古典からコンテンポラリーまで、個性の違う3作品が一同に バレエ団の垣根を越えて集結したダンサー達による、珠玉のトリプル・ビル

古典からコンテンポラリーまで、個性の違う3作品が一同に バレエ団の垣根を越えて集結したダンサー達による、珠玉のトリプル・ビル

 バレエダンサー・刑部星矢が小林麻彩と共に主宰するGKBパフォーマンス&ワークショップが、2回目のプロフェッショナルパフォーマンス公演を開催する。普段はNBAバレエ団のファーストソリストとして活躍する刑部に公演への抱負を聞いた。

刑部「なんの後ろ盾もない1ダンサーによるイベントだけど、開催するなら大きなところに負けないものをやろうと思ったし、バレエ団の垣根を越えた公演をやりたかったんです。実際には僕が突っ走って、そのフォローをバレエミストレスでもある小林がやってくれています」

 演目は3作品。まず『ラ・バヤデール』から、『舞姫』と『ラ・バヤデール』の2作品。刑部「『ラ・バヤデール』は2幕の婚礼のシーンをスタンダードな形で上演します。もう1つの『नर ्तकी – 舞姫』は、1幕のシーンをNBAバレエ団常任振付家の安西健塁さんに新たに振り付けていただき、さらに室内楽の四重奏とコラボレーションした舞台になります」

 『ラ・バヤデール』で刑部と踊るのは、新国立劇場バレエ団プリンシパルの小野絢子。

小野「2年前にNBAバレエ団の『ロミオとジュリエット』で呼んでいただき、刑部さんとはその時にペアを組んでからのご縁ですね。『ラ・バヤデール』2幕のガムザッティは、ほぼほぼ初めてなんです」

刑部「実は公演の出演者や内容が決まらず、一度挫折しかけて会場をキャンセルしようと小林と決めました。でも未練があって絢子さんに声を掛けてみようと思ったんです。そうしたら快諾いただいたので、急遽会場キャンセルのキャンセルをしました(笑)」

小野「刑部さんが『バレエ団の垣根を越えて』とおっしゃいますが、バレエ団に所属していると企画される方からのお声掛けがないと参加できないもので。しかも同じバレエ団の相手役と一緒に行くことが多い。だから今回のような話は嬉しいですね」

 もう1作の『アルパカ』は、刑部の地元・町田市に南米のアルパカを飼育している団体があることから実現した作品。NBAバレエ団の岩田雅女によるコンテンポラリーで、主役のアルパカを新国立劇場バレエ団プリンシパル・奥村康祐が務める。

刑部「主人公のアルパカを、日本を代表する王子様である奥村さんにお願いしていいものか悩んで、LINEの画面を前にメッセージを送るまで30分位考えました。意を決して送ってみたら思いがけず『面白そうだね』と言ってもらえたんです」

 若きダンサーが意欲を持って企画したトリプル・ビルに大いに期待したい。

(取材・文:渡部晋也 撮影:平賀正明)

プロフィール

刑部星矢(ぎょうぶ・せいや)
東京都出身。清水哲太郎に師事して2007年に松山バレエ団入団。全ての演目に出演。2015年、ルドルフ・ヌレエフ版『眠れる森の美女』で森下洋子のパートナーを務めて以来、4年間にわたり相手役を務める。2019年、同バレエ団を退団し、NBAバレエ団にソリストとして入団。『白鳥の湖』、『ドン・キホーテ』、『ブルッフ』、『ドラキュラ』など多数出演。2020年に刑部・小林バレエスタジオを開校し、指導者としても活躍。

小野絢子(おの・あやこ)
東京都出身。小林紀子、パトリック・アルモン、牧阿佐美に師事。小林紀子バレエアカデミー、新国立劇場バレエ研修所を経て、2007年新国立劇場バレエ団にソリストとして入団。入団直後に、ビントレー『アラジン』の主役に抜擢され成功を収めた。その後、『眠れる森の美女』、『白鳥の湖』、『くるみ割り人形』、『ラ・バヤデール』、『ジゼル』、『シンデレラ』、『カルミナ・ブラーナ』、『パゴダの王子』など数多くの作品で主役を踊る。2011年、プリンシパルに昇格。

公演情報

第2回GKBプロフェッショナルパフォーマンス ~3つの作品で繋ぐ夢のようなひととき~

日:2024年9月7日(土)13:00/17:00開演 
場:町田市民ホール
料:S席6,000円 A席5,000円
  ※他、各種割引あり。詳細は団体HPにて
  (全席指定・税込)
HP:https://www.gkbworkshop.com/dai2kaigkbpro
問:GKBワークショップ&パフォーマンス
  mail:gkb.workshop@gmail.com

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