅっと色々詰まってて。辛いこともたくさんあったんですけど、それ以上にファンの方に応援していただけたことが本当に幸せでしたし、素敵な経験がいっぱいありました」

―――細見さんから見て、中川さんはどんなリーダーでしたか?

細見「ほんまに頼りがいのあるリーダーです。僕たちのことをすごく見て考えてくれてるんだなっていうのを、日頃の稽古や、ちょっと会話を交わすだけでもにじみ出てくる優しさとかで感じてました」

―――これから細見さんは神戸セラボを引っ張っていく立場になるわけですが、どんなチームにしていきたいですか?

細見「3人が卒業した後の神戸セラボは、だいぶ初々しくなると思うんです。今までも“かわいい”で許されてしまう環境が怖かったし、課題でもあったんですけど、これから新しくなる神戸セラボはそうなりかねないと思っていて。プロとして舞台に立たせていただく心持ちや感謝、人間としての基礎も大切にして、関わってくださったゲストの方や先輩方が見せてくれた背中をちゃんと受け継いでいきたいです。
 “とにかく元気で前向きで未来しか見えてなくて、まだ経験も浅い10代がただがむしゃらにがんばる”、そんな神戸セラボらしさを大切にしたいですね」

―――細見さんは、今、作曲の方も絶賛修行中とのことですが、昨年の8月公演(定期公演vol.2 舞台「銀牙 -流れ星 銀-」)で披露された「MAGIC MUSIC」は、中川さんと細見さんの共作だったんですよね。

細見「1つのものを作るのに複数人で関わると、絶対意見のぶつかり合いってあるじゃないですか。でも月碧くんとは一度もなかったんです。音楽一家でピアノを弾いて育ってきた自分と、音楽の中でひたすら踊ってきた月碧くんと、ジャンルは違えど環境は一緒っていうのがあって、音楽に対する考え方とか似てて。作詞を固めていくのも2人でやったんですけど、どっちが主軸になって作っていくとかは全くなくて、本当に半々でした」

中川「お互いに絶対こだわりが強いはずだし、性格的にも妥協しないタイプなのに、奇跡なんじゃねって思うぐらい(笑)。お互いをリスペクトし合っているのを感じて、すごくうまくいった楽曲制作でしたね」

―――今後も一緒に制作する予定はありますか?

細見「まじで帰ってきてください(笑)」

中川「本当に、僕のひとつの目標というか夢なんですけど、卒業してからも何かしらで神戸セラボに関われたらなと思っていて。振付とか、そういうところで神戸セラボにも恩返しができたらなって思ってます」

―――次回公演『ラブ米』に臨む思いを聞かせてください。

中川「この2年の集大成というか、頂いたものをパフォーマンスでお返しできるように、舞台上でお客様への“ありがとう”を表現できたらいいなと思います」

細見「卒業公演と思えないぐらい笑える公演になると思うので、何も思い残すことのない心からの笑顔で卒業していってほしいと思いますし、メンバーも、観にきてくださったお客様も、関わってくださった皆さん全員が“寂しい”っていう言葉を忘れるぐらいの公演にしたいです」

―――今回は初の東京公演ということですが。

中川「東京公演は僕たちの大きな目標のひとつだったので、プレッシャーもありますけど、新たに知っていただける機会になればいいなと思います。今まで関東に住んでいて僕たちを観に来られなかった方々にも、観にきてよかったな、これから応援しようって思っていただけるようにがんばります」

細見「僕は最初、東京公演って聞いた時に、卒業公演やのにまだチャレンジするのかって思いました(笑)。嬉しいことですし、神戸セラボらしいなって思います。そもそも神戸セラボは神戸を拠点に関西の魅力をどんどん発信していくっていうユニットなので、その第一歩をここまで一緒にがんばってきたメンバーで踏み出せるのも嬉しいです」

―――どんな公演になりそうですか?

中川「今までの定期公演とはガラッとちがう雰囲気になる気がします。このメンバーでコメディができるっていうのが楽しみですね。面白いものが生まれそうで、すごくわくわくしています」

―――コメディということで、関西人の血が騒ぐのでは?

細見「めっちゃ騒ぎます!新喜劇になりかねない(笑)」

中川「負けないようにしないと(笑)」

(取材・文:前田有貴) ⓒRICE on STAGE「ラブ米」 Ⓒ神戸セーラーボーイズ

プロフィール

中川月碧(なかがわ・るきあ)
2006年5月13日生まれ、大阪府出身。メンバーカラーは赤。神戸セラボではリーダーを務める。特技はダンス。趣味は、ファッション・音楽鑑賞。好きな言葉は「日進月歩」。

細見奏仁(ほそみ・かなと)
2008年6月22日生まれ、大阪府出身。メンバーカラーは緑。特技は、ピアノ・作曲。趣味は、テナーサックス、腕時計のサイトを眺めること。好きな言葉は「継続は力なり」。

公演情報

神戸セーラーボーイズ 定期公演vol.4
RICE on STAGE「ラブ米」~Golden wheat~

日:2025年3月14日(金)~16日(日)
  ※他、東京公演あり
場:AiiA 2.5 Theater Kobe
料:6,300円(全席指定・税込)
HP:https://kobesailorboys.com
問:ネルケプランニング
  公式HP内よりお問合せください
  https://www.nelke.co.jp/contact/

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