全てを注いで演じるキキの生き様から、命のあり方を感じて欲しい 別役実の傑作童話が、歌・音楽・サーカスありの音楽劇に!

全てを注いで演じるキキの生き様から、命のあり方を感じて欲しい 別役実の傑作童話が、歌・音楽・サーカスありの音楽劇に!

 世田谷パブリックシアター夏のアートフェスティバル「せたがやアートファーム」のメインプログラムとして、音楽劇『空中ブランコのりのキキ』が上演される。別役実の傑作童話数作品を原作に、歌・音楽・サーカスを盛り込んだ楽しくも切ない音楽劇が展開されていく。そんな舞台で、タイトルロールの「キキ」を演じる咲妃みゆが、愛してやまないという世田谷パブリックシアターでの初出演に向けた思いを語ってくれた。

 「はじめからこういうお話だったの?と思うほど、それぞれの作品の登場人物同士が絡み合い、影響し合って物語が進んでいく、北川陽子さんの台本にまず感銘を受けました。別役さんが生み出された作品は、もしかしたら全て繋がっていて、そこに壮大な“別役ワールド”が広がっているのかもしれないと思える、ワクワク感のある作品になっています。
 私が演じるキキは、自分が好きだったものがいつしかお仕事になり、熱狂してくださるお客さまの期待に応えようと頑張る女の子です。そのなかで、同じ技ができる人が現れたら、自分にだけ向けられているこの熱狂を失ってしまうのでは……という、恐怖にさらされてもいて。私も舞台が大好きで、演技者としてお仕事を続けさせていただいていますが、やはり仕事となると、大好きという気持ちだけでは乗り越えられないものがたくさんあります。キキの心情はよくわかります。もしかしたらご覧くださるお客さま方にも共感していただける役柄なのではと感じます」

 世田谷パブリックシアターが大好きだと伺っていますが、それを含めて公演への意気込みをぜひ!

 「ロビー、客席、舞台、全てが大好きな劇場です。どんな作品にも柔軟に寄り添ってくれる世田谷パブリックシアターに初めて主演という立場で立たせていただけるのは、人生の目標が“挑戦し続けること”である私にとって、あまりにありがたい出来事です。以前共演させていただいた時からなんて素晴らしいお芝居をされるんだろうと思っていた松岡広大さん、宝塚の大先輩である瀬奈じゅんさんをはじめ、素晴らしい共演者の方々と一緒に、野上絹代さんの構成・演出のもと、生きること、そして命のあり方が描かれる『空中ブランコのりのキキ』に、この夏全てを注いで臨みます!」

(取材・文:橘 涼香 撮影:磯部昭子)

プロフィール

咲妃みゆ(さきひ・みゆ)
宮崎県出身。2010年に宝塚歌劇団へ入団、2014年に雪組トップ娘役に就任。2017年の退団後はミュージカル・舞台のほか、映像にも活躍の場を広げている。第46回菊田一夫演劇賞、第31回読売演劇大賞女優賞を受賞。近年の主な出演に、ミュージカル『ニュージーズ』、『マチルダ』、舞台『千と千尋の神隠し』、『少女都市からの呼び声』、ブロードウェイミュージカル『カムフロム アウェイ』など。

公演情報

せたがやアートファーム2024
音楽劇『空中ブランコのりのキキ』

日:2024年8月6日(火)~18日(日)
場:世田谷パブリックシアター
料:一般8,000円(全席指定・税込)
HP:https://setagaya-pt.jp/stage/15937/
問:世田谷パブリックシアターチケットセンター 
  tel.03-5432-1515(10:00~19:00)

Advertisement

インタビューカテゴリの最新記事