生活の助けになるようなメッセージやアイデアを受け取れる作品 〝特別〟ではない1人の女性のドラマを届けられたら

生活の助けになるようなメッセージやアイデアを受け取れる作品 〝特別〟ではない1人の女性のドラマを届けられたら

 演出家 大河内直子とプロデューサー 田窪桜子による演劇ユニットunratoが、アメリカの劇作家 ローレン・ガンダーソン作『Silent Sky』を上演。女性に研究者としての地位がなかった20世紀初頭、ハーバード大学天文台で研究を続け、天文学史に残る発見をした天文学者ヘンリエッタ・スワン・レヴィットの生涯をベースに、学問への情熱や周囲の人々との交流を描く。主演を務める朝海ひかるに話を聞いた。

 「unratoのお二人とは昔からのお付き合いで、飲み友達のような感じで仲良くして頂いていました。今回お話を頂き、やっとお仕事ができる!と嬉しかったです。脚本を読み、ヘンリエッタの情熱とその功績に尊敬の念を抱きました。この時代にこれを成し遂げるには、現在の私たち以上に熱い思いが必要だったと思いますし、彼女たちの頑張りのおかげで今の自分たちがあるんだと改めて感じました」

 天文学には詳しくないという朝海。戯曲を読み、驚いたことも多いと語る。

 「学校で宇宙は無限に広がっていると教わったけど、昔は有限だと考えられていたのを初めて知りました(笑)。また、星や宇宙にはロマンや壮大さを感じますが、そこに携わる方は日々地道にデータを集め、数字と向き合ってきたなど、天文学について知るたびに驚いています。でも、戯曲自体が凄くわかりやすいので、観ている方に天文学の研究に関する作業などが自然と伝わると思います。天文学の知識はお話の中で消化させ、人間ドラマに重きを置いてヘンリエッタという女性を作り上げていきたいです」

 今回は高橋由美子・松島庄汰・保坂知寿・竹下景子との五人芝居。

 「皆さん素晴らしい役者さん。松島さんだけはお会いしたことがないので、どんな方でどんなお芝居をされるのか楽しみです。この作品は身近な人との支え合いが描かれているので、皆さんと密にコミュニケーションをとって信頼関係を作っていき
たいと思っています」

 朝海は作品を通して明日への活力を届けたいと意気込む。

 「とても贅沢なメンバーが揃っていますから、期待して頂きたいと思います。ヘンリエッタという女性は、なかなか思うような働きができなくても、できることからコツコツ積み上げて功績を残した方。観てくださった方の生活の助けになるようなアイデアも詰まっているかもしれません。実在した女性なので、リアリティも受け取ってもらえると思います」

(取材・文:吉田沙奈 撮影:平賀正明)

これがないと落ち着かない! カバンの中に必ず入っているものはありますか?

「リップクリームです。唇が渇いてくると、なんともイヤな感覚になってくるので、保湿力重視です。宝塚歌劇団を退団したころからの習慣ですね。忘れてしまったときは、途中で買いたくなるほど。特に決まったものはないので、自然由来の素材で、唇がぷるんとなって、保湿力があるリップクリームがあれば教えてください」

プロフィール

朝海ひかる(あさみ・ひかる)
1月24日生まれ、宮城県出身。1991年、宝塚歌劇団に入団。2002年、雪組男役トップスターに就任。2006年、『ベルサイユのばら』では主演のオスカル役が好評を博す。同年、宝塚歌劇団を退団。その後もミュージカル・ストレートプレイ・映像などで活躍。

公演情報

unrato #12『Silent Sky』

日:2024年10月18日(金)~27日(日)
  ※他、大阪公演あり
場:俳優座劇場
料:一般8,800円 
  学生5,500円(全席指定・税込)
HP:https://ae-on.co.jp/unrato/silentsky/
問:アイオーン mail:info@ae-on.co.jp

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